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ドル円は10日線の存在感が増す状況に 2回目の調整相場を想定

サマリー:「ドル円は10日線の攻防が焦点として浮上。米国市場はリスク選好の状況にある。ドル円の下落は ”調整の反落” と想定する。注目のチャートポイントは?」詳細はマーケットレポートをご覧ください。

出所:ブルームバーグ 出所:ブルームバーグ

ドル円は10日線の存在感が増す状況に 2回目の調整相場を想定

・サポートラインとしての10日線

昨日のドル円(USDJPY)は東京時間に発生したリスク回避(株安)の動きに連動し、陰線引けとなった。筆者がサポートのポイントと考えていた113.70-80のゾーンを下抜け、安値113.63まで下落する局面が見られた。

昨日の下落で10日EMA(今日現在113.65レベル)の存在感が増してきた。このテクニカルラインは、9月30日から10月4日の反落局面でサポートラインとして意識されて以降、現在の上昇トレンドをサポートしている。昨日の下落が止まったのも10日線より少し上の水準だった。日足ローソク足では長い下ヒゲが示現。10日線がサポートラインとして意識されていることを示唆している。

10日線を下方ブレイクする場合、次のサポートポイントの候補は、フィボナッチ・リトレースメント38.2%の水準113.21。この水準は、今月12~14日にかけて相場をサポートした経緯がある。

・2回目の調整相場を想定

現在の上昇トレンドは9月22日から始まったが、調整らしい調整は上で述べた9月30日から10月4日の一回のみ。

今日以降、114円前半がサポートからレジスタンスへ転換する場合は、2回目の調整相場が来る可能性を意識したい。

このケースでは、「10日線の下方ブレイク → 113.20レベルのトライ」というシナリオを意識しておきたい。

ドル円のチャート

ドル円のチャート

・ドル円の下落は「調整の反落」

米国市場では、株高と利回りが同時に発生するリスク選好相場が続いている。S&P500は昨日、過去最高値を更新した(終値4,549.78)。米長期金利は1.7%台へと上昇する局面が見られた。2年債と5年の利回りも上昇トレンドにある。この状況を考えるならば、ドル円が下落しても、それは調整の反落であることを常に意識しておきたい。

ドル円が反発する場合は、114.50がレジスタンスからサポートへ転換するかどうか?まずはこの点を確認したい。

レジスタンスポイントは、今月20日の高値114.69レベルと節目の115.00で変わらず(上のチャートを参照)。

米国市場の動向

米国市場の動向

ユーロドルは1.1660-70がレジスタンスに 今日は指標データ後の動きに注目

昨日のユーロドル(EURUSD)は、陰線引けとなった。1.1660-70ゾーンで連日上昇が止められていることを重視するならば、ユーロドルは反落リスクを警戒する局面にある。

また、今日は21日EMA(1.1628レベル)を下方にブレイクし、その後はレジスタンスラインとして意識されている(本日12時時点)。この状況も考えるならば、なおさらユーロドルの反落を警戒しておきたい。

今日の17時にEUの各PMI指数(製造業/サービス業)が発表される。上で述べた状況でPMI指数が総じて予想を下回る場合は、1.16を視野に下落幅が拡大する展開を想定しておきたい。その後に発表される英国と米国の各PMI指数が予想以上となれば、1.16トライおよびブレイクの可能性を意識したい。

一方、EUの指標データが総じて予想以上となれば、1.1660レベルを視野に反発する可能性がある。しかし、その後の米英指標が良好な内容となれば1.1660-70で反発が止められ、このゾーンがレジスタンスの水準としてよりはっきりする可能性もあろう。

良好なEUの指標データとさえない米英の指標データで50日EMA(今日現在1.1692レベル)まで上昇する可能性もある。だが、ラガルドECBは金融政策の正常化を急がないスタンスを維持している。正常化に向けて舵を切っているパウエルFRBとの間で政策スタンスの差が明確になっている現状では、上で述べたレジスタンスゾーンやテクニカルラインでの反落リスクを常に警戒しておきたい。

ユーロドルのチャート

ユーロドルのチャート

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