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ドル円一時151円台へ 、反発弱く下落相場を警戒 今日の見通し

ドル円(USD/JPY)は25日の欧州時間に一時151円台へ下落する局面が見られた。その後、154.30台まで急反発する荒れた展開となった。来週に日銀会合を控えていることを考えるならば、ドル円は下落相場を警戒する状況が続くと予想する。今日の見通しは?注目のチャート水準は?

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記事のポイント

・ドル円が一時151円台へ下落、その後154円前半へ急反発の荒れた展開
・サポート水準としての152.00レベルの重要性が増す状況にある
・来週に日銀会合を控えており、下落相場を意識する状況が続く
・ドル円、今日の見通しと注目のチャート水準


ドル円のチャート水準

上値の水準(レジスタンス)

・154.90:半値戻し
・154.31:7月25日の高値
・154.20:フィボナッチ・リトレースメント38.2%

下値の水準(サポート)

・153.35:本日早朝の安値レベル
・153.00:サポートの水準
・152.00:重要サポートの水準
・151.94:7月25日の安値


ドル円一時151円台へ、荒れた展開

ドル円(USD/JPY)の下落が止まらない。25日の欧州時間に152.00レベルを下方ブレイクし、安値151.94レベルまで下落する局面が見られた。その後、154.30台まで反発する荒れた展開となった。

今日の東京時間に154円台へ反発する局面が見られた。しかし戻りの勢いはなく、レポート掲載時点で153円後半の攻防にある。

ドル円:5分足 25日東京タイム以降

ドル円:5分足 25日東京タイム以降

出所:TradingView

下で掲載している日足チャートで25日の動向を確認すると、ローソク足で長い下ヒゲが確認できた。

”セリング・クライマックス”を思わせる下ヒゲだが、下で述べる通貨オプション市場の動向やテクニカル面での攻防を考えるならば、ドル円は下落相場を警戒する状況が続くと予想する。


ドル円の見通しとチャート分析

急速に拡大する予想変動率

ドル円(USD/JPY)のリスク・リバーサルと予想変動率を確認すると、1週間と1か月のリスクリバーサルはドル・プットが一服のムードにある。しかし、反転ムードが高まる状況にはない。

一方、予想変動率は上昇傾向にある。特に1週間のそれは、今年4月以来となる14%台まで一気に上昇している(下のチャート、紫ラインを参照)。リスク・リバーサルのトレンドもあわせて考えるならば、通貨オプション市場ではドル円の下落を警戒する状況が続いている。

ドル円のリスクリバーサルと予想変動率:日足 年初来

ドル円のリスクリバーサルと予想変動率:日足 年初来 ブルームバーグのデータで筆者が作成

155.00レベルまでの反発が限界か

ドル円(USD/JPY)は昨日、151.94レベルから154.30レベルまで急反発する荒れた展開となった。反発した局面での動きをテクニカルで確認すると、フィボナッチ・リトレースメント38.2%の水準154.20レベルで戻りが止められたことが分かる(下のチャート、赤矢印を参照)。24日の早朝、そして本日の東京時間でもおなじく154.20レベルレジスタンスラインとして意識された。

ドル円が38.2%戻しを突破しても、すぐ上の水準154.90レベルには半値戻しが控えている。この水準も24日の欧州タイムに相場の戻りを止めた経緯がある。

45分足のRSIでは一度デッドクロスを形成した。MACDでもデッドクロスを形成するムードにある。来週に日銀の金融政策決定会合が控えている状況も考えるならば、本日ドル円が反発基調を維持しても155.00レベルまでの反発が限界と予想する。

筆者の予想に反して、日銀会合前にドル円が155円台へ上昇しても、155.50-60ゾーンで反落する展開を予想する。

155.00レベルはレジスタンスのラインへ転換する可能性がある(下の45分足チャート、赤ラインを参照)。155.60レベルはフィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準にあたる。

ドル円:45分足 7月18日以降

ドル円:45分足 7月18日以降

出所:TradingView

今日の注目材料は米個人消費支出(PCE)価格指数

ドル円(USD/JPY)の反発要因として本日注目したいのが、日本時間21時30分に発表される6月のアメリカ個人消費支出(PCE)価格指数(以下PCEデフレーター)である。

アメリカの長期ゾーン利回りは、反発の基調にある。11月大統領選挙でのトランプ氏勝利を意識した動きと考えることができる。

この状況でPCEデフレーターがインフレの粘着性を示す場合は、「米金利の反発→米ドル買い」を予想する。米ドル買いはドル円の下支え要因となろう。

アメリカ個人消費支出価格指数の動向:23年6月以降

アメリカ個人消費支出価格指数の動向:23年6月以降 ブルームバーグのデータで筆者が作成 / 赤の棒グラフとドット:6月の市場予想


下落局面では152.00の維持が焦点に

日足のMACDはデッドクロスを形成した後、ゼロラインを下回る状況にある。モメンタムも同じ状況にある。RSIは売られ過ぎの水準にあるが、ゴールデンクロスは確認されていない。いずれの動きもドル円(USD/JPY)の地合いの弱さを示唆している。

日銀会合を意識した円買い、または6月PCEデフレーターが米ドル安の要因となれば、ドル円は152.00を視野に下値をトライするだろう。

ドル円:日足 23年12月以降

ドル円:日足 23年12月以降

出所:TradingView

ドル円が152.00を目指す過程で注目したい水準が2つある。この点について上で掲載した45分足チャートで確認すると、まずは今日の早朝に相場をサポートした153.35レベルの攻防に注目したい。153.35の下方ブレイクは、サポートラインへ転換する可能性のある153.00をトライするシグナルと想定しておきたい。

ドル円が153.00レベルをも難なく下方ブレイクする場合は、円買いと米ドル売りが同時に発生している可能性がある。このケースでは、152.00を視野に下落幅が拡大する展開を警戒したい。

【再掲】ドル円:45分足 7月18日以降

【再掲】ドル円:45分足 7月18日以降

出所:TradingView


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