ヴイエムウェア（VMW）、2020/1通期ガイダンスを上方修正、Carbon Blackに続きPivotal Softwareの買収も2020/1期中に完了する見込み
ニューヨーク| インフラ・ソフトウェア | 業績フォロー
BLOOMBERG VMW:US | REUTERS VMW
- 11/26発表の2020/1期3Q（8-10月）は、売上高が前年同期比11.6％増の24.56億USD、純利益が同85.9％増の6.21億USD。調整後EPSは1.49USDと市場予想の1.42USDを上回った。
- ハイブリッドクラウドサブスクリプションおよびSaaS型経常収益が同40％伸びた。Pivotal Softwareへの投資持分からの未実現利益も寄与。
- 通期会社計画の上方修正。売上高、ライセンス売上高、調整後EPSの見通しを引き上げた。Pivotalの買収も2020/1期中に完了する見込み。
What is the news?
11/26発表の2020/1期3Q（8-10月）は、売上高が前年同期比11.6％増の24.56億USD、営業利益が同12.9％減の4.31億USD、純利益が同85.9％増の6.21億USD。製品・ソリューションのポートフォリオが全体的に好調だった。ハイブリッドクラウドサブスクリプションおよびSaaS型経常収益が同40％伸び、売上構成比の13％に拡大。上位10社の顧客のうち6社がVMware Cloud Foundationを購入した。このプラットフォームソリューションは完全なソフトウェア定義データセンターのスタックで構成され、プライベートクラウドやパブリッククラウド、パートナーが管理するクラウドで提供される。10/8に買収が完了したCarbon Blackにより売上高が1,000万USD押し上げられほか、Pivotal Softwareへの投資持分からの未実現利益の2.49億USDも寄与した。前年同期に計上した同社への投資持分に係る公正価値の評価損1.61億USDも剥落した。株式報酬費用や無形資産の償却費、買収関連費用、税調整などを除くベースの調整後純利益は同4.3％減の6.17億USD。調整後EPSは1.49USDと市場予想の1.42USDを上回った。
売上高の内訳は、①ライセンス売上高が同10.2％増の9.74億USDで売上高全体の39.7％を占めた。サービス売上高については、②ソフトウェアメンテナンスは同12.5％増の12.80億USD、③プロフェッショナルサービスは同13.5％増の2.02億USD。それぞれ全体の52.1％、8.2％を占めた。前受収益（代金は受け取っているが役務をまだ提供していない場合に負債計上する項目）は、①ライセンスが4.58億USD、②ソフトウェアメンテナンスが65.45億USD、③プロフェッショナルサービスが8.82億USDだった。
How do we view this?
2020/1期4Q（2019/11-2020/1）会社計画は、売上高が前年同期比13.8％の29.50億USD、ライセンス売上高が同13.0％増の13.90億USD、非GAAP営業利益率が37.6％、調整後EPSが2.16USD。通期会社計画を上方修正。売上高を従来計画の前期比11.8％増の100.30億USDから同12.5％増の101.00億USDへ、ライセンス売上高を同11.3％増の42.15億USDから同12.0％増の42.45億USDへ、調整後EPSを6.54USDから6.58USDへ引き上げた。Carbon Blackに続き、Pivotal Softwareの買収も2020/1期中に完了する見込み。開発ツールやサイバーセキュリティー分野の事業強化につながろう。
終値（USD）153.85 2019/12/2
会社概要
1998年設立。2004年にEMC Corporationに買収され、2007/8に新規株式公開された。2016/9/7にDellTechnologies（DELL）がEMCを買収したため、EMCはDellの完全子会社となり同社はDellの間接所有子会社となった。x86サーバーベースのコンピューティングを使用した仮想化技術のパイオニアであり、ソフトウェア定義データセンター（SDDC）、ハイブリッドクラウドコンピューティング、エンドユーザーコンピューティング（EUC）の3つのカテゴリーでソリューションを提供している。顧客企業に対し、プライベートクラウドや複雑なマルチクラウド、マルチデバイス環境などITリソースの管理を支援している。
SDDCでは、仮想化によってコンピューティング、ストレージ、ネットワークのリソースを抽象化し、それらをサービスとして提供している。vSphere、vRealize、Wavefront by VMware、CloudHealth、vSAN、VMwarevCloud Suite、VMware vRealize Suiteなどのソリューションがある。ハイブリッドクラウドコンピューティングでは、データセンター、パブリッククラウド、エッジ環境全体で一貫したインフラストラクチャーを提供している。VMware Cloud Foundation、VMware vRealizeクラウド管理プラットフォームなどを通じて提供している。EDUでは、デバイスを問わず、あらゆるアプリケーションの提供と管理が行えるプラットフォームを提供しており、Workspace ONEなどのサービスがある。
企業データ（2019/12/3）
ベータ値 1.35
時価総額（百万USD）63,011
企業価値=EV（百万USD）66,477
3ヵ月平均売買代金（百万USD）219.0
1.VMW HOLDCO LLC 18.25
2.T.ロウ・プライス・グループ 12.36
3.デル 9.75
（出所:Bloombergをもとにフィリップ証券作成）
本レポートの発行元：フィリップ証券株式会社〒103-0026 東京都中央区日本橋兜町4番2号
TEL:03-3666-2101 URL： http://www.phillip.co.jp/
本レポートの作成者：フィリップ証券 リサーチ部
公益社団法人 日本証券アナリスト協会検定会員 国際公認投資アナリスト 笹木和弘
公益社団法人日本証券アナリスト協会検定会員補 増渕透吾
当資料は、情報提供を目的としており、金融商品に係る売買を勧誘するものではありません。フィリップ証券は、レポートを提 供している証券会社との契約に基づき対価を得ております。当資料に記載されている内容は投資判断の参考として筆者の 見解をお伝えするもので、内容の正確性、完全性を保証するものではありません。投資に関する最終決定は、お客様ご自身 の判断でなさるようお願いいたします。また、当資料の一部または全てを利用することにより生じたいかなる損失・損害につ いても責任を負いません。当資料の一切の権利はフィリップ証券株式会社に帰属しており、無断で複製、転送、転載を禁じま す。
＜日本証券業協会自主規制規則「アナリスト・レポートの取扱い等に関する規則平14.1.25」に基づく告知事項＞ 本レポートの作成者であるアナリストと対象会社との間に重大な利益相反関係はありません。
本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありません。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。 無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。
リアルタイムレート
- FX
- 株式CFD
- 株価指数CFD
※上記レートは参考レートであり、取引が保証されるものではありません。株式のレートは少なくとも15分遅れとなっております。
