調整圧力が高まりやすい局面にある米株
外為市場の焦点は引き続き米指標データです。注目すべき市場は債券市場で変わらず。しかし、目先は株式市場の動向にも注視する必要があります。調整圧力が高まり易い局面に差し掛かっているいるからです。詳細はマーケットレポートをご覧ください。
・調整圧力が高まりやすい局面にある米株
注目されたISM製造業景況指数は47.8と、2か月連続で好不況の分岐点である50.0を下回った。景気の先行指標として注目度が高い同指数の低下は米長期金利(以下米金利)の低下圧力を高め、1日の外為市場では、米ドルが主要な先進国通貨に対して下落した。米ドル以上に下落圧力が高まったのが新興国通貨だった。昨日の動向は1日のレポート「米指標データにらみの1週間」で予測したとおりの展開となった。予測通りということは、外為市場では引き続き米指標データにらみの展開が続くだろう。本日は9月ADP雇用統計が発表される。この指標は外為市場に大きなインパクトを与える指標ではない。だが、ISM製造業景況指数の構成項目である雇用指数が46.3と、2016年1月以来の水準まで低下しているタイミングで、ADP雇用統計までが下振れる場合、本命の9月雇用統計(4日発表)に対する不透明感が高まろう。堅調な労働市場は米国経済の土台である。その土台が揺らいでいるとの警戒感が高まれば、米金利には低下圧力がかかり続けよう。その結果、外為市場では主要な先進国通貨で米ドルが軟調地合いとなろう。
また、現在は米国株式市場の動向にも注視する必要がある。S&P500指数のボラティリティ(=20日間の標準偏差を年率換算)は低すぎる水準「6%」が目前に迫っており、ナスダック100を原資産としたVIX指数は先月20日以降上昇基調へ転じると、22.0ポイントの水準まで上昇している。これらボラティリティの動向を考えるならば、米国株式市場では調整圧力が高まり易い局面にある。そのきっかけが冴えない指標データとなる可能性は十分にあろう。米国市場でリスク回避相場のムードが高まる場合、外為市場では日本円とスイスフランの買い圧力が高まろう。米ドルは主要な先進国通貨に対して売り優勢の展開が予想される。一方、リスク性の高い通貨-新興国通貨や資源国通貨に対しては堅調地合いとなろう。
【ISM製造業景況指数と米長期金利】
・ドル円とユーロドルのチャートポイント
ドル円は引き続き米金利にらみの展開となろう。上述したとおりADP雇用統計が市場予想(14.0万人)を下回る場合、4日の雇用統計に対する不透明感が意識されることで米金利には低下圧力が高まろう。このケースでは107円台の維持が焦点となろう。昨日相場をサポートした21日MA(107.66)のブレイクは107.40トライのシグナルとして警戒したい。107.40をも下方ブレイクする場合は、107.00を視野に下落幅の拡大を予想する。107.50および107.40にはビッドが観測されている。107.00にもビッドの観測あり。また、この水準にはオプションバリアの攻防も予想される。一方、良好な指標データ等で米金利が反発する場合は108円台への再上昇を予想する。注視すべきレジスタンスポイントは108.40-50ゾーン(フィボナッチ・リトレースメント50.0%)で変わらず。このゾーンにはオファーが観測されている。
ユーロドルも米金利にらみの展開が続こう。米金利が低下する場合は続伸を予想する。このケースでは1.0950および1.0965の突破が焦点となろう。1.0960から1.0990にかけては断続的にオファーが観測されている。一方、米金利が反発するケースでは1.0880レベル(昨日安値1.0877)の攻防に注目したい。1.0880および1.0870にはそれぞれビッドが観測されている。
【ドル円】
【ユーロドル】
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