相場の重要テーマ凝縮の上半期総決算週が到来
米国ウィークリー2020年6月30日号
- 2020年も早いもので折り返し地点に差し掛かった。6/29-7/3週は、7/3が独立記念日の振替休日ということもあり、6/30-7/2の3日間に今後の相場の重要テーマに直結する経済指標やイベントが目白押しだ。足元では米国の新型コロナウイルス感染者数や死者数の動向に目を奪われがちだが、今後の相場の方向性を読み取っていくうえで3日間の動向は重要なものになると考えられる。
- ①まず、株式市場を支える流動性の源流となるFRBのバランスシートの動向を見る上で「米財務長官とFRB議長の下院金融委員会での証言」(6/30)および「FOMC議事要旨」(7/1)が要注目だ。FRBのバランスシートは、2/26の4兆2,063億USDから6/10の7兆2,176億USDまで増加後、2週連続で縮小して6/24に7兆1,309億USDとなった。パウエル議長がバランスシート拡大政策をどのように考えているのかを市場は注意深く観察するだろう。②次に、7/1の香港返還記念日を前に中国全人代の常務委員会で香港国家安全法の可決が見込まれるなか、米中貿易協議の「第1段階」合意を米大統領選に向けた成果としてアピールしたいトランプ大統領が厳しい対中制裁に踏み切れるのかどうかが注目される。③また、7/1発表のISM製造業景況指数は、3月の49.1から4月に41.5へ悪化した後で5月に43.1に上昇した。5月まで3か月連続で50を上回る中国の製造業購買担当者指数(PMI)と比較しても、6月に再低下すれば米製造業の景気回復の弱さを印象付けよう。④更に、7/2に6月の雇用統計および新規失業保険申請件数(前週分)が同時に発表される予定。5月の雇用統計は非農業雇用者数が前月比750万人減の市場予想に対し同250万人増、失業率が19.8%の市場予想に対し13.3%と堅調だった。政府からの補助金支給要件を満たすため再雇用を前提とした一時解雇といった特殊要因に影響された可能性もあり、雇用増が持続的かどうかが問われよう。特に、新型コロナウイルス感染第2波により新規失業保険申請件数が再増加すれば市場への影響は大きいだろう。
- 尚、米国の新型コロナウイルス感染状況は、全米および人口上位3州(カリフォルニア、テキサス、フロリダ)とも6/25以降に新規感染者数が過去最多を大きく更新し「第2波」への懸念が高まっているが、死者数増加ペースの落ち着き、およびPCR検査拡大により重症化しにくい35歳以下の層が新規感染者の半数を占めており医療リソースの逼迫に至っていないことから、過度な警戒よりもGAFAMを含むIT関連成長株の投資タイミング探しの局面かも知れない。(笹木)
S&P500業種別および NY ダウ構成銘柄の騰落率(6/26現在)
主な企業決算の予定
●6月30日(火): フェデックス、コナグラ・ブランズ
●7月1日(水):ゼネラル・ミルズ、コンステレーション・ブランズ
主要イベントの予定
●6月30日(火)
・米財務長官とFRB議長が下院金融委員会で証言(新型コロナ対応で)、ニューヨーク連銀総裁が講演(オンライン)
・米主要20都市住宅価格指数 (4月)、消費者信頼感指数 (6月)
●7月1日(水)
・香港市場は香港返還記念日の祝日のため休場
・米FOMC議事要旨 (6月9、10日開催分)、シカゴ連銀総裁がオンラインフォーラム
・米自動車販売 (6月)、ADP雇用統計 (6月)、ISM製造業景況指数 (6月)、建設支出 (5月)
●7月2日(木)
・米債券市場が短縮取引
・米雇用統計 (6月)、 新規失業保険申請件数 (6月27日終了週)、貿易収支 (5月)、製造業受注 (5月)
●7月3日(金)
・米市場は独立記念日の振替え休日で休場
●7月6日(月)
・マークイット米国サービス業・コンポジットPMI(6月)、ISM非製造業景況指数(6月)
(Bloombergをもとにフィリップ証券作成)
本レポートの発行元:フィリップ証券株式会社〒103-0026 東京都中央区日本橋兜町4番2号
TEL:03-3666-2101 URL: http://www.phillip.co.jp/
本レポートの作成者: | 公益社団法人 日本証券アナリスト協会検定会員 国際公認投資アナリスト 笹木和弘 フィリップ証券 リサーチ部 アナリスト 李一承 |
当資料は、情報提供を目的としており、金融商品に係る売買を勧誘するものではありません。フィリップ証券は、レポートを提 供している証券会社との契約に基づき対価を得ております。当資料に記載されている内容は投資判断の参考として筆者の 見解をお伝えするもので、内容の正確性、完全性を保証するものではありません。投資に関する最終決定は、お客様ご自身 の判断でなさるようお願いいたします。また、当資料の一部または全てを利用することにより生じたいかなる損失・損害につ いても責任を負いません。当資料の一切の権利はフィリップ証券株式会社に帰属しており、無断で複製、転送、転載を禁じま す。
<日本証券業協会自主規制規則「アナリスト・レポートの取扱い等に関する規則平14.1.25」に基づく告知事項> 本レポートの作成者であるアナリストと対象会社との間に重大な利益相反関係はありません。
本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありません。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。 無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。
こんなに豊富?IG証券のCFD銘柄は17,000以上
外国為替、日本株・外国株、株価指数、債券先物、商品(エネルギー、農産物、貴金属)など多彩な資産クラスをFX取引、CFD、バイナリーオプション、ノックアウト・オプションで提供
リアルタイムレート
- FX
- 株式CFD
- 株価指数CFD
※上記レートは参考レートであり、取引が保証されるものではありません。株式のレートは少なくとも15分遅れとなっております。