中国経済の回復基調は続くも豪ドル相場の上値は重い / 豪ドル円のチャートポイント
今日のポイント:『中国の経済は回復基調にある。しかし豪ドル相場の上値は重い。今日は米景気対策の議論と米株の動向に注目。対米ドルと対円のチャートポイントについて』。詳細はマーケットレポートをご覧ください。
中国経済の回復基調は続くも豪ドル相場の上値は重い
昨日発表された中国の指標データは、7-9月期のGDP(前年同期比)こそ4.9%と市場予想(5.2%)以下となったが、その他の指標データは市場予想以上となり、中国経済の回復基調が続いていることを示す内容となった。
中国経済との連動性が高い通貨は豪ドルである。しかし、昨日の対米ドルでの動向を確認すると、0.71レベルで上値が抑制され陰線引けとなった。米株が下落したことで豪ドル売りの圧力が高まった点は考慮すべきだが、9月下旬以降の株高回帰の局面、そして昨日の中国指標データに対して豪ドル買いが限定的だった事実は、豪ドル相場がトレンドの分岐点にある可能性を示唆している。
本日9時30分に豪中銀(RBA)金融政策会合議事要旨の公表がある。焦点については、昨日のレポート『中国の指標データと豪ドル/米ドル(AUD/USD)のポイント』の項目を参照されたし。今回の議事録が利下げの可能性を意識させる内容となれば、豪ドルの売り圧力を高める要因となろう。
豪ドル/米ドル(AUDUSD)は、昨日のレポートでも指摘したとおり0.70の攻防が焦点となろう。この水準を維持する場合は、0.70-0.73のレンジ相場へシフトする可能性が出てくる。
一方、短期レジスタンスラインで上値が抑制されている状況で0.70を下方ブレイクする場合は、上昇トレンドから下落トレンドへの転換を意識したい。
0.70をブレイクするきっかけは、利下げ観測の高まりと株安と予想する。
後者については、特に欧米の株安が豪ドル売りのきっかけとなろう。欧米株式の下落要因としては、欧州での新型コロナウイルスの感染拡大と米景気対策合意の失敗と考えている。
豪ドル/米ドル(AUD/USD)のチャート
豪ドル円のチャートポイント
ドル円は105円台を中心にこう着した状況が続いている。豪ドル円(AUD/JPY)は豪ドル/米ドル(AUD/USD)の動向にトレンドが左右されよう。
豪ドル相場と同じく、円相場も株式の動向に左右される特徴がある。よって本日は株式の動向、特に米株の動向に注目したい。
来月3日の米大統領選挙前までの景気対策合意でペロシ下院議長とムニューシン財務長官は協議を重ねている。しかし、民主党の2.2兆ドル規模に対してトランプ政権は1.8兆ドルを主張し、額の面で未だに溝が埋まらない状況が続いている。
ペロシ氏は協議の交渉期限を本日20日いっぱいと示唆しており、合意に失敗となれば米株には下落圧力が高まろう。
このケースでの豪ドル円(AUD/JPY)は、今月15日に相場をサポートしたフィボナッチ・プロジェクション50.0%の水準74.26の下方ブレイクおよび61.80%の水準73.73を視野に下落幅が拡大する展開を予想する。
米株安に加えてRBAによる利下げ観測も高まるならば、73.73レベルをトライする可能性を意識したい。
一方、米景気対策が合意となれば米株は急反発しよう。このケースでは豪ドル円(AUD/JPY)の上昇を予想する。対米ドルでの上値の重さを考えるならば、まずは75.20レベルで推移している21日MAを突破できるかどうか?この点に注目したい。
豪ドル円(AUD/JPY)のチャート
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