FEDと米ドル安
外為市場では徐々に米ドル安圧力が高まっています。なぜそのような展開となっているのか?考えられる要因とは?詳細はマーケットレポートにて。
徐々に高まる米ドル安の圧力
このレポートでは、現在FEDが導入している超金融緩和政策は米ドル安要因になる、と指摘してきた。実際に米ドル相場の月初来(4月)のパフォーマンスを確認すると、主要な先進国通貨で米ドル安圧力が高まっていることがわかる。特にオセアニア通貨で米ドル安が進行している状況(対豪ドルで-4.62%、対NZドルで-2.34%の米ドル安)は、新型コロナウイルスの問題による中国経済の懸念が一時的にせよ後退していることを示唆している。一方、対新興国通貨でのパフォーマンスを確認すると、トルコリラ(+3.14%)、南アフリカランド(+2.52%)そしてインドルピー(+0.90%)といった新興国通貨で米ドルは堅調地合いを保っている。しかし、その他の主要な新興国通貨に対しては、総じて米ドル安優勢の状況となっている。
ヒントは2019年後半のトレンド
FEDの超緩和政策の中でも米ドル安圧力を高めている政策は、利下げではなく資金供給である。これを考える上で重要なヒントが、2019年後半の米ドル相場の動向である。同年6月以降、米利下げ観測が高まり、実際にFEDは7月から10月の会合を通して連続利下げに追い込まれた。しかしこの間の実勢相場は、米ドル高の局面にあった。そして、同年9月に米国の短期金融市場で翌日物レポ金利が一時急伸する局面が見られた。要因のひとつが米ドル資金のひっ迫にあるとの見方から、FEDは同年10月に600億ドル相当(月額)の資金供給を決定。それと同時に米ドル高から米ドル安へとトレンドが一変した。つまり、2019年後半の動きは、米ドル相場のトレンド決定要因が政策金利や市場金利の動向ではなく、市場に流れる米ドルの量にあったことを示している。
そして現在。3月23日にFEDが無制限の量的緩和を決定した後に米ドル安圧力が高まり、4月9日に2.3兆ドルの新たな資金供給策を表明後も米ドル安圧力が高まっている。コロナ後の経済情勢や11月に米大統領選挙が控えていることを考えるならば、FEDは現在の超金融緩和政策を簡単には解除できまい。よって、今後の外為市場で注目すべきは米ドル安圧力の高まりであると考えている。
ドルインデックス
ドル円の展望
昨日米株は上昇したが、ドル円はNYタイムで一時107.00を下方ブレイクする局面が見られた(安値106.96)。反発が限定的であることも考えるならば、今日も米ドル安圧力がドル円の上値を抑制する展開が予想される。107.00を完全に下方ブレイクする場合、ビッドが観測されている106.50を次のサポートポイントと想定する。昨日上昇した米株が利益確定に圧され反落する場合、106.50を下方ブレイクする可能性を意識したい。
一方、上値の焦点は、昨日のNYタイムで上値を抑制した107.75レベルのトライおよび突破が焦点となろう。107.80トライのシグナルとして107.44および107.55の突破に注目したい。尚107.80の上には買いストップのオーダーが観測されている。ストップを巻き込む展開となる場合、108円台への再上昇が次の焦点となろう。108.00上にも同様に買いストップオーダーの観測あり。
ドル円
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