WTI原油が時間外で11ドル割る 最大手ETFがロールオーバー
・6月限、通常取引で25%下落
・USO、6月限のポジションすべて売却へ
ニューヨーク原油先物相場が日本時間28日午後の時間外取引で下落。世界最大の原油価格連動型上場投資信託(ETF)であるユナイテッド・ステーツ・オイル・ファンド(USO)が、期近6月限のポジションすべての売却と、期先限月への乗り換え(ロールオーバー)を実施していることが背景にある。原油の貯蔵スペースの不足により、期近限月が急落したことを受けての措置という。
WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の取引の中心である6月限は27日の通常取引を前日比4.16ドル(24.6%)安の1バレル=12.78ドルで終えた。その後の時間外取引で一時10.64ドルまで値を下げた。
日本時間午後4時31分現在、6月限は通常取引終値を2.34ドル下回る10.44ドルで推移している。7月限は通常取引より0.48ドル安い17.60ドル。
USOは27日、同日を含む3日間で6月限のポジションすべてを売却し、7月から10月までの各限月、さらに12月限、2021年6月限にロールオーバーすると発表した。
USOはロールオーバーを終えた後の保有ポジションの大まかな内訳について、7月限が30%、8月から10月までの各限月と12月限がそれぞれ15%、21年6月限が10%としている。
USOの本来の運用方針は期近限月の動向を追跡するというもの。貯蔵スペース不足により、この方針の変更を余儀なくされた。
WTI期近物(当時5月限)は20日に一時、マイナス40.32ドルまで下げた。マイナスでの取引は前例がない。6月限も5月19日の取引最終日の前に貯蔵スペースが不足していれば、マイナス圏で取引される可能性がある。
USOは27日、0.38ドル(14.79%)安の2.19ドルで終了。この1カ月間の下落率は50%を超える。年初来の下落率は約83%。
クッシング在庫
米エネルギー情報局(EIA)によると、WTI原油の受け渡し場所である米オクラホマ州クッシングの原油貯蔵施設の在庫は17日時点で5970万バレル。前週比で480万バレル増加した。
EIAの試算では、実際に使用が可能なクッシングの原油貯蔵能力は昨年9月末現在で7600万バレル。余力はあと約1600万バレル余りだが、このうちの大半が予約済みと伝えられている。
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