WTI原油が上昇、OPECプラスが減産合意 過去最大幅
・需要減を補いきれないとの見方も
・モルガン・スタンレーが予想引き上げ
ニューヨーク原油先物相場が日本時間13日の時間外取引で上昇。石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟の主要産油国で成るOPECプラスが、5月と6月に日量970万バレルの減産を実施することで合意したことを市場は好感した。ただ、新型コロナウイルスの感染拡大を受けた需要の縮小を補うには不十分との見方は依然多い。
ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)に上場するWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)で期近の5月限は同午前10時18分現在、9日終値を1.51ドル(6.63%)上回る1バレル=24.27ドルで推移している。
NYMEXは10日、グッドフライデーで休場。9日の終値は前日比2.33ドル(9.3%)安の22.76ドル。
OPECプラスは同13日未明、緊急テレビ会合を9日に続いて再び開催し、協調減産の規模を暫定合意していた日量1000万バレルから同970万バレルに引き下げた。減産枠を拒んでいたメキシコに配慮した。
メキシコは日量40万バレルの減産を求められていたが、同国が要求した同10万バレルの減産で受け入れられた。なお、トランプ米大統領が、メキシコの減産の不足を米国が肩代わりする可能性を示唆したが、具体的な方法は明らかにしていない。
6月までの減産規模は、世界の供給の10%近くに相当する。ただ、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う経済活動の落ち込みによる需要の減少は日量2000万バレルを超えるとみられており、需要の喪失分には遠く及ばない。
OPECプラスの9日の会合の後、主要20カ国・地域(G20)のエネルギー相が10日に実施したテレビ会合では、具体的な削減目標の設定が見送られた。
ブルイエット米エネルギー長官は同会合で、今年末までに米国の原油生産が日量200万バレル減少するとの見方を示している。
モルガン・スタンレーは米国時間12日、4~6月期の原油相場見通しを引き上げた。新たな予想は北海ブレント原油が25ドル、WTIは22.50ドル。
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