WTI原油が上伸、ロシアに減産の用意で
・ロシアに日量160万バレルの減産の用意
・ロシアは米国の減産を協調減産とみなさず
ニューヨーク原油先物相場が日本時間9日の時間外取引で、小高く推移している。通常取引時間にロシアに減産の用意があると伝わり上伸。その後は様子見ムードが強い。石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシアなど非加盟国で構成するOPECプラスはきょう協調減産を巡る緊急のテレビ会議を開く。
ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)に上場するWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)で期近の5月限は8日、3日ぶりに反発。前日比1.46ドル(6.18%)高の1バレル=25.09ドルで取引を終えた。
その後の時間外取引では一時26.61ドルまで買われている。
ロシアのタス通信は8日、ロシアのエネルギー省当局者の話として、同国が日量160万バレルの減産を行う用意があると伝えた。ロシアの産油量は日量約1129万バレルであり、これが実現すれば約15%の減産となる。
タス通信はまた、ロシアのペスコフ大統領報道官が、同国は各国の生産シェアに従い、OPECプラスの減産合意に参加する用意があると発言したと伝えている。
ペスコフ氏は、米国に対しては協調減産への参加と相応の負担を求めるとの考えを明らかにした。新型コロナウイルスの感染拡大による原油需要の減少に伴う減産と、市場の安定化のための協調減産は全く異なるとし、原油安を受けた米企業によるシェールオイルの減産は協調減産とは見なさないと述べた。
米国はシェールオイル企業を保護しており、原油安などを受けてすでに生産を削減していると表明している。また、米企業は反トラスト(独占禁止)法により他社との生産調整を禁止されており、協調減産の一端を担うのは難しいとみられる。
一方、ロシアとともにサウジアラビアも協調減産への米国の参加を求めており、協議の行方は予断を許さない。
ペスコフ氏は同時に、米国が協調減産に参加するかを10日まで続く協議の終了まで待つとの意向も示した。10日にはサウジアラビアの主導で20カ国・地域(G20)エネルギー相がエネルギー市場の安定化確保を目的に協議を行う。
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