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WTI原油、時間外で下げ縮小 サウジとの減産合意近いとロシアSWF幹部が発言

・OPECプラス会議、6日から9日に延期
・ロ大統領、全体で日量1000バレルの減産可能と発言

Source: Bloomberg

ニューヨーク原油先物相場が日本時間6日の時間外取引で、朝方の安値から水準を切り上げている。ロシアのソブリン・ウェルス・ファンド(SWF)の幹部がロシアとサウジアラビアの減産合意が非常に近いと話したと伝わり、買いが優勢となった。

米CNBCは日本時間6日午後、ロシアSWFであるRDIFのキリル・ドミトリエフCEOが、両国の減産合意は非常に近いとし、合意により市場に安定性がもたらされると述べたと伝えた。

さらに、米生産者が合意に含まれるよう、ロシアは米当局とも緊密に連絡を取っていると同CEOは述べたという。

この報道を受け、ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)に上場するWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)で期近の5月限は一時、1バレル=28.24ドルまで買われた。

米ニューヨーク州で新型コロナウイルスによる死者数が減少したことを受け、米株価指数先物が大幅高となったことも原油の押し上げに一役買った。

朝方は大きく下げていた。5月限は3日の通常取引終値を3.06ドル(10.8%)下回る25.28ドルまで売られた。石油輸出国機構(OPEC)とロシアなどの非加盟産油国で構成するOPECプラスが緊急会議を延期したと伝わり、減産への期待が遠退いたことが背景にある。

原油相場は3日、主要産油国が減産に動くとの見方が強まるなか、需給改善を見込む買いに押し上げられた。5月限は一時29ドル台まで浮上し、前日比3.02ドル(11.9%)高の28.34ドルで取引を終えた。

OPECプラス会議

海外メディアによると、OPECプラスは臨時のテレビ会議を当初の予定の6日から9日に延期した。3月6日の会合での減産協議の決裂により原油相場が急落した責任を巡り、サウジアラビアとロシアが対立を深めたことが背景にある。

臨時会合は、サウジが2日に提案した。トランプ米大統領は同日、サウジのムハンマド皇太子と会談したとツイッターに投稿。皇太子がロシアのプーチン大統領と話したとし、両国が約1000万バレル、最大で1500万バレルを削減すると見込んでいると述べていた。トランプ氏はこの値が日量であるかは明らかにしていない。

ロシアのプーチン大統領も3日、会合の開催に賛同。世界で日量1000万バレル程度の減産が可能との見方を示した。

相場急落の責任

一方、プーチン氏は原油相場の急落について、サウジが協調減産合意から離脱し、4月からの増産や4月渡しの原油の大幅な値引きを発表したことが原因だと批判した。

これに対し、サウジは4日、まったく真実と異なるとし、合意しなかったのはロシアだと反論した。

両国の対立により、6日の会議開催の調整が困難になった。イラク石油省などによると、9日に開催する方向で現在、調整が進んでいる。

需給動向

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い各国の経済活動が停滞するなか、国際エネルギー機関(IEA)のビロル事務局長は3月26日、世界の原油需要が最大で日量2000万バレル相当減少する可能性があるとの見方を示した。

プーチン大統領が示した日量1000万バレル程度の減産をもってしても、需要の減少に供給の削減が追いつかない可能性が高い。


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