円が再び急伸、為替介入を意識する状況が続く、ドル円の展望とチャートポイント
今日の早朝に円相場が急伸する局面が見られた。しかしドル円(USD/JPY)は153円から156円台へ反発し、市場参加者に底堅さを印象付ける展開となっている。目先、ドル円の上昇局面で注目したいチャートポイントは?一方、反落局面での焦点は?
サマリー
・今朝の5時過ぎに円相場が急伸する局面が見られた
・ドル円は4円の急落、為替介入の可能性を意識する状況が続く
・根強いドル円の上昇圧力、目先の焦点は157.00と158.00の突破
・ドル円の反落局面では、153円の維持が焦点となろう
荒れる円相場、ドル円は本日早朝に4円の急落
今週は円相場の変動幅が拡大している。本日の午前5時過ぎにドル円(USD/JPY)は、157円台から一気に153.00レベルまで急落する局面が見られた。
外為市場では政府・日銀にる円買い介入の可能性を指摘する声があるが、財務省の神田財務官は為替介入について「ノーコメントだ」と述べるにとどまった。
ドル円のチャート:45分足 4月29日以降の動き
根強いドル円の上昇圧力
しかし、ドル円(USD/JPY)の上昇圧力は根強い。この点を下のチャートで確認すると、二度の急落(円高)の後、すぐに反発していることが分かる。
先月29日の市場では、154円ミドルから158.00の手前まで反発した(下のチャート①を参照)。本日早朝の円高局面が153.00レベルで止められた後は、156円台まで反発した(下のチャート②を参照)。
昨日の外為市場では、米連邦公開市場委員会(FOMC)後のパウエルFRB議長による会見内容を受け、外為市場では米ドル高の勢いが後退気味である。それでもドル円が約3円も一気に反発した状況は、ドル円の上昇圧力の根強さを示唆している。
ドル円のチャート:1時間足 4月29日以降の動き
158円を目指す局面では円高を警戒
今日以降、ドル円(USD/JPY)の上昇局面で注目したいのが、157.00と158.00の攻防である。
前者の水準(157.00)は、先月29日以降の高安のフィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準にあたる。また、先月29日の欧州タイムから翌30日の欧州タイムまで相場の反発を止めた経緯がある。157.00を目先のレジスタンスポイントと想定しておきたい。
ドル円が最初のレジスタンスポイント157.00の水準を完全に突破する場合、次の焦点は158.00のトライそしてブレイクアウトとなろう。157.00と同じくこの水準も相場の反発を止めた経緯がある。
ドル円が158.00レベルを目指す展開は地合いの強さを市場参加者に印象付けよう。だが、本日早朝の急落(円高)を考えるならば、158円を目指す局面では不意打ちのような円高を警戒しておきたい。
時間足のRSIとストキャスティクスを軸に相場の状況(買われ過ぎ)を確認し、反落のタイミングを探りたい。特に、これらオシレーター指標が買われ過ぎの水準でデッドクロスの状況にある時に、ドル円が上記のレジスタンスポイントをトライする局面では、反落を警戒したい。
ドル円のチャート:1時間足 4月29日以降の動き
下落局面でのチャートポイントは?
本レポートの掲載時点でドル円(USD/JPY)は、156.00レベルを突破しきれずにいる。
今日は米国の新規失業保険申請件数が発表される。パウエルFRB議長の会見以降、米ドル相場の大まかなトレンドを示すドルインデックス(DXY)は上値の重い状況にある。このタイミングで米新規失業保険申請件数が労働市場の軟化を示す内容となれば、米ドル安がドル円の反発圧力を相殺する展開が予想される。
今日以降ドル円の下落局面では、今朝の円高を止めた153.00レベルの維持が焦点となろう。この水準を目指す最初のシグナルとして、まずは21日線(今日現在154.30台)の攻防に注目したい。現在のドル円は、日足ローソク足の実体ベースでこの移動平均線を意識する状況にある(下のチャート、青ラインを参照)。
ドル円が21日線を難なく下方ブレイクする場合は154.00の水準を下抜け、3月安値と4月高値の半値戻しの水準153.35レベルを視野に下落する展開を想定しておきたい。
ドル円が153.35レベルをも下方ブレイクすれば、153.00レベルで三度下値がサポートされるかどうか?この点が焦点として浮上しよう(下のチャート、赤矢印を参照)。
ドル円のチャート:日足 24年3月以降
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