米国株の注目銘柄5選【2024年最新】
世界最大の経済大国である米国には、株取引のチャンスが豊富にあります。この記事では、注目の米国株5銘柄を紹介します。取り上げる銘柄は時価総額に基づいて選ばれています。
米国経済の背景
加速するインフレや新型コロナウイルス感染症、世界経済危機や自然災害など、米国は過去数十年間で様々な課題に直面してきました。
特に、この2年間に同国の経済力は少し弱まったものの、世界最大の経済大国であることに変わりはなく、名目GDPは28兆7800億ドル、一人当たりのGDPは85,370ドルとなっています。米国は19世紀後半から世界最大の経済大国であり、第二次世界大戦後にさらに隆盛を見せました。
2024年第1四半期の成長は1.6%で、2022年上半期の縮小以来、最も低い成長となりました。国際通貨基金(IMF)は、2024年の実質GDP成長率を2.7%と見積もっています。2008年の金融危機以来、米国の債務残高の対GDP比は大幅に上昇しており、現在では123%となっています。
米国の経済を牽引しているのはサービス業で、これにはヘルスケア、テクノロジー、小売などが含まれます。サービス業はGDPのおよそ78%を占めており、残りは工業と農業となっています。
FRBの金利政策と米国株の今後の見通し
米連邦準備制度理事会(FRB)は2022年3月に長期金利の引き上げを開始し、2024年5月の会合では目標とするフェデラル・ファンド金利を、23年ぶりの高水準となる5.25~5.5%に維持することを決定しました。
長期金利の利上げはインフレ率上昇を大幅に減速させています。3月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比で3.5%上昇し、食品やエネルギーの価格など変動が激しい品目を除いたコアCPIは3.8%高となりました。
グロース企業、特にビックテックはFRBの長期金利政策や景気後退への懸念をよそに、2023年前半は好調な業績を収めました。株価は9月と10月に多少後退した後、2024年に入ってからも上昇しています。トレーダーはFRBが今年下半期に長期金利を引き下げ始める可能性を探っています。
米国株の注目銘柄5選
ここでは、注目の米国株を5つ紹介します。(価格と株価推移は2024年5月6日時点の引用です。また、過去の値動きは、将来の株価動向を示すものではありません。)
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アプライド・マテリアルズ(AMAT)
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ADC セラピューティクス(ADCT)
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トランスダイム・グループ(TDG)
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スプラウツ・ファーマーズ・マーケット(SFM)
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バークシャー・ハサウェイ(BRK-B)
アプライド・マテリアルズ(AMAT)
アプライド・マテリアルズは半導体とディスプレイ業界向けに、機器やサービス、ソフトウェアを提供しています。米国カリフォルニア州シリコンバレーに本社を置き、24ヶ国に34,000人の従業員を擁しています。同社の売上高は265.2億ドル、研究開発費は31億ドルに達します。
米国のインフレ率が高止まりし、FRBが6月に長期金利を引き下げ始めるとの期待感がなくなったことから、数週間低迷していた半導体関連銘柄は、現在回復傾向にあります。フィラデルフィア半導体株(SOX)は高値圏にはまだ達していないものの、年初来では15%上昇しています。同社も年初来で29%上昇しており、安定して成長しています。
同社の第2四半期決算は5月16日に発表される予定です。
ADC セラピューティクス(ADCT)
ADC セラピューティクスはがん患者に使用される抗体薬物複合体(ADC)に特化したバイオテクノロジー企業です。同社の主力製品である「ZYNLONTA」は、米国食品医薬品局(FDA)の迅速承認を取得しています。
同社は5月6日に、2024年度第1四半期の決算と様々な事業報告を行いました。ZYLONTAの売上高は前年同期比6%増の1780億ドルに達しました。また、再発・難治性の辺縁帯リンパ腫におけるフェーズ2研究の初期データ報告では、患者の大半が完全奏効を達成したという有望な研究結果を示しました。
同日、5月8日を起源とする、普通株式および新株予約権の1億500万ドルの引受募集も発表しました。同社の株価は、年初来で168%上昇しています。
トランスダイム・グループ(TDG)
トランスダイム・グループは航空機用部品、システム、サブシステムを米国内外で製造・供給する航空宇宙関連企業です。製品群にはポンプ、バルブ、モーター、アクチュエーター、コントローラー、水栓器具やシステムなどがあり、民間機・軍事機の両方で使用されています。
同社の第1四半期の売上高は前期比28%増の17.8億ドルで、純利益は同67%増の3.8億ドルでした。2024年度通期予想は、売上高が前年同期比16.4%増の76〜78億ドル、純利益が同24%増の16〜17億ドルとなっています。
同社の株価は過去最高値近くで取引されており、年初来で28.7%上昇しています。
スプラウツ・ファーマーズ・マーケット(SFM)
スプラウツ・ファーマーズ・マーケットは、米アリゾナ州フィニックスに本社を置くスーパーマーケットチェーンです。開放的な作りが特長の店内では、産地直送品など、健康的で手頃な価格帯の製品を取り扱っています。1号店を2002年にオープンし、現在では23の州に400以上の店舗、31,000人もの従業員を擁しています。
5月1日に発表した2024年第1四半期決算によると、既存店売上高は4%増、純売上高は前年同期比9%増の19億ドルとなりました。通期予想は明るく、35店舗の新規開店と、売上高の7~8%上昇を見込んでいます。
同社の株価は2日、決算発表を受け12%近く急騰し、年初来では55.9%上昇しています。
バークシャー・ハサウェイ(BRK-B)
ウォーレン・バフェット氏がCEOを務めるバークシャー・ハサウェイは、米国ネブラスカ州オマハに本社を置く多国籍持株会社です。同社の主な事業は保険、再保険、貨物列車輸送や公共事業ですが、保有する資産は幅広く分散されています。アップル(AAPL)、バンク・オブ・アメリカ(BAC)、シェブロン(CVX)などを大量保有しているほか、日本の5大商社の平均持ち株比率は9%となっています。
5月4日に発表した2024年第1四半期の決算では、アップル社の株を13%程度売却したことがわかりました。2024年の年次株主総会でバフェット氏は、この売却について、売却益にかかわる税率の上昇が理由であると示唆しました。同社のアップル株の保有額は、約1354億ドルです。
同社の株価は、年初来で13.5%上昇しています。
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