注目のドローン関連銘柄10選と取引のポイント
日進月歩で開発が進むドローン技術は、民間・軍事共に多くの用途があります。この記事では、注目のドローン関連銘柄10選をご紹介します。取り上げる銘柄は時価総額に基づいて選ばれています。
目覚ましい発展を遂げるドローン市場
世界のドローン市場はこの10年間で大きく変わりました。ロシアのウクライナ侵攻により、ドローンの軍事利用の重要性も広く知られるようになりました。ロシアが2022年2月に侵攻を開始して以来、両軍共に爆発物の運搬や偵察に多数のドローンを使用してきました。
ドローンの商業利用も急速に広まっており、遠隔での写真撮影、スキャン、測量、検査といったセンシングや、貨物の輸送などに使われています。ある試算によると、世界の商業用・娯楽用ドローン市場は、2025年までに386億ドル、2030年までに546億ドルに達するとされています。
注目のドローン関連銘柄10選
ここでは、2024年に注目のドローン関連銘柄をご紹介します。この記事で取り上げる銘柄は、時価総額に基づいて選ばれています。また、過去の値動きは、将来の株価動向を示すものではありません。
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エアロバイロンメント(AVAV.O)
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アンバレラ(AMBA.O)
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アーチャー・アビエーション(ACHR.N)
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ドローン・デリバリー・カナダ(FLT.V)
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ドローンシールド(DRO.AX)
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イーハン・ホールディングス(EH.O)
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クラトス・ディフェンス&セキュリティ・ソリューションズ(KTOS.O)
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ノースロップ・グラマン(NOC.N)
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パロット・ドローン(PARRO.PA)
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トリンブル・ナビゲーション(TRMB.O)
エアロバイロンメント(AVAV.O)
エアロバイロンメントは軍事用ドローンを設計・製造する会社です。米国バージニア州アーリングトンに拠点を置き、米国国防省と55の同盟国に装備品を供給しています。
同社は1980年代に、世界で初めて手持ちで発射できる携帯型偵察ドローンを開発しました。また、標的を見つけるまで飛行し、標的が見つかると自爆攻撃をする弾頭を内蔵した「ロイタリング」兵器も製造しています。
同社は2023年10月28日までの6ヶ月間で、3.33億ドルの売り上げに対し、3970万ドルの純利益を上げました。同社の株価は過去52週間に、82.91~143.67ドルの間で推移しています。
アンバレラ(AMBA.O)
アンバレラは米国カリフォルニア州に拠点を置く、ファブレス(工場を持たない)半導体設計会社です。ドローンやセキュリティーカメラ、自動運転などに使われる画像処理を専門としており、同社のシステム・オン・チップ(SoC)は高画質の動画からの特定のデータ抽出を可能にしています。この技術は障害物の回避、視認性が悪い状況での物体の認識や分類、ジェスチャーの解読、顔認識、人物などの追跡に利用できるとされています。
同社株は2024年1月22日現在、57ドル前後で取引されています。
アーチャー・アビエーション(ACHR.N)
アーチャー・アビエーションは空中タクシー向けの電動垂直離着陸機(eVTOL)を開発している企業です。「ミッドナイト」と呼ばれる同社の量産機には、12個のプロペラがついており、パイロットと乗客4人を乗せることが可能です。同社はミッドナイトを既に受注しているものの、商用飛行の認証はまだおりていません。
同社の株価は現在5.31ドル前後となっています。2022年に3.17億ドルの赤字を計上したうえ、2023年9月30日までの9ヶ月間で3.49億ドルの損失を出しています。また、9月末の時点で、同社は4.61億ドル分の現金や現金同等物、短期投資を保有していました。
ドローン・デリバリー・カナダ(FLT.V)
ドローン・デリバリー・カナダは、ドローンを使った医療や救急サービスの需要開拓を行っています。2024年1月には、ドローンを使った医療品を含む危険物の輸送を行う認可を取得しました。これにより、エドモントン空港とモンタナ先住民族のクリニックの間と、2つの病院の間でのドローン運送が可能になりました。
同社の株価は現在0.29カナダドル前後で取引されています。2023年9月30日までの9ヶ月間で、96.75万カナダドルの売り上げに対し、764万カナダドルの損失を計上しました。また、894.8万カナダドル分の現金と現金同等物を保有していました。
ドローンシールド(DRO.AX)
ロシアのウクライナ侵攻は、対ドローン防衛の重要性を浮き彫りにしました。ドローンシールドはドローンの探知、無力化、破壊を専門としています。オーストラリア政府は、同社の機器をウクライナ軍に供与しています。
2023年は同社見通しで初めて黒字転換した年で、税引き前の売り上げは400万オーストラリアドルでした。同社株は現在、0.385オーストラリアドル前後で取引されています。また、9月末の時点で、4240万オーストラリアドル分の現金と現金同等物を保有していました。
イーハン・ホールディングス(EH.O)
イーハン・ホールディングスは、パイロットを必要としない、都市旅客輸送向けのeVTOLを開発する中国企業です。同社が初めて開発した自動操縦型eVTOLは、中国当局から飛行認証を得ており、2023年12月28日に公園上空でデモ飛行を行いました。
空売りで知られる米投資会社のヒンデンブルグ・リサーチは11月、受注パイプラインと売り上げについて投資家に誤解を与えているとしてイーハン・ホールディングスを批判しました。これに対し同社は「事実と異なる報告と、情報の誤った解釈だ」と反論しました。
同社は2023年9月末までに、6082.2万元の売り上げに対して2億2988万元の損失を計上しました。株価は11.56ドル前後で取引されています。
クラトス・ディフェンス&セキュリティ・ソリューションズ(KTOS.O)
クラトスは米国カリフォルニア州に拠点を置く、航空防衛を専門とする企業です。同社は滑走路を必要とせず、持ち運び可能なレールから発射することのできる、低価格で高性能なジェットドローンを製造しています。標的用のドローンはロシアや中国の軍用ジェットの性能を模しており、射撃練習に使用されています。
同社の攻撃用ドローンは再利用が可能で、戦闘機を有人飛行させるよりも遥かにコストが抑えられます。「Kratos XQ-58 Valkyrie」の航続距離は3,500マイルで、センサーや武器を搭載して45,000フィートで飛行することが可能です。さらに、自動飛行や、有人飛行機のサポートとして飛行することもできます。
同社の株価は現在、18.59ドル前後で取引されています。
ノースロップ・グラマン(NOC.N)
ノースロップ・グラマンは10万人以上の従業員を擁する世界最大級の航空防衛企業で、米国政府を最大の顧客としています。同社の高高度監視・偵察用ドローンである「グローバルホーク」は、あらゆる天候や光のもとでも高解像度の画像を撮影しつつ、軍事作戦において32万時間以上飛行できます。「MQ-4Cトライトン」は同様の情報を米海軍に提供しており、どのような天候でも海洋上で使えるように設計されています。
同社の株価は現在466.62ドル前後で取引されています。2023年9月30日までの9ヶ月間の売り上げは287億ドルで、26億ドルを純利益として計上しました。
パロット・ドローン(PARRO.PA)
パロット・ドローンはプロ用のマイクロドローンを製造する欧州の大手企業です。同社の「Anafi」ドローンは、日本を含む複数の国が偵察・監視に使用しています。同社の事業で最も急速に成長しているのは写真測量であり、ドローンに搭載されたカメラやレーザーセンサーを使って重なり合った写真を撮影することで、正確な3Dモデルを作成します。
同社の株価は過去52週間に、2.1~5.6ユーロの間で推移しています。
トリンブル・ナビゲーション(TRMB.O)
トリンブル・ナビゲーションはGPS衛星を使ったデータポジショニング製品を開発しています。同社のソフトウェアは、地図作成、測量、位置測定用のドローンで多く使用されています。
同社の株価は現在、50.48ドル前後で取引されています。2023年第3四半期の売り上げは前年同期比8%増となる9.57億ドルで、通期では37.57~37.97億ドルの売り上げを見込んでいます。
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