注目の日本のETF (上場投資信託)5選
ETF(上場投資信託)の市場価値は、2022年末には10兆ドル近くにまで上昇しました。この記事では、注目すべき日本のETF銘柄をご紹介します。取り上げるETFは、運用資産額に基づいて選ばれています。
ETFとは?
ETF(上場投資信託)は、特定の指数に連動する運用成果を目指して運用される金融商品です。連動する指数には、例えば日経平均株価や東証株価指数(TOPIX)などが挙げられます。この市場には株式、株式指数、債券、通貨、コモディティーなどが含まれます。
ETFは株と同じように株式市場で取引されます。しかし、ETFを保有することは、そのETFを構成する株式や債券、コモディティーを保有することとは異なります。例えば、株式ETFを保有している人は配当金を受け取れるものの、株主総会で投票をすることはできません。
投資家からお金を集め、投資先が分散された資産ポートフォリオを購入するという点で、ETFは投資信託と似ています。しかし、いくつかの違いがあります。ETFは株式と同じように取引時間中に市場で売買することが可能ですが、投資信託はできません。また、ETFは定額買付(1口100円など)ができないのに対し、投資信託はできるといった違いもあります。
ETFは比較的低コストで特定の市場、業界、資産クラスへ投資することが可能なため、トレーダーから見ると柔軟性の高い商品となります。ETFの投資先は分散されているため、一つの株式や債券の値動きに左右されるリスクを減らすことができます。
ETFの種類
ETFには数多くの種類があるため、トレーダーは投資の目的やリスク耐性、好きな市場痩せクターに合わせてETFを選ぶことができます。主なETFの種類としては、以下のようなものがあります。
1. 株式連動型ETF
日経平均株価などの株価指数と連動した値動きで運用することを目指すETFです。幅広い銘柄への分散投資を可能にします。
2. 通貨連動型ETF
実際に通貨を購入することなく外国為替市場へ投資できます。通貨連動型を買うことで、EUや新興国などの地域における経済動向へのエクスポージャーを得られます。
3. セクターETF
セクターETFにより、業界を絞って、そのうちのいくつかの企業への投資が可能です。例えば、インベスコQQQトラスト・シリーズ(QQQ)はナスダックに上場しているハイテク企業の株価と連動しています。セクターETFを選ぶことで、個々の銘柄を選ぶことなく人気のあるセクターへ投資することができます。
4. コモディティーETF
コモディティーETFは、商品自体ではなく原資産の価格に基づいて取引されるデリバティブ(金融派生商品)で構成されています。これにより、トレーダーは商品の所有権や受け取りを気にすることなく、取引をすることが可能になります。
5. インバース(ベア)型ETF
インバースETFは、株価指数などベンチマークにしている指標の値動きと逆の動き(マイナス◯倍)で運用されるETFです。つまり、ETFの原資産が値下がりするとETFの値段が値上がりし、ETFの原資産が値上がりするとETFの値段が値下がりします。
インバースETFでロングポジション(買い待ち)をヘッジしたり、資産の目減りリスクを避けたりするトレーダーもいます。
6. レバレッジ(ブル)型ETF
レバレッジ型ETFは、日経平均など特定の投資対象の日々の値動きの、倍の動きで運用されるETFです。例えば、2倍のレバレッジがかかったETFでは、100円の上昇に対して、200円分の上昇成果を得ることができます。
レバレッジ型商品は通常の取引よりも多くの利益を得ることが可能ですが、同時に損失が大きくなることもあります。トレーダーはレバレッジ型ETFを取引する前に、ご自身のリスク耐性を確認するようにしましょう。
注目すべき日本のETF5選
ここでは、注目すべき日本のETFをご紹介します。(年初来のリターンは2024年12月6日時点のものです。過去の値動きは、将来の値動きを示すものではありません。)
- TOPIX連動型上場投資信託 (1306.T)
- NEXT FUNDS 日経平均連動型上場投信 (1321.T)
- iFreeETF 日経平均ダブルインバース・インデックス(1366.T)
- TOPIXベア2倍上場投信(1356.T)
- NEXT FUNDS J-REIT リートETF (1343.T)
1. TOPIX連動型上場投資信託 (1306.T)
TOPIX連動型上場投資信託(1306.T)は、東京証券取引所プライム市場の全体的なパフォーマンスを示すTOPIX(東証株価指数)に連動するETFです。日本国内の大型株から中小型株まで幅広い銘柄が含まれており、市場全体に対する分散投資が可能です。このETFは日本株市場全体の動向を反映しやすいため、市場のトレンドを捉えるのに適した投資商品として知られています。コストが低く、流動性も非常に高い点が特徴です。初心者から上級者まで幅広い投資家に利用されています。
日経平均や特定セクターに偏らず、市場全体のトレンドを把握して取引したいトレーダーにおすすめです。特に、ニュースや経済データによる市場全体の反応を利用して短期間で利益を狙いたい投資家に向いています。TOPIXは分散性が高いため、個別銘柄リスクを抑えながら短期的な市場の動きを捉える戦略をとりたい方に最適です。
- 設定日: 2001年7月13日
- 運用資産総額: 23兆1,812億円(2024年現在)
- 組み入れ銘柄数: 約2,000銘柄
- 組み入れ上位5銘柄: トヨタ自動車、三菱UFJフィナンシャル・グループ、ソニーグループ、日立製作所、リクルートHD
- 2024年初来リターン: 約17.72%
2. NEXT FUNDS 日経平均連動型上場投信 (1321.T)
NEXT FUNDS 日経平均連動型上場投信(1321.T)は、日本の代表的な株価指数である日経平均株価(225銘柄で構成)に連動するETFです。日経平均は日本を代表する大型株の動向を反映しやすく、グローバルな視点からも注目されています。このETFは日経平均に連動するため、値動きがわかりやすく、投資初心者にも利用しやすい商品として支持されています。シンプルな構造と高い流動性が特徴で、短期トレードから長期投資まで幅広く活用されています。
日経平均株価の動向を狙った短期トレードをしたい投資家に適しています。特に、特定のイベントや経済指標発表を受けて日本の主要企業全体が一方向に動くと予測する場合に効果的です。市場のボラティリティが高い状況で、トレンドフォローや逆張り戦略を採用する短期トレーダーに向いています。
- 設定日: 2001年7月9日
- 運用資産総額: 約10兆6,955億円(2024年現在)
- 組み入れ銘柄数: 225銘柄
- 組み入れ上位5銘柄: ファーストリテイリング、東京エレクトロン、アドバンテス、ソフトバンクグループ、リクルートHD
- 2024年初来リターン: 約18.62%
3. iFreeETF 日経平均ダブルインバース・インデックス(1366.T)
iFreeETF 日経平均ダブルインバース・インデックス(1366.T)は、日経平均株価の前日比変動率の-2倍となるように計算された「日経平均ダブルインバース・インデックス」に連動することを目指すETFです。これにより、日経平均株価が下落する局面で、その2倍のリターンを狙うことが可能となります。このETFは、短期的な市場の下落を予測する際や、既存のポートフォリオのリスクヘッジ手段として活用されます。ただし、レバレッジ効果によりリスクも増大するため、慎重な運用が求められます。
市場の下落を予測し、短期的な利益を狙うトレーダーに適しています。特に、日経平均株価の下落局面で積極的に利益を追求したい方や、既存の日本株ポートフォリオの下落リスクをヘッジしたい投資家に向いています。また、短期的なトレンドフォロー戦略を採用するトレーダーにも適しています。
- 設定日: 2015年1月6日
- 運用資産総額: 約66億円(2024年現在)
- 組み入れ銘柄数: 日経平均連動のデリバティブ
- 組み入れ上位5銘柄: デリバティブの性質上、直接の銘柄情報なし
- 2024年初来リターン: 約-8%
4. TOPIXベア2倍上場投信(1356.T)
TOPIXベア2倍上場投信(1356.T)は、TOPIX(東証株価指数)の前日比変動率の-2倍となるように計算された「TOPIXダブルインバース(-2倍)指数」に連動することを目指すETFです。これにより、TOPIXが下落する局面で、その2倍のリターンを狙うことが可能となります。短期的な市場の下落を予測する際や、既存のポートフォリオのリスクヘッジ手段として活用されます。ただし、レバレッジ効果によりリスクも増大するため、慎重な運用が求められます。
市場の下落を予測し、短期的な利益を狙うトレーダーに適しています。特に、TOPIXの下落局面で積極的に利益を追求したい方や、既存の日本株ポートフォリオの下落リスクをヘッジしたい投資家に向いています。また、短期的なトレンドフォロー戦略を採用するトレーダーにも適しています。
- 設定日: 2014年5月14日
- 運用資産総額: 約31.6億円(2024年現在)
- 組み入れ銘柄数: TOPIX連動のデリバティブ
- 組み入れ上位5銘柄: デリバティブの性質上、直接の銘柄情報なし
- 2024年初来リターン: 約-40.60%
5. NEXT FUNDS J-REIT リートETF (1343.T)
NEXT FUNDS J-REITリートETF(1343.T)は、日本の不動産投資信託(J-REIT)市場全体を対象としたETFです。J-REIT指数に連動するように設計されており、不動産セクター全体のパフォーマンスを反映します。不動産からの収益を得ることを目的とするため、配当利回りが比較的高い点が特徴です。安定的な収益を求める投資家に人気があります。
金利動向や不動産市場の短期的な変動を狙うトレーダーに最適です。特に、日本銀行の金融政策や金利動向に敏感な市場の特性を活かし、トレンドフォロー戦略を展開したい投資家に適しています。
- 設定日: 2008年9月18日
- 運用資産総額: 約4,469.3億円(2024年現在)
- 組み入れ銘柄数: 60銘柄
- 組み入れ上位5銘柄: 日本ビルファンド投資法人、ジャパンリアルエステイト投資法人、日本都市ファンド投資法人、野村不動産マスターファンド、GLP投資法人
- 2024年初来リターン: 約-5.33%
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