2024年米国大統領選　注目の石油・ガス関連株3選

トランプ氏勝利とその影響：規制緩和とエネルギー独立の強化

トランプ氏が再選された場合、米国のエネルギー政策は化石燃料の拡大を軸に大きく転換すると思われます。同氏は、石油・ガス産業への規制緩和を強力に進め、特にシェールガス採掘やパイプライン建設を加速させる方針を取っています3。この政策により、米国はエネルギー独立を強化し、LNG輸出をさらに促進する可能性があります1,4。

ただし、トランプ氏の政策は再生可能エネルギーの成長を抑制するリスクも指摘されています。2017～2021年の政権では、環境保護規制の多くを撤廃し、再生可能エネルギーへの支援を減少させました。また、貿易戦争や関税政策を通じて国際市場に不確実性をもたらし、エネルギー供給に影響を与えるおそれがあります2,4。こうした状況では、短期的には国内石油・ガス産業の活性化が期待される一方、国際市場でのリスクも拡大する見込みです。

ハリス氏勝利とその影響：再生可能エネルギー推進とバランスの取れた移行

一方、ハリス氏が当選した場合は、再生可能エネルギーへの投資がさらに推進されると予測されます。バイデン政権で導入されたインフレーション抑制法（IRA）を活用し、クリーンエネルギーや電気自動車に対する補助金と税控除を拡大する方針です2,4。ハリス氏のエネルギー政策は、化石燃料からの段階的な意向を重視しています。

また、LNG輸出規制を緩和し、国際市場でのエネルギー供給の安定を図ると考えられています1。ただし、化石燃料開発に対する厳格な環境規制も維持されるため、石油・ガス企業にとっては短期的な負担が予想されます。また、こうした規制は気候変動への対応と国際的な協調関係を強化する意図もあります2,4。

注目の米国の石油・ガス関連株3選

短期トレードでは、2024年米国大統領選の結果に応じた迅速な戦略が求められます。以下は、選挙結果によって動きやすい銘柄を選定しました。ボラティリティが高く、選挙直後の市場変動を利用した短期取引に適しています。データは2024年10月17日現在のものとなっています。

1. エクソンモービル (XOM)
2. シェブロン (CVX)
3. オキシデンタル・ペトロリアム (OXY)

エクソンモービル (XOM)

エクソンモービル (XOM)は、石油・ガス分野で世界最大級の企業です。上流（探査・生産）から下流（精製・販売）まで一貫したエネルギー事業を展開しています。近年は再生可能エネルギーや炭素削減技術への投資も強化していますが、依然として主力は化石燃料です。

トランプ氏が勝利すれば、規制緩和と国内生産の促進が追い風となり、ExxonMobilの収益向上が期待されます。一方、ハリス氏が当選した場合でも、同社の多角的な投資戦略が評価され、再生可能エネルギー部門の拡大が追求される可能性があります。両候補の政策により、株価は短期的に大きな変動を見せるでしょう。

ExxonMobilの現在の株価は120.01ドル、PER（株価収益率）は14.37です。このPERは過去10年の平均よりも低く、割安感があると分析されています。また、長期にわたり毎年配当を増やしている「配当貴族」銘柄でもあります。

シェブロン (CVX)

シェブロン (CVX)は米国で2番目に大きな石油・ガス企業です。探査、生産、精製を含む統合型エネルギー事業を展開しています。北米からアジア、オーストラリアまで幅広い地域で活動を行い、1日の生産量は約310万バレルの石油換算量に及びます。さらに、LNGや天然ガスの生産、精製施設も保有しており、国際市場での地位を確立しています。

2024年の米国大統領選挙ではどちらの候補者が勝っても、Chevronの株価は上がる可能性があります。トランプ氏が勝利すれば、規制緩和と掘削活動の拡大が進み、同社の生産拡大と利益向上が見込まれます。しかしハリス氏の勝利でも、再生可能エネルギーへの移行が優先される一方で、天然ガスやLNG輸出の分野での成長が期待されることから、Chevronの事業多角化戦略が評価される可能性があるためです。

Chevronの現在の株価は150.75ドル、PER（株価収益率）は14.98です。この水準は過去10年間の平均PERである26を大きく下回っており、投資家にとって割安感があると見られます。今後の選挙結果や市場環境の変化によって、株価は短期的なボラティリティを示すことが予想されます。Chevronも「配当貴族」銘柄なので、短期だけでなく長期投資家にも好まれています。

オキシデンタル・ペトロリアム (OXY)

オキシデンタル・ペトロリアム (OXY)は、米国の主要な石油・ガス企業の一つです。主に米国内のパーミアン盆地やメキシコ湾沖で探査・生産を行っています。また、二酸化炭素（CO₂）の回収・貯留技術にも注力しており、持続可能なエネルギーソリューションへの取り組みも進めています。

2024年の米国大統領選挙でトランプ氏が勝利した場合、石油・ガス産業への規制緩和が期待され、Occidentalの生産活動が加速し、収益性の向上が見込まれます。一方、ハリス氏が当選した場合でも、同社の持つCO₂回収技術が注目される可能性があり、環境規制が強化されるシナリオにおいても優位性を維持できるでしょう。

Occidental Petroleumの現在の株価は51.66ドル、PER（株価収益率）は12.72です。このPERは同社の歴史的平均に近く、相対的に割安な水準であると見られています。

これらの銘柄を取引するには

IG証券で口座を開設すれば、CFDで石油・ガス関連株を簡単に取引することができます。

1. 取引システムにログインし、個別株口座を選択します。
2. 次に、取引したい銘柄名を検索し、取引チケット上で「買い」または「売り」を選択します。
3. ロット数を選択し、「注文確定」で取引を確定します。

※詳しくは、株式CFDについてのページをご覧ください。または、コールセンターまでお問い合わせください。

出所:

1. Enverus - https://www.enverus.com/blog/implications-of-the-2024-election-for-the-energy-sector/
2. Fitch Solutions - https://www.fitchsolutions.com/bmi/power/us-election-trump-win-would-delay-power-sector-decarbonisation-while-policy-continuity-expected-under-harris-30-08-2024
3. Council on Foreign Relations - https://www.cfr.org/in-brief/why-fracking-matters-2024-us-election
4. Carbon Brief - https://www.carbonbrief.org/us-election-2024-how-kamala-harris-and-donald-trump-differ-starkly-on-energy-and-climate/