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ハイテク企業決算にらみの米国株、最初の試金石はマイクロソフト S&Pの見通し

今週の米国株は、大手ハイテク企業の決算で上下に振れる展開が予想される。利下げ期待の高まりで、アメリカの長期金利は低下の基調にある。この状況で好決算が続けば、米国株は不安定な相場からひとまず脱する可能性があろう。最初の試金石として、マイクロソフトの決算に注目したい。今週のS&P500種株価指数の見通しは?

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記事のポイント

・今週の米国株も大手ハイテク企業決算にらみの展開となろう
・まずはマイクロソフトの決算に注目したい、焦点はガイダンスにある
・S&P500の焦点の一つが、新たなサポート水準の見極めとなろう
・S&P500の反発局面では、10日線のブレイクに注目したい


S&P500、注目のチャート水準

レジスタンスの水準

・5,600:レジスタンスラインへの転換を意識する水準
・5,534:10日線
・5,500:レジスタンスラインへの転換を意識する水準

サポートの水準

・5,436:50日線
・5,400(5,396):フィボナッチ・リトレースメント38.2%
・5,374:フィボナッチ・リトレースメント61.8%
・5,304(5,300):フィボナッチ・リトレースメント76.4%


S&P500、今週の見通し

新たなサポート水準は5,400か5,300か?

先週に続き、今週のS&P500種株価指数(SPX、以下S&P500)も新たなサポート水準の見極めが焦点となろう。

目先、注目すべき水準が2つある。ひとつは、7月下旬の下落相場をひとまず止めた「5,400」である。テクニカルの面でこの水準は、フィボナッチ・リトレースメント38.2%の水準にあたる(下のチャート、黒矢印を参照)。

しかし、先週後半の日足ローソク足は上影陰線(25日)と上影陽線(26日)だった。いずれも戻りの弱さを示唆する動きである。この点は、日足のMACDとRSIの動向も示唆している(下のチャート、赤矢印を参照)。

今週は、大手ハイテク企業の決算がS&P500のトレンドを左右するだろう。テスラ(TSLA)やアルファベット(GOOGL)の決算が株安要因となった状況で、今週のハイテク決算までが投資家の期待に応えることができなければ、S&P500は5,400(フィボナッチ・リトレースメント38.2%)を下方ブレイクする展開を想定しておきたい。

S&P500種株価指数のチャート:日足 今年4月以降

S&P500種株価指数のチャート:日足 今年4月以降

出所:TradingView

S&P500が5,400ポイントを完全に下方ブレイクする場合、次の焦点は「5,300」の維持が焦点として浮上しよう。この水準は、6月安値と7月高値のフィボナッチ・リトレースメント76.4%の水準「5,304」にあたる。

S&P500が5,300ポイントをトライするサインとして注目したいのが、フィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準「5,374」である。この水準は、6月12日に窓開けスタートとなった前日の終値水準であり、サポートラインへ転換する可能性のある重要なチャートポイントでもある(下の1時間足チャート、黒矢印を参照)。

1時間足のMACDとRSIで相場の動向を追いながら、S&P500が上で述べたサポート水準をトライする際に、これらのテクニカル指標が売られ過ぎの水準でゴールデンクロスへ転じる場合は、短期的な反発を想定した買いを考えたい。

S&P500種株価指数のチャート:1時間足 今年4月以降

S&P500種株価指数のチャート:1時間足 今年4月以降

出所:TradingView

反発局面では10日線と50日線の突破が焦点に

米債市場では、6月の消費者物価指数(CPI)と個人消費支出(PCE)価格指数でインフレが抑制・鈍化の傾向にあることが確認された。短期金融市場では、年3回の利下げが意識され始めている。利下げ期待の高まりは、長期金利の上昇を抑制している。

このタイミングで今週のハイテク決算が総じて投資家の期待を超える内容となれば、S&P500(SPX)は5,400、またはフィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準「5,374」以上の水準を維持することが予想される(上の1時間足チャートを参照)。

S&P500の反発局面では、レジスタンスのラインへ転換する兆しが見られる10日線のトライ&ブレイクが焦点となろう(上の日足チャート、青ラインを参照)。

10日線をトライするサインとして注目したいのが、5,500ポイントの攻防である。上で述べた先週後半の日足ローソクは、この水準がレジスタンスのラインへ転換する可能性を示唆している(上の1時間足チャート、赤矢印を参照)。

相場の戻りが5,500レベルで止められる場合は、5,400ポイントの下方ブレイクを警戒する状況が続くだろう。一方、S&P500が5,500ポイント台へしっかりと上昇すれば、10日線のトライを予想する。

S&P500が10日線をも確実に突破する場合は、5,600ポイントを視野に反発の勢いが増すと予想する(上の1時間足チャート、赤矢印を参照)。


最初の試金石はマイクロソフトの決算

30日引け後にマイクロソフトが第4四半期の決算を発表

今週はマイクロソフト(MSFT)、 アップル(AAPL)、アマゾン(AMZN)そしてメタ・プラットフォームズ(META)が決算を発表する。まずは、30日引け後のマイクロソフトの決算(第4四半期決算)に注目したい。

焦点はガイダンスにある

第4四半期決算のコンセンサス予想を確認すると増収の見込みである。一方、純利益は第3四半期の219億3900万ドルから220億4500万ドルと、微増にとどまる見通しである。ゆえに、1株利益(EPS)は2.942と前四半期の2.940からほぼ横ばいの予想にある。

注目は、今後同社の成長をけん引してくことが期待されている「インテリジェントクラウド」部門の収益である。Azureの収益が前年同期比で約30%増の見通しであり、同部門の収益増をけん引することが期待されている(インテリジェントクラウド部門の収益は前年同期比で約20%増の見込み)。

従来型のMicrosoft OfficeやクラウドベースのOffice365を手掛ける「プロダクティビティ・ビジネスプロセス」部門の収益は、前年同期比で10.45%増が見込まれている。

一方、パソコン基本ソフト「Windows」などを含む「モア・パーソナルコンピューティング」部門の収益は前年同期比で約12%増の予想だが、前期比ではほぼ横ばいの予想となっている。

焦点はガイダンスとなろう。一株利益(EPS)や売上高がコンセンサス予想を上回るのはもちろんのことだが、モア・パーソナルコンピューティング部門の成長鈍化が今後も続く可能性があることを考えるならば、AI(人工知能)事業の柱として期待されるインテリジェントクラウド部門でも投資家の期待を上回る事業の成長性を示すことができるのかどうか?この点が、同社の株価を大きく左右すると思われる。

マイクロの決算:24年3Qの実績から25年3Qの予想

マイクロの決算:24年3Qの実績から25年3Qの予想 ブルームバーグのデータで筆者が作成 / 赤の棒グラフ:第4四半期のコンセンサス予想

マイクロソフトのチャート分析

S&P500とマイクロソフトの関係

S&P500(SPX)が上昇トレンドへ回帰できるのかどうか?マイクロソフト(MSFT)の決算が最初の試金石となろう。そう考える理由は、S&P500との相関性の高さにある。

23年以降、アメリカの株式市場の一大テーマが「「AI相場」である。その主役を担っているのがマイクロソフトも名を連ねる「マグニフィセントセブン(壮大な7銘柄)」である。

23年1月からのS&P500と今週決算を発表する大手ハイテク企業の株価との相関関係を確認すると、いずれも「順相関」の関係にあることが分かる。

なかでもS&P500とマイクロソフトとの相関係数は「0.663」と一番高い。相関係数で因果関係は分からない。しかし、これまでの株高をけん引してきたのがマグニフィセントセブンである。そのマグニフィセントセブンの一角であるマイクロソフトの決算が株価の要因となれば、他の銘柄の上昇も期待できる。

ゆえに、マイクロソフトの上昇はS&P500の押し上げ要因になり得る。

S&P500と大手ハイテク株の相関係数

S&P500と大手ハイテク株の相関係数 ブルームバーグのデータで筆者が作成 / 相関係数:対数差分 / データ数:392


マイクロソフトのチャート分析

マイクロソフト(MSFT)の動向を日足チャートで確認すると、10日線と50日線でデッドクロスが確認された。日足のMACDはデッドクロスを形成後、ゼロラインを下回る状況にある。いずれも地合いの弱さを示唆する動きである(下のチャート、赤矢印を参照)。

しかし、RSIの低下は一服している。先週後半に2日連続でフィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準「418.71」で相場が下支えされた。アメリカの長期金利が低下基調にあるなかでマイクロソフトの第4四半期決算が投資家の期待を上回る内容となれば、同社の株価は430ドルを突破する展開が予想される(下のチャート、赤ラインを参照)。

反発局面で注目したいのが、440ドルのすぐ下で推移している10日線と50日線の攻防である。これら移動平均線で株価の反発が止められる場合は、440レベルが戻り高値の水準となろう。そして、フィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準、またはフィボナッチ・リトレースメント76.4%の水準「407」レベルまで反落する可能性が浮上しよう(下のチャート、赤矢印を参照)。

一方、決算後にマイクロソフトの株価がこれらの移動平均線を完全に突破する場合は、直近の高値「468.35」を視野に上昇幅の拡大を予想する。このケースでは、他の大手ハイテク企業の決算も投資家の期待を上回っている可能性がある。

マイクロソフトだけではなく、他のマグニフィセント銘柄の上昇幅が拡大する場合は、S&P500は10日線の上方ブレイクと上昇幅の拡大を想定しておきたい。

マイクロソフト:日足 今年4月以降

マイクロソフト:日足 今年4月以降

出所:TradingView


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