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ナスダック100の見通し、最高値を目指すか?調整相場か?命運はエヌビディアの決算に

米大統領選挙と議会選挙の結果を受け、「トランプトレード」が米国株のテーマに浮上している。株高のけん引役交代で上値の重いナスダック100。最高値を目指すのか?調整相場へ転じるのか?命運はエヌビディアの決算が握っている。

Source: Bloomberg Source: Bloomberg

記事のポイント

  • トランプトレードで株高のけん引役が交代、上値の重いナスダック100
  • 最高値のトライか?調整入りか?ナスダック100の命運を握るエヌビディアの決算
  • ナスダック100、目先の見通しとチャート分析

トランプトレードで株高のけん引役が交代、上値の重いナスダック100

アメリカ大統領選挙と議会選挙の結果を受け、米株高のけん引役が交代している。この点を示唆しているのが、S&P500のセクター別パフォーマンスである。

・大統領選と議会選以降のセクター別のパフォーマンスを確認すると一般消費財、銀行そしてエネルギーのセクターが指数のパフォーマンスを上回っている

こちらのIG米国株レポートでは、「トランプトレード」で上昇が期待できるセクターとして銀行とエネルギーを取り上げた。現状では、予想どおりこれらのセクターが株高のけん引役となっている。一般消費財セクターの上昇は、テスラの急騰による影響が大きい

・一方、これまで株高をけん引してきた半導体株や大手ハイテク株の一角が属する情報技術セクターは、指数のパフォーマンスを下回っている。選挙以降、米株高のけん引役が交代していることが分かる

S&P500のセクター別パフォーマンス:11月5日基点、19日時点の動向

S&P500のセクター別パフォーマンス:11月5日基点、19日時点の動向

ブルームバーグのデータで筆者が作成

・株高のけん引役交代は、米株価指数のパフォーマンスに影響を与えている。トランプ減税で景気が下支えされるとの期待感で、中小型株の代表的な指数ラッセル2000が底堅い。ボラティリティが拡大する傾向は見られるが、19日時点で他の指数のパフォーマンスを上回っている

・銀行株とエネルギー株の上昇でダウ平均も底堅く、他の指数と比べてボラティリティも落ち着いている

ナスダック100は先週の後半に下落幅が拡大。戻りも限定的で上値が重い

アメリカ株価指数の騰落率:11月5日基点、19日時点の動向

アメリカ株価指数の騰落率:11月5日基点、19日時点の動向

ブルームバーグのデータで筆者が作成

最高値を目指すか?調整入りか?ナスダック100の命運を握るエヌビディアの決算

ナスダック100の上値は重い。しかし、下落幅が拡大することもなく次の材料待ちムードにある。最高値を目指すのか?調整相場へ転じるのか?ナスダック100の命運を握るのが、エヌビディア(NVDA)の24年8〜10月期(第3四半期)となろう。焦点を以下にまとめた。

・2023年以降のAIブームを受け、ナスダック100は89%上昇している(11月19日時点)。株高のけん引役がマグニフィセントセブンである。ナスダック100との相関関係を確認すると、エヌビディアはマイクロソフト(MSFT)に次いで高い順相関の関係が見られる。

ナスダック100とマグニフィセントセブンの相関関係

ナスダック100とマグニフィセントセブンの相関関係

ブルームバーグのデータで筆者が作成 / 相関係数:対数差分 / データ数:473

ナスダック100とエヌビディアのパフォーマンス分布:2023年以降

ブルームバーグのデータで筆者が作成

ブルームバーグのデータで筆者が作成

・今回の決算で焦点となるのが、次世代のAI用GPU「ブラックウェル(Blackwell)」となろう。決算を前にブラックウェルを巡り、最大72個のチップを収納できるように設計されたサーバーラックに接続すると過熱する問題が報じられた。サプライヤーにサーバーラックの設計変更を要請しており、投入遅延の懸念が生じているという

・しかし、エヌビディアの株価は過熱問題を意識することなく右肩上がりのトレンドチャネルを維持し、10日線を再び突破する強さを見せている

・地合いの強さを維持したまま、ブラックウェルを巡る生産の進捗状況と需要についてジェンスン・ファン最高経営責任者(CEO)が良好な見通しを示す場合、レジスタンスラインとして意識されている150ドルを突破するだろう。150ドルのサポート転換は、新たな高値水準の攻防へシフトするサインとなろう

エヌビディアの株価:日足 24年7月以降

エヌビディアの株価:日足 24年7月以降

出所:TradingView


ナスダック100、目先の見通しとチャート分析

エヌビディア(NVDA)の決算を控え、今日のナスダック100は小動きの展開が予想される。しかし、米長期金利の上昇が抑制されている状況は、ナスダック100の下支え要因となろう。

明日以降は、エヌビディアの決算を受けて上下に大きく動くと思われる。好決算となれば、ナスダック100の上昇幅が拡大する展開を想定しておきたい。レジスタンスゾーンの上限でもある20,900ポイントを完全に突破すれば、今月11日に付けた最高値21,182ポイントを視野に上昇幅の拡大を想定しておきたい。

レジスタンスライン
・20,900:レジスタンスラインへ転換する可能性あり(15分足)
・20,872:10日線(日足)
・20,800:レジスタンスポイント(15分足)
・20,735:半値戻し(15分足)
・20,700:レジスタンスポイント(15分足)

一方、エヌビディアの決算が投資家を失望させる場合は、ナスダック100の下落を想定しておきたい。このケースでは、20,000ポイントの維持が焦点となろう。50日線の下方ブレイクは、20,000ポイントをトライするサインと捉えたい。

明日以降、ナスダック100が20,000ポイントを下方ブレイクする場合は、75日線がサポートラインとなるか?この点に注目したい。50日線はフィボナッチ・リトレースメント38.2%の水準、75日線は半値戻しの水準付近で推移している。

サポートライン
・20,315:11月15日の安値
・20,177:50日線(日足)
・20,119:フィボナッチ・リトレースメント38.2%(日足)
・20,000:節目のサポートライン
・19,800前後:75日線、半値戻し(日足)

ナスダック100:日足 24年7月以降

ナスダック100:日足 24年7月以降

出所:TradingView

ナスダック100:15分足 11月6日以降

ナスダック100:15分足 11月6日以降

出所:TradingView


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