オヤガイシャ・親会社の定義

親会社とは

2社以上の会社が支配関係にある場合、他の会社を支配している会社のことを、親会社と呼びます。また、支配されている会社を、子会社と呼びます。親会社は、過半数の株式を保有することで他の会社の支配権を得ます。

親会社の経営スタイルは様々で、子会社の経営権を握ることもあれば、子会社の経営に一切干渉しないこともあります。

親会社と持株会社

親会社が子会社の経営を管理することはよくありますが、持株会社の場合は異なります。通常、持株会社は複数の子会社をグループ化するために設立されます。また、税務上の目的で設立されることもあります。

親会社は持株会社を保有することで、企業グループを「コングロマリット化」することができます。コングロマリットとは、様々なビジネスを展開する企業の集合体のことです。親会社を中心に企業がコングロマリット化することで、グループ内の企業が垣根を超えて連携し、お互いのリソースを活用することが可能となります。

また、自社より規模の小さい企業を買収し、有能なスタッフや経営陣をグループ内に引き入れて活用することで利益を上げることもできます。

子会社にする目的

一般的に、親会社は他の会社の株式を51％以上保有して経営権を握ります。

通常、自社よりも規模の小さい企業を買収することで親会社になるケースが多く見られます。つまりは、資本力を活かして他の会社の経営権を握るということです。
他の会社を子会社にする目的は様々で、持株会社と同じくコングロマリット化も目的のひとつです。競合他社を減らして市場のシェアを拡大する目的で、中小企業を買収して子会社にするケースもあります。あるいは、その企業独自の技術を獲得する目的で子会社にすることもあります。

スピンオフ

時に、企業グループ内から独立してビジネスを展開する子会社があります。これを「スピンオフ」と言います。スピンオフとは、子会社の新株を発行し、親会社から独立した会社を設立することを指します。スピンオフした子会社の株式は、親会社の株式と同じように取引されます。通常、スピンオフは、親会社が組織を再編する際や、子会社の事業を最適化したい場合に行われます。

親会社は、スピンオフした子会社の財務諸表を発行します。多くの投資家は、ファンダメンタルズ分析の一環としてこの財務諸表をチェックし、投資に値する会社かどうかを判断します。

親会社の例

有名な親会社である、Alphabet社とFacebook社の例をそれぞれ見ていきます。

Alphabet社は、Googleの創業者であるラリー・ペイジ氏とセルゲイ・ブリン氏によって、2015年に設立されました。Alphabet社を創るにあたり、ペイジ氏とブリン氏はGoogleの経営をスリム化すると同時に、Life Sciences社やCalico社といった企業をAlphabet社の子会社にしました。

Facebook社は、何年にもわたっていくつかの会社を買収してきました。中でも注目されたのが、Instagram社とWhatsApp社の子会社化です。Facebook社のマーク・ザッカーバーグCEOは、Facebook社が他の会社を買収して子会社にすることは、優秀な人材を得るためであると発言しています。