好決算にもかかわらず、ANYCOLORの株価が下落
バーチャルYouTuberプラットフォーム「にじさんじ」を運営するANYCOLORの株価は、通期業績予想を上方修正したにもかかわらず、16日に大きく下落した。
ANYCOLOR Inc(5032)の株価は、2023年4月期上半期(2022年5月~2022年10月)の決算がほぼ良好であったにもかかわらず、12月16日(金)には大きく下落した。決算内容は、売上高119億7300万円(前年同期比92.3%増)、営業利益43億1100万円(同143.2%増)となっている。しかし、トレーダーは8月~10月期の売上高の伸び悩みを指摘し、株価は13.2%下落した。
ANYCOLORの会社概要
ANYCOLORは2017年に設立され、エンターテイメント企業として国内外で事業を展開している。同社はVTuber/バーチャルライバープロジェクト「にじさんじ」をプロデュースするほか、グローバルに活動する同様のプロジェクト「NIJISANJI EN」も展開している。VTuberとは、バーチャルYouTuberの略称である。
ANYCOLORは、バーチャルライバーの管理サービスを提供し、Live2Dおよび3Dのにじさんじモデルを制作している。にじさんじプロジェクトは、イベントやグッズ販売、デジタルコンテンツや音楽制作で収益を上げている。同社は、ライバーファン向けにサイト、Web・スマートフォンアプリ、社内システムなどの商品を制作・開発する。そのほか、企業や行政などに向けてコンテンツ制作、イベント開催、プロモーション計画の提案を行っている。
ANYCOLORは、年配の世代にはあまり知名度がなく、2022年6月に東証グロース市場に上場したばかりだ。しかし、バーチャルYouTuberの分野では、競合他社が追いつけないほどの先行者利益を得ていると主張している。VTuberの定着率は98%で、知的財産も保有している。また、歌やダンス、ストリーミングなどのレッスンを行うアカデミーを運営し、次世代のVTuberを育成している。長期的には、仮想世界(メタバース)における有名人やインフルエンサーの育成を想定している。
ANYCOLORの決算はおおむね良好
決算では、主力の「にじさんじ」のコマース、イベント、プロモーション、ライブ配信の売上高がいずれも上半期で伸びている。海外VTuberプロジェクト「NIJISANJI EN」も同様で、2021年5月のサービス開始以降順調に成長しており、当初の予想を上回る好調ぶりだ。
同社は、売上高予想を190~210億円から225億円に、純利益予想を38~46億円から53億円に上方修正することを発表した。それぞれ前年同期比58.9%、89.8%の伸びとなる。しかし、市場はこれをプラスにとらえるのではなく、8月~10月にかけての売上高の伸びが鈍化したと解釈した。
株価は15日終値の7,460円から、16日には6,470円まで下落し、19日には6,500円とわずかに値上がりした。
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