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iPhone値下げか値上げか アップル12日新製品 株価を左右も

アップルの新製品発表会はアイフォンの価格戦略が焦点のひとつ。アイフォン販売額が減少する中、株価を左右する可能性がある。

出所:ブルームバーグ

アップルは12日(日本時間13日)に毎秋恒例の新製品の発表イベントを開く。主力製品のiPhone(アイフォン)の新モデルとして「15」シリーズが公開される見通しで、充電などに用いるケーブルの端子の規格が変更されると見込まれている。またIT関連メディアの間では、アイフォンの一部製品について値下げや値上げが行われるとの予想も目立つ。アップルの株価はアイフォンの販売額減少が嫌気されて下落しており、こうした価格戦略も投資家の注目を集めそうだ。

アップル新製品発表会は日本時間13日午前2時から

アップルの新製品発表イベントは米国東部時間12日午後1時(日本時間13日午前2時)から開かれる。アップルは毎年このイベントでアイフォンの新モデルを発表。多くのIT関連メディアの報道によると、今年は基本モデルの「15」、画面が大きい「15 Plus(プラス)」、上位モデルの「15 Pro(プロ)」、プロモデルで画面が大きい「15 Ultra(ウルトラ)」のお披露目が見込まれている。15ウルトラは、前シリーズの14まで「Pro Max(プロ・マックス)」と呼ばれていたモデルの後継だ。

15シリーズではケーブルの端子が、14まで使われてきたアップル独自の規格であるライトニングから、USB-Cに変更される見通し。欧州連合(EU)が域内で販売される電子機器にUSB-C端子への適応を義務付けると決めているためだ。

基本モデル値下げか上位モデル値上げか

また、15シリーズをめぐっては、基本モデルの価格が値下げされるとの観測もある。2022年9月に発売された14シリーズでは、基本モデルの14や14プラスの売り上げが期待外れだったと指摘されているからだ。14の場合は、前シリーズの13と性能に大差がないにも関わらず、アメリカ国内での販売価格が100ドル高いことから、「14を買うぐらいなら、100ドル安い13を買うか、さらに200ドルを足して高性能な14プロを買うのが得策」との見方が広がった。このためIT関連メディアでは「基本モデルの人気を高めるため、15や15プラスの価格は安めに設定される」との予想がある。

iPhone(アイフォン)の主な機種と販売価格

一方、同様の背景から15シリーズでは上位モデルの価格が値上げされるとの分析もある。経済誌フォーブス(電子版)は8月下旬、IT関連メディアの報道を引用して、15ウルトラは14プロ・マックスの現在の価格より200ドル高く、15プロは14プロよりも100ドル高くなる可能性があると報じた。上位モデルの値上げによって、相対的に価格が安くなる基本モデルの人気を高めることができるという狙いが透けて見える。

アイフォンの4-6月期の販売額は前年同期比割れ

アップルが8月3日に発表した2023年4-6月期決算では、アイフォンの販売額が前年同期比2.4%減だった。販売額の減少は投資家の不満を呼び、決算発表後、アップルの株価(AAPL)は値下がりしている。株価は8月半ばを過ぎてから持ち直しているが、9月1日の終値は上半期末にあたる6月30日比2.3%安で、株価が約1.5倍になった上半期の勢いはない。

iPhone(アイフォン)の販売額と前年同期比の推移

ティム・クックCEOは4-6月期決算会見で「アメリカのスマートフォン市場が厳しかった」とアイフォン販売の現状を問題視した。12日の新製品発表会でどのような価格戦略が示されるかで、アップルの株価が左右される場面も出てきそうだ。


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