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NY金、トランプ関税で強気相場の勢い増す 強い米指標は調整売り要因に ゴールドの見通し

NY金相場が連日で最高値を更新している。スポットの金価格は2,900ドルが視野に入る。一方で強い米経済指標は、調整売りの材料となる可能性がある。目先の見通しについて。

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記事の概要

NY金の先物価格(4月物)は4日、一時2877.1ドルまで上昇し最高値を連日で更新した。スポット価格は2,845ドルまで上昇しこちらも最高値を更新した。関税を巡る米中対立は金価格の押し上げ要因となっている。一方、強い米経済指標は調整売りの要因になり得る。特に本日の1月ISM非製造業景気指数と7日の同月雇用統計が総じて予想を上回れば、金価格の下落を想定したい。


最高値の更新が続くNY金相場、市場参加者は強気見通しを維持

NY金の先物価格(4月物)は4日、前日比18.7ドル(0.7%)高の2,875.8ドルで引けた。一時2,877.1ドルまで上昇し、連日で最高値を更新した。スポット価格も2,845ドルまで上昇し、最高値を更新する状況が続いている。

NY金相場について市場参加者は強気の見通しを維持している。この点を先物価格の動向(カーブ分析)で確認すると、年初から見通しが強気のトレンドで推移していることが分かる。米長期金利(10年債利回り)が4.5%台で上昇が抑制されている状況も考えるならば、今の金価格の焦点は、新たな上値の水準を見極めにある。

市場参加者の見通し

市場参加者の見通し

ブルームバーグのデータで筆者が作成


関税を巡るトランプ・ディールは金の上昇要因に、強い米経済指標は調整売り要因に

関税政策を巡るトランプ・ディールが各市場をかく乱している。トランプ米政権は4日に発動するとしていたメキシコとカナダに対する関税措置を1ヶ月延期した。外為市場ではメキシコペソとカナダドルが対米ドルで上昇した。

一方、中国からのすべての輸入品に対しては、アメリカ東部時間4日午前0時1分(日本時間同日午後2時1分)に10%の追加関税を発動した。中国は即座に報復措置を発表したが対象は140億ドル相当と、トランプ米政権が標的にしている中国製品の規模と比べて控えめだった。米中対立の激化を避ける狙いがあると見られる。

目先、トランプ・ディールの焦点は、中国の関税措置が発動される10日の期限までに米中両首脳が合意に至ることができるかどうか?にある。米中は貿易を巡りパナマ運河の主導権でも対立している。この点が交渉の材料になる可能性もあり情勢は不透明だ。この状況は金価格の押し上げとなろう。

今日以降は米経済指標も金価格を大きく動かす要因になることが予想される。関税を巡る不透明な情勢は米長期金利(10年債利回り、以下米金利)の上昇と低下、どちらの要因にもなり得るが、現状は4.5%で様子見のムードにある。しかし、現状では4.6%付近で上昇が抑制されている状況を考えるならば、「関税リスク→安全資産買い」として意識されるムードにある。この状況で今日の1月ISM非製造業景気指数が予想を下回る場合は、米金利に低下の圧力が高まることが予想される。米金利の低下は金価格の押し上げ要因となろう。

米長期金利のチャート:1時間足 1月14日以降

米長期金利のチャート:1時間足 1月14日以降

出所:TradingView

注意すべきは、ISM非製造業景気指数が予想以上に強い内容となる場合である。上で述べた通り金価格は連日の最高値更新で短期的な過熱感(買われ過ぎ)が意識されやすい状況にある。ゆえに強い米経済指標は、調整売りの材料に利用される可能性があろう。

特に7日の1月米雇用統計で労働市場の堅調さが確認される場合は、金価格の調整売り圧力が高まる展開を想定しておきたい。

労働市場の動向は、米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げペースに大きな影響を与えるからだ。雇用統計で労働市場の底堅さがあらためて確認される場合は、今年前半の利下げ期待がさらに後退する要因になり得る。利下げ期待の後退は米金利の上昇要因になり得る。金価格は下でまとめたサポートラインの攻防に注目したい。

米国の雇用統計 各項目の推移:2024年1月~12月

米国の雇用統計 各項目の推移:2024年1月~12月

ブルームバーグのデータで筆者が作成 / 赤の棒グラフとドット:1月の市場予想


金価格の見通しとテクニカルライン

2,900ドル台が視野に
今週末までのNY金相場は、新たな上値水準の見極めが焦点となろう。スポット価格は、2,900ドル台へ上昇する可能性がある。

金価格が2,900ドルを目指すサインとして、目先はフィボナッチ・エクステンション61.8%の水準2,853ドルの攻防に注目したい。本レポート掲載時点では2,850ドルまで上昇する局面が見られた。

61.8%の水準2,853ドルを完全に上方ブレイクする場合は2,860ドル、2,870ドルと10ドルのレンジで新たな上値の水準を見極めたい。

目先、最も注目したい水準が2,900ドルである。テクニカルの面ではフィボナッチ・エクステンション76.4%の水準2,928ドルの攻防となるか?この点に注目したい。

レジスタンスライン
・2,928ドル:フィボナッチ・エクステンション76.4%(日足)
・2,900ドル:レジスタンスライン
・2,853ドル:フィボナッチ・エクステンション61.8%(日足)

反落の局面では2,800ドルの維持が焦点に
連日の高値更新で1時間足のストキャスティクスとRSIはともに、短期的な買いの過熱感を示唆している。今日以降の米経済指標で強い内容が続く場合は、金価格の調整売りを想定したい。

反落局面での焦点は、サポートラインへ転換する兆しのある2,800ドルの維持となろう(1時間足、赤ラインを参照)。すぐ下の水準2,797ドルは、先月29日の安値と直近の高値の半値戻しにあたる。

2,800ドルを目指すサインとして、以下にまとめた3つのサポートラインの攻防に注目したい。いずれもサポートラインへ転換する可能性があるラインである。

現在の金価格は強気相場にある。よって高値を更新する際は、その都度新たなフィボナッチ・リトレースメントの水準を確認したい。

サポートライン
・2,830ドル:サポート転換の可能性あり(1時間足)
・2,825:フィボナッチ・リトレースメント23.6%(1時間足、2/3安値起点)
・2,810:半値戻し(1時間足、1/29安値起点)
・2,800:予想レンジの下限(1時間足)


金価格のチャート

1時間足:1月29日以降

1時間足:1月29日以降

出所:TradingView

週足:2024年以降

週足:2024年以降

出所:TradingView


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