メタ株が乱高下 7-9月期好決算で5%高 慎重な見通しで値下がり
メタ・プラットフォームズの7-9月期決算は予想を超える好決算。しかし業績見通しは慎重で、株価は上昇後に値を下げた。
フェイスブックやインスタグラムなど展開するSNS大手のメタ・プラットフォームズが25日の取引時間終了後に発表した2023年7-9月期決算は市場予想を上回る内容だった。総収入の前年同期比伸び率は2年ぶりの大きさで、世界的な広告需要の増加が追い風になっている。メタ株は25日の時間外取引で一時、終値から5%超上昇した。しかしメタは世界情勢の不安定化を背景に、10-12月期の見通しについては慎重な数字を示しており、株価はその後、マイナス圏に沈んだ。
メタの7-9月期決算は総収入の伸びが2年ぶりの大きさ
メタの7-9月期決算は、総収入が前年同期比23.2%増の341.46億ドル。伸び率は2021年7-9月期の35.1%以来の大きさとなった。また、1株当たり利益(EPS)は約2.7倍の4.39ドルだった。金融情報会社リフィニティブのデータによると、決算発表直前の市場予想は、総収入が335.62億ドル、1株当たり利益が3.59ドル。発表された実績はいずれも事前予想を上回っており、好決算だったといえる。
メタの収益を押し上げたのは世界的な広告需要の増加や人工知能(AI)を活用した広告運用の効率化だ。広告需要は、中国の広告主からの北米への出稿が強まるなど、世界的に伸びたという。また、インスタグラムなどで視聴できる短時間動画の「リール」は、AIが利用者の好みにあった動画を提示する仕組みを用いて、これまでにインスタグラムの利用時間を40%引き上げる効果を生んでいる。マーク・ザッカーバーグCEOは決算会見で「AIは最大の投資対象だ」と述べ、今後も強化していく考えを示した。
こうした好決算を受けて、メタの株価(META)は25日の時間外取引で一時、約316ドルまで上昇した。25日の終値(299.53ドル)との比較では5.4%超の水準だ。メタ株はS&P500種株価指数(SPX)が25日終値までに5.9%安となっている2023年下半期も4.4%の上昇を維持してきた。決算で示された収入の伸びが安心材料になり、投資家の期待がさらに高まったとみられる。
2023年10-12月期は総収入の伸びが減速する可能性も
ただ、この値上がりは長くは続かなかった。株価は決算会見が進むにつれて下落し、時間外取引は25日の終値から3%超安の水準で終わった。
投資家の期待がしぼんだ背景には、業績の先行き不透明感がありそうだ。メタが示した10-12月期の総収入は365億-400億ドルの範囲。前年同期比では13.5-24.3%増となり、7-9月期からの減速の可能性を感じさせる数字といえる。スーザン・リーCFOは決算会見で10月に入ってからの広告需要について「変動が大きくなっている」と言及。中東情勢緊迫化の影響については明言しなかったが、ロシアのウクライナ侵攻時に広告需要が減ったことに触れ、今後の動向を見極める考えを示した。また、欧米で進むIT企業への規制強化についても「われわれの事業や業績に重大な影響を及ぼしうる」と反発している。
ザッカーバーグ氏は決算会見で「極めて変動が大きい世界」において長期的な道筋を描くには安定を保つことが重要だと指摘。AI関連の事業に人材を集中させ、新規の採用を抑えるなどの取り組みで、効率を重視した企業体質を実現するとしている。
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