ポンド円の展望とチャートポイントについて
22日に英中銀の金融政策委員会(MPC)が開かれる。植田日銀が金融緩和政策を維持する一方で、英中銀の利上げ継続が意識される場合、ポンド円はレジスタンスとして意識されている182.00レベルをブレイクアウトする展開が予想される。ポンド円の上昇幅がさらに拡大する場合、次の上値の焦点は?詳細はIG為替レポートをご覧ください。
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サマリー
・22日に英中銀の金融政策委員会(MPC)が開かれる
・英中銀はインフレ抑制のために今年1年をとおして利上げ政策を維持する公算が大きい
・日英中銀の政策スタンスの差はもうしばらくポンド円の上昇トレンドをサポートしよう
・ポンド円が182円超えとなる場合は、最大で188円台までの上昇を想定しておきたい
・ポンド円が反落する場合は180円台の維持が焦点に
新たなレジスタンスを探る展開が続くポンド円
イングランド銀行(英中央銀行)は22日、金融政策委員会(MPC)を開く。
すでに市場では0.25%の利上げが織り込まれている。ゆえに今回のMPCの焦点は、今後の政策スタンスにある。
この点を短期金融市場の動向で確認すると、予想ターミナルレートが5.9%手前の水準まで上昇している。この動きは、英中銀が今年1年をとおしてインフレ抑制のために利上げ政策を維持すること(維持せざるを得ないこと)を短期金融市場の参加者が予想していることを示している。
英中銀とは対照的に、日銀は先週15-16日の金融政策決定会合で現行の金融緩和政策の維持を決めた。展望レポートが公表される7月の金融政策決定会合で植田日銀が政策を修正してくる可能性はある。しかし、それまで1ヶ月以上あり(7月の決定会合は27日~28日に開催)、目先は日英中銀の政策スタンスの差が意識されやすい状況が続く。
そして日米の株高トレンドが続いていることも考えるならば、ポンド円(GBPJPY)は調整の反落を挟みながら、新たなレジスタンスの水準が判明するまで上昇トレンドを維持する展開を予想する。
政策金利の予想推移
目先の焦点は182.00の攻防
日英中銀の政策スタンスの差と日米の株高にサポートされることが予想されるポンド円(GBPJPY)は、182.00レベル(直近の高値182.12レベル)を完全にブレイクアウトできるかどうか?この点が目先の焦点となろう。1時間足チャートでRSIやストキャスティクスの動向を確認しながら、182.00レベルの攻防を見極めたい。
ポンド円が182円台へ上昇した後に、反落の局面でこの水準がサポートへ転換する場合は、下で述べるレジスタンスポイントをトライする可能性が高まろう。
一方、ポンド円の上昇が182.00レベルで止められる場合は、相場をサポートしている181.20レベルの攻防に注目したい。この水準は、フィボナッチ・リトレースメント23.6%の水準(181.18レベル)に相当する。
ポンド円が181.20レベルを完全に下方ブレイクする場合は、180円台の維持が次の焦点となろう。このケースでは、先週後半にサポートの転換が見られた180.80レベルと180.00レベルの攻防に注目したい。
180.12レベルは半値戻しの水準にあたる。先週16日の欧州時間では、半値戻しの水準が相場をサポートした経緯がある。ゆえに、180.00-12レベルをサポートゾーンと想定しておきたい。
ポンド円のチャート:1時間足
182円台を突破した後も上昇幅が拡大する場合の焦点は?
ポンド円(GBPJPY)が182円を完全に突破した後も上昇幅が拡大する場合は183円、184円そして185円と、1円レンジで新たなレジスタンスの水準を探ることになろう。
過去の推移を月足チャートで確認すると、2015年9月から11月にかけて相場の上昇を止めた188.00レベルがレジスタンスの候補として浮上する(月足チャートを参照)。一方、V計算値では188.90レベルがレジスタンスの候補となる(週足チャートを参照)。
2015年当時はアベノミクスが意識され円安が進行していた。現在は日銀と英中銀など海外中銀との金融政策スタンスの差が意識される状況にある。そして日米の株高も進行中である。
2015年11月の高値が188.81レベルであることも考えるならば、今週の英金融政策委員会(MPC)を受けて日英中銀の政策スタンスの差がさらに強く意識され、かつ日米の株高進行も継続する場合、ポンド円は最大で188円台を目指す可能性を意識しておきたい。
ポンド円のチャート:月足
ポンド円のチャート:週足
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