今日の焦点は米欧のPMI / 今日のドル円の展望とテクニカルポイントについて
米金利が上昇トレンドを維持している。この動きに連動して日米の利回り格差も拡大の傾向にある。この状況が続く間は、ドル円の堅調地合いを想定しておきたい。今日のドル円の展望は?注目しておきたい上下のテクニカルポイントは?詳細はIG為替レポートをご覧ください。
※ユーロ円の短期的な展望についてはこちらのレポートをご覧ください
サマリー
・米金利の上昇トレンドを受け、日米の利回り格差も拡大傾向にある
・日米の利回り格差の拡大が続く限りドル円は底堅さを維持するだろう
・今日の注目材料は5月の米PMI速報値
・今日のドル円の展望と上下のテクニカルポイントについて
上昇トレンドを維持する米金利
長期の期待インフレ率(ミシガン大学5-10年先の期待インフレ率)が2011年以来の水準まで上昇したことが確認されて以降、米債市場では利回りの上昇トレンドが続いている。10年債利回りは3月13日以来となる3.72%台まで上昇した。
セントルイス連銀のブラード総裁は22日、インフレ抑制のために年内あと2回の利上げの必要性に言及した。短期金融市場では連邦準備制度理事会(FRB)が年内に利下げ政策へ転換することを織り込む動きが続いている。しかし、利下げ開始の時期については11月に後ずれする状況にある。一方、金融政策の方向性を織り込んで動く2年債利回りは4.3%台まで上昇している。
米金利の動向
拡大傾向を維持する日米利回り格差
5月に入り日米の利回り格差(スプレッド)が再び拡大傾向へ転じている。この動きに連動し、ドル円(USDJPY)の上昇幅も拡大していることが分かる(下チャート緑ゾーンを参照)。
日米利回り格差の動向は米金利の動きに左右されている。その米債市場では、FRBメンバーの発言と経済指標が材料視されている。ゆえに、ドル円は引き続きFRBの要人発言と経済指標で上下に振れる展開が予想される。
ドル円と日米利回り格差の動向
今日の注目材料
今日はダラス地区連銀のローガン総裁がリッチモンド地区連銀主催のイベントで講演を行う。同総裁は先週、次回の連邦公開市場委員会(FOMC, 6月13-14日開催)では、利上げを停止する論拠がまだ明確になっていないと指摘している。ゆえにインフレや金融政策に言及する場合は、タカ派よりの発言となる可能性ある。
一方、経済指標では5月の購買担当者景気指数(PMI)速報値が、米債市場と外為市場(米ドル相場)で材料視される可能性があろう。
今年に入りアメリカではサービス業の改善が進んでいる。この傾向を受け、総合指数は景気判断の分かれ目である「50」を上回っている(4月は53.4まで上昇)。また、サービス業に遅れて製造業も改善の傾向にある。
しかし、5月は前月から総じて落ち込む見通しとなっている。ゆえに、PMI速報値が予想外の強さを見せれば、米金利の上昇トレンドをサポートする要因となろう。
逆に5月PMI速報値が予想以上に低下すれば、米債を買い戻す(米金利が低下する)調整相場の要因になり得る。また、今日は米財務省2年債の入札も予定されている。入札結果も米金利の変動要因となる可能性がある。
今日の米ドル相場(ドルインデックス / DXY)とドル円(USDJPY)は、上で述べた材料で上下に振れる展開が予想される。
5月PMI速報値の市場予想, ()は4月の内容
・製造業購買担当者景気指数:50.0(50.2)
・サービス業購買担当者景気指数:52.5(53.6)
・総合購買担当者景気指数:53.0(53.4)
アメリカ購買担当者景気指数(PMI)の推移
ドル円の見通しとテクニカルポイントについて
上昇局面では138.75のブレイクが焦点に
今日のドル円(USDJPY)の焦点は、先週18日の高値138.75レベルの完全突破となろう。
本日早朝に高値138.80レベルまで上昇する局面が見られた。しかし、ローソク足の実体ベースでの突破には失敗した。
上で述べたとおり、米金利が上昇トレンドを維持しているため、日米の利回り格差は拡大の傾向にある。このトレンドが続く間は、ドル円の堅調地合いが予想される。
ドル円が138.75レベルを完全に突破する場合は、139.00のトライおよび上方ブレイクが焦点となろう。
ドル円が139円台へしっかりと上昇する展開となれば、IG為替レポートで何度か取り上げている22年最高値151.94レベルと23年1月安値127.22レベルの半値戻しの水準139.58(139.60レベル)のトライを想定しておきたい。
ドル円のチャート:週足
反落局面では押し目買いを狙いたい
ドル円(USDJPY)のリスクリバーサルの動きを確認すると、横ばい推移となっている。ドル円の上昇に追随しきれていない状況は、反落の可能性を意識していることをうかがわせる。
しかし、上で述べたとおり米金利の上昇とそれに伴う日米の利回り格差が拡大傾向を維持する限り、ドル円は底堅さを維持する展開が予想される。ゆえに、反落の局面では押し目買いを狙いたい。
ドル円とリスクリバーサルのチャート
その水準(押し目買いの水準)として注目すべきポイントは、137.40レベルである。この水準は先週19日の下落を止め、かつ22日の相場をサポートした。日足ローソク足で下ヒゲが示現している状況も考えるならば、今後の反落局面ではサポートポイントとして意識される可能性がある。
ドル円が137.40レベルを完全に下方ブレイクする場合は、200日MAで反転するかどうか?を確認したい。この移動平均線は今日現在、137.15レベルで推移している。すぐ上の水準137.22レベルは直近高安の半値戻しの水準にあたる。これらテクニカルポイントの攻防は、137円台を維持できるかどうか?という観点でも注目しておきたい。ドル円の137円台維持が確認される場合は、反発相場を想定したい。
一方、ドル円が137円をも下方ブレイクする場合は、136.80前後での押し目買いを狙いたい。この水準は直近高安の61.8%戻しの水準(136.85レベル)にあたる。また今日現在、10日MAが138.80台まで上昇している。ストキャスティクスを軸に相場の過熱感(買われ過ぎ/売られ過ぎの動向)を判断したい。
ドル円のチャート:1時間足
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