「米ドル安vs円安」の戦いは円安優勢の展開に / ドル円の注目ポイントについて
リスク選好相場(日米株高)の進行を受け、外為市場では円安の圧力が高まっている。FOMCを前にドル円は140円台へ上昇してきた。FOMCの結果次第ではさらに上値をトライするムードにある。その場合、次に注目しておきたい水準は?詳細はIG為替レポートをご覧ください。
※ユーロ円の見通しについてはこちらのレポートをご覧ください
サマリー
・5月CPIで米国のインフレが鈍化の傾向にあることが確認された
・「米ドル安vs円安」の戦いは、円安優勢の展開に
・日米の株高進行は円安要因となろう
・ドル円の展望と注目しておきたいチャートポイントについて
インフレの鈍化とリスク選好相場の加速
インフレ鈍化の傾向を確認
米労働省が13日に発表した5月の消費者物価指数(CPI)は、前年同月比で4.0%の伸びとなった。一方、エネルギーと食品を除くコア指数は同比で5.3%上昇した。いずれも前月から低下し、米国のインフレが鈍化の傾向にあることが確認された。
前月比では総合指数が4月の0.4%から0.1%の伸びに低下した一方で、コア指数は0.4%で横ばいとなった。前月比でもインフレが鈍化の傾向にあることが確認された。
なお、焦点となっているサービス価格は6.3%と、前月の6.8%から低下した。
アメリカ消費者物価指数(CPI)の推移
変容する米株高
5月のCPIでインフレの鈍化傾向が確認されたことを受け、13日の米国株は上昇した。
多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数(SPX)のセクター別パフォーマンスを確認すると、6月に入り景気敏感株を中心に買いが入っていることが分かる(下チャートの緑グラフを参照)。
5月まではハイテク株買い一辺倒の株高だった。しかし、ハイテク株高に出遅れていた景気敏感株全般で買いが入る今の状況は、米国株の地合いの強さが変容していることを示唆している。
S&P500指数のセクター別パフォーマンス:月初来
ドル円の展望とチャートポイント
リスク選好相場の加速で上値トライ
米国の株式市場だけでなく国内の株式市場でも強気相場が加速し、日経平均は1990年7月以来およそ33年ぶりの高値圏にある。そしてその株高ムードは衰えるどころか、むしろ高まりを見せている。
リスク選好相場(株高)は円安要因である。実際、13日の円相場は主要な通貨に対して下落した。昨日は5月CPIの結果を受けて米ドル安の展開となったが、米ドル相場のパフォーマンスを確認すると、対円では上昇したことが分かる。
リスク選好相場(株高)は米ドル安の要因でもあるが、「米ドル安vs円安」の戦いで円安に軍配が上がった状況は、現在の外為市場での円安圧力の強さを示唆している。
米ドル相場のパフォーマンス:6月13日
141.00をブレイクアウトした後の焦点は?
リスク選好相場にサポートされドル円(USDJPY)は昨日、140円台を回復した。MACDは低下の基調にあるが、21日MA(今日現在139.37レベル)が強烈なサポートラインとして意識されている状況は、今のドル円の地合いの強さを示唆している。
今日のドル円のトレンドは、連邦公開市場委員会(FOMC)の結果に左右されるだろう。FOMCが米ドル安のイベントとなれば、ドル円は反落することが予想される。
このケースでは、21日MAが引き続きサポートラインとして意識されるかどうか?この点を確認したい。FOMCを受けて米株高がさらに進行する場合、米ドル安によりドル円が下落しても21日MAを維持する展開を想定しておきたい。
一方、FOMCの結果を受けてドル円が上値トライとなる場合は、IG為替レポートで何度も取り上げてきた140.50レベルおよび141.00レベルのトライそしてブレイクアウトが焦点となろう。
これらレジスタンスの水準をドル円が完全に突破する場合は、反落局面での “サポート転換”-140.50や141.00で相場が反発するかどうか? を確認したい。この状況が確認される場合は、ドル円の地合いの強さを市場参加者に印象付けるだろう。
FOMCを受けて米ドル買いが加速する場合は141円台への上昇だけでなく、142.00のトライを想定しておきたい。
テクニカルの面では、フィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準142.50の攻防となるかどうか?この点が焦点となろう(下の週足チャートを参照)。
ドル円のチャート:日足
ドル円のチャート:週足
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