ドル円 (USDJPY):今日の見通しとチャートポイント
米金利の上昇基調が続き、外為市場では米ドル高が進行している。ドル円は昨日、147.80レベルまで急伸した。調整の反落を警戒しながらも上値をトライする状況が続いている。今日の見通しは?注目しておきたいチャートポイントは?詳細はIG為替レポートをご覧ください。
※ユーロドルの見通しとチャートポイントについては、こちらをご覧ください
サマリー
・米金利が上昇基調を維持し、外為市場では米ドル高が進行している
・社債の発行が米国債の短期的な売り要因となっている
・原油先物価格の動向も米金利の変動要因として注目したい
・ドル円は調整の反落を警戒しながらも、上値トライを意識する状況が続く
米ドル高が進行中
5日の外為市場は、米ドル高優勢の展開となった。
米ドル相場のトレンドを示すドルインデックス(DXY)は、5月31日の高値水準104.70レベルを突破し、104.90まで米ドル高が進行した。
通貨別のパフォーマンスを確認すると、昨日は主要国通貨に対して米ドル相場が全面高となった。
ドル円(USD/JPY)は、高値147.80レベルまで急伸した。一方、ユーロドル(EUR/USD)は8月25日の安値1.0766レベルを大陰線で一気に下方ブレイクし、1.07をトライする局面にある。
米ドル相場の動向:9月5日
上昇基調を維持する米長期金利
米長期金利の上昇要因その1:社債発行による米国債売り
米ドル高が加速している要因は、米債市場の動向にある。この日、長期金利(10年債利回り)は4.27%手前まで上昇する局面が見られた。
米国債売り(金利上昇)の要因として社債の発行ラッシュが指摘されている。ロイターの報道によれば、一部の投資家が国債よりも利回りの高い社債を購入するために米国債を売っているという。また、9月は供給が多くなる傾向にあり、1000億-1500億ドルの新規債券の発行が見込まれるという。
米長期金利が上昇基調を維持する場合、外為市場では米ドル高のトレンドが続くことが予想される(下チャートのグレーゾーンを参照)。
米長期金利とドルインデックスのチャート:日足 3月以降
米金利の上昇要因 その2:原油先物価格の上昇
米長期金利の変動要因として、もう一つ注目しておきたいのが原油先物価格の動向である。
国営サウジ通信(SPA)は5日、同国が現行の日量100万バレルの自主減産を年末まで続けると報じた。ロシアも日量30万バレルの輸出削減を同じ期間継続するという。
産油国の協調減産は、原油先物価格の上昇要因である。5日のNY原油先物(WTI、10月物)は一時、88.07ドルと期近物として昨年11月中旬以来の水準まで上昇した。北海ブレントの原油先物価格(BRENT)も昨年の11月下旬以来となる90ドル台へ到達した。
原油先物価格と米長期金利のトレンドを確認すると、7月以降の上昇基調が一致している(下チャートのグレーゾーンを参照)。
原油先物価格の上昇はインフレの低下を阻む要因である。連邦準備制度理事会(FRB)が金融引き締めの姿勢を維持している状況で原油先物価格が上昇基調を維持すれば、短期的に米長期金利はもう一段上昇するか高止まりする可能性が高まろう。
米長期金利が上昇基調を維持する限り、米ドル相場は調整の反落を挟みながら上昇トレンドを維持することが予想される。
米長期金利と原油先物価格のチャート:日足 年初来
ドル円の見通しとチャートポイント
上値トライを意識する状況が続く
米長期金利が上昇基調を維持していることで、ドル円(USD/JPY)も上値をトライする状況が続いている。昨日は、高値147.80レベルまで上昇する局面が見られた。IG為替レポートで注目していた147円ミドルの水準を大陽線で一気に突破した状況は、地合いの強さを示唆している。
13週MAとの乖離率が5%近くまで拡大している状況を考えるならば、調整の反落は見られよう。政府・日銀による円安けん制や円買い介入に対する市場の警戒心もドル高・円安の調整要因となろう。
しかし上で述べたとおり、現在の米債市場では金利が上昇しやすい状況にある。米長期金利のトレンドが転換しない限り、ドル円も上値トライを意識する状況が続くと予想する。今日もドル円が続伸する場合、目先の焦点は148.00レベルの突破となろう。
ドル円のチャート:週足 22年7月以降
上昇局面でのチャートポイント
ドル円(USD/JPY)の上昇幅が拡大し148円台の攻防へシフトする場合、まずは148.50レベルを一気に目指すかどうか?この点に注目したい。昨年の11月上旬に148円ミドル前後の水準は、相場の上昇を止めた経緯がある。
ドル円が148円ミドルの水準を完全に突破する場合は、昨年の10月31日から11月1日にかけてレジスタンスの水準として意識された148.85レベルの攻防に注目したい。
ドル円が148.85レベルをも完全に上方ブレイクする場合は、149.00のトライが焦点として浮上しよう。この水準は、フィボナッチ・エクステンション76.4%の水準にあたる。テクニカルの面で149.00レベルは、重要なレジスタンスの水準と想定しておきたい。
ドル円のチャート:日足 22年9月以降
下落局面でのチャートポイント
さえない経済指標を受けた米金利の低下や国内サイドからの円安けん制発言などを受けてドル円(USD/JPY)が反落する場合、目先は147円台の維持が焦点となろう。
ドル円が146円台へ下落する場合は、IG為替レポートで注目している146.50レベルがレジスタンスからサポートの水準へ転換するかどうか?この点を確認したい。今日現在、10日MAが146.40台まで上昇している。テクニカルの面でも146円ミドル付近を重要なサポートの水準と想定しておきたい。
ドル円が146.50レベルを難なく下方ブレイクする場合は、146円台の維持が焦点となろう。
ドル円が145円台の攻防となる場合は、短期サポートラインの維持に注目したい。このラインは今日現在、145.20レベルで推移している(下の日足チャートを参照)。
ドル円のチャート:日足 7月以降
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