【ドル円 (USD/JPY)】今日の見通しとチャートポイント
ドル円(USDJPY)は底堅さを維持している。しかし、今週は円安を調整する動きが続いている。投機筋の円売りポジションが積みあがっている状況も考えるならば、今は下値トライを警戒する局面にある。今日は米国のISM製造業景気指数が変動要因となる可能性がある。注目しておきたい上下のチャートポイントは?詳細はIG為替レポートをご覧ください。
サマリー
・外為市場では日本円を買い戻す動きが続いている
・今日は米ISM製造業景気指数とユーロ圏の消費者物価指数が変動要因となろう
・下値トライのムードが漂うドル円、149円のサポートゾーンの維持が焦点に
・ユーロドルも下値トライを意識する状況に、目先の焦点は21日線の攻防
日本円を買い戻す動きが続く
先月29日の外為市場は、日本円を買い戻す動きが続いた。ドル円(USD/JPY)は節目の150.00レベルを完全に下方ブレイクし、安値149.21レベルまで下落する局面が見られた。主要なクロス円も円高優勢の展開となった。
円相場の動向:2月29日
今日の注目材料:2月の米ISM製造業景気指数
1月の個人消費支出(PCE)価格指数は予想どおりの内容となった。一方、週間の新規失業保険申請件数は予想外に増加した。これらの内容を受け、昨日の米債市場では利回りが低下した。
今日は、米国の2月ISM製造業景気指数が発表される。市場予想は49.5と、製造業の改善傾向が続く見通しである。
昨日の経済指標は、米金利の低下要因となった。この状況でISM製造業景気指数が市場予想を下回る場合は、米金利の低下が予想される。
米金利の低下は米ドル安の要因だが、現在は連邦準備制度理事会(FRB)による利下げ観測が後退する状況にある。昨日の米ドル相場が主要通貨で強弱まちまちの展開となった状況を考えるならば、米金利が低下しても米ドル相場の反応は通貨別でまちまちとなる可能性があろう。
注目の通貨ペアは、調整ムードが漂いかつテクニカルの面で分岐点の攻防にあるドル円(USD/JPY)とユーロドル(EUR/USD)である。
米国 ISM製造業景気指数:23年以降
ドル円、今日の見通しとチャートポイント
下値トライの局面ではサポートゾーンの維持が焦点に
今週の外為市場は円買い優勢の状況にある。円ポジションのネットショート(非商業部門)が12万枚を超える水準まで積みあがっている状況を考えるならば、調整の円買いが続く可能性がある。
円安を調整する状況が続くなかで2月の米ISM製造業景気指数が米金利の低下要因となれば、ドル円(USD/JPY)は米ドル安の圧力も重なり、下値トライを意識する状況が続くと予想する。
IMM通貨先物のポジション動向:日本円
買われ過ぎの水準でデッドクロスの状況が確認されたストキャスティクスとRSIのトレンドも、現在のドル円は下値トライを意識する局面にあることを示唆している(下の日足チャートを参照)。
今日もドル円の調整相場(反落)が続く場合は、IG為替レポートで注目している149.50レベルと149.00レベルの攻防が焦点となろう。
これらの水準は、サポートの水準へ転換する可能性がある。また、149.00-50レベルをサポートゾーンと想定することもできる。
昨日の市場では、安値149.21レベルまで下落する局面が見られた。しかし、日足ローソク足をみると、長い下ヒゲが現れサポートゾーンで反発した。今日以降の下落局面でもサポートゾーンでの反発が続く場合は、149円の維持が下値の焦点として意識されよう。
21日線の下方ブレイクは、サポートゾーンをトライするシグナルと想定しておきたい。この移動平均線は今日現在、149.80レベルで推移している。
ドル円のチャート:日足 23年11月以降
反発局面での焦点は10日線の突破
一方、今日の米経済指標が米ドル買いの要因となる場合は、ドル円(USD/JPY)の下支え要因となろう。だが、円買い優勢の状況にあることを考えるならば、ドル円の上昇幅は限定的となることが予想される。
ドル円の反発局面で注目したいのが、10日線の攻防である。この移動平均線は今日現在、150.33レベルで推移している(上の日足チャート、緑ラインを参照)。
今日の東京時間では、この移動平均線を視野に反発のムードにあるが、相場の反発を止める場合は、レジスタンスのラインへ転換する可能性を意識したい。
一方、ドル円が10日線を難なく上方ブレイクする場合は、レジスタンスの水準として意識されている150.80レベル(下の1時間足チャートを参照)および151.00レベルをトライする状況が続くだろう。
本日、ドル円が150.80レベルをトライするシグナルとして注目したいのが、直近高安のフィボナッチ・リトレースメント76.4%の水準150.45レベルである。
10日線を上方ブレイクした後、この移動平均線が相場をサポートする場合も150.80レベルをトライするシグナルとして注目しておきたい。
短期スパンのストキャスティクスとRSIが買われ過ぎの水準にある時に、ドル円が上で述べたレジスタンスの水準をトライする局面では反落を警戒したい。
ドル円のチャート:1時間足 今月12日以降
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