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【ドル円 (USDJPY)】今日の見通しとチャートポイント

「日銀が政策の修正に動くのでは?」との思惑が、7日の外為市場で投機的な円買いの圧力を高めた。ドル円(USDJPY)は一時、141円台まで急落する局面が見られた。今日は11月の米雇用統計がドル円のトレンドを左右する要因となろう。注目しておきたいチャートポイントは?詳細はIG為替レポートをご覧ください。

出所:ブルームバーグ 出所:ブルームバーグ

※今日のユーロドルの展望については、こちらのレポートをご覧ください


サマリー

・植田日銀総裁の発言が材料視され、7日の外為市場では円相場が急伸した
・転換点にある日米中銀の金融政策、今後円相場はトレンド転換を意識する状況に
・今日の注目材料は、11月の米雇用統計となろう
・ドル円、今日の見通しとチャートポイントについて


トレンドの転換を意識する局面にある円相場

植田総裁の発言と投機的な円買い
7日の外為市場で円相場が急伸する展開となった。ドル円(USD/JPY)は200日線(今日現在142.29レベル)を下方ブレイクし、141.62レベル(IGレート)まで急落する局面が見れた。クロス円でも円高が進行した。

円相場の動向:12月7日

円相場の動向:12月7日 ブルームバーグの為替データで作成


昨日の円高の主因となったと考えられるのが、日銀の植田和男総裁の発言である。

植田総裁は7日の参院財政金融委員会で、今後の金融政策運営の抱負について問われ、「年末から来年にかけて一段とチャレンジングになると思っているので、情報管理の問題もきちんと徹底しつつ丁寧な説明、適切な政策運営に努めていきたい」と述べた。

一方、現時点での物価安定の持続的・安定的な実現については、「十分な確度をもって見通せる状況には至っておらず、今後、賃金と物価の好循環が強まっていくか注視していくことが重要だ」とし、「粘り強く金融緩和を継続することで経済活動を支え、賃金が上昇しやすい環境を整えていく方針だ」とも述べた。

昨日の円高は、「年末から来年にかけて一段とチャレンジングになる」という発言が将来の政策修正のための地ならしとして材料視された投機的な側面が強い。

本日早朝にドル円が144円台まで反発する局面が見られたことも、昨日の円高が植田総裁の発言の一部を都合よく円買いの材料とみなした動きであったことを示唆している。

後退する円安の圧力
7日の円高は投機的な側面が大きかった。しかし、日米中銀の金融政策が転換点を迎えている状況を考えるならば、今後の外為市場では円相場のトレンド転換を意識することになろう。

この点を示唆しているのが、11月以降の円相場の動向である。

米ドル相場の下落圧力がじわりと高まり始めたのが11月からである。この動向を受け、対米ドル(USD/JPY)では円高が進行している(下のチャート、黒点線を参照)。

注目すべきは、クロス円の動向である。11月以降、円安の圧力が後退していることが分かる。そして、昨日の円買いを受け、円高優勢の局面へ転じつつある。

円相場の動向:11月以降

円相場の動向:11月以降 ブルームバーグの為替データで作成 / 基準日:23年10月31日(12月7日までの動向)


日米利回り格差とドル円の動向
また、日米中銀の政策転換は、利回り格差のトレンドに大きな影響を与えている。

短期金融市場では、米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げサイクル終了を完全に織り込んでいる。さらに、来年3月の利下げ開始の可能性をも意識する状況にある。

一方、国内の債券市場では昨日、10年債利回りが0.65%付近から0.75%台まで急伸した。上で述べた植田日銀総裁のチャレンジング発言とそれに伴う政策修正への思惑が金利上昇の要因になったと考えられる。

注目すべきは、すでに今年の10月下旬ころから日米の利回り格差がじわりと縮小の傾向へ転じていることである(下のチャートを参照)。

現在は、FRBの利上げサイクル終了と来年の利下げ政策の転換に対する市場参加者の思惑が主導となり、日米の利回り格差が縮小の傾向にある。

しかし、来年以降は日銀の政策転換とこの点に関する市場参加の思惑も日米利回り格差の縮小トレンドを主導することが予想される。

日米利回り格差の縮小傾向に連動し、ドル円(USD/JPY)は次第に上値が重くなり、11月の下旬以降は、下落幅が拡大する状況にある(下のチャート、緑ラインを参照)。

2021年以降の円安は、ドル円の上昇がけん引してきた側面が強い。ゆえに、日米の金融政策が転換点にあり、債券市場と外為市場でこの点が意識され始めている状況も考えるならば、今後ドル円は下落トレンドへ転換することが予想される。

ドル円のトレンドが転換する場合は、円安のトレンドが終焉を迎えることを意識することになろう。

日米の利回り格差とドル円のチャート:日足 年初来

日米の利回り格差とドル円のチャート:日足 年初来 ブルームバーグのデータで作成

今日の注目材料は11月の米雇用統計

本日、日米の利回り格差とドル円(USD/JPY)のトレンドに大きな影響を与える材料が、11月の米雇用統計である。

10月に続き労働市場が軟化の傾向にあることが示される場合は、米金利の低下要因になり得る。日銀の政策修正が意識されている状況で米金利の低下幅が拡大すれば、日米の利回り格差は縮小傾向を辿るだろう。ゆえにさえない米雇用統計は、ドル円の下落要因となろう。

また、11月の非農業部門雇用者数の伸びが予想以上となっても、それは全米自動車労組(UAW)のストライキ解決による一時的な要因と見なされる可能性がある。ゆえに、雇用増となっても失業率が予想外に上昇し、賃金インフレの抑制傾向も確認される場合は、米金利が低下で反応する可能性がある。米金利の低下は、ドル円が下値をトライする要因となろう。

一方、雇用の増加だけでなく、失業率や賃金でも労働市場の堅調さが示される場合は、「米金利の反発→米ドルの買戻し→ドル円の(急)反発」を想定しておきたい。

米国の雇用統計 各項目の動向:月次 22年11月以降

米国の雇用統計 各項目の動向:月次 22年11月以降 ブルームバーグのデータで作成 / 赤バーチャートとドット:11月の市場予想

ドル円、今日の見通しとチャートポイント

さらに下値をトライする局面での焦点は?
今日のドル円(USD/JPY)は、上で述べた11月の米雇用統計でトレンドが左右される展開が予想される。アメリカ労働市場の軟化傾向が確認される場合は、「米金利の低下→米ドル安の進行→ドル円のさらなる下値トライ」を想定しておきたい。

このケースでは、3つの水準での攻防に注目したい。ひとつは、フィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準143.35レベルである。昨日は下ヒゲでこの水準を下方ブレイクしたが、ローソク足の実体ベースでは維持した(日足ローソク足)。本日、ドル円がこのテクニカルポイントを下方ブレイクする場合は、143円台を割り込む展開を想定しておきたい。

ドル円が142円台の攻防となる場合は、200日線(今日現在142.29レベル)の維持が焦点として浮上しよう。昨日の下落は、この移動平均線で止められた、と捉えることができる。

投機的な円高を止めた200日線をも下方ブレイクする場合は、フィボナッチ・リトレースメント76.4%の水準141.33レベルの攻防が焦点として浮上しよう。200日線と同じく、このテクニカルポイントも昨日の投機的な円高を止めた、捉えることができる。

ドル円のチャート:日足 23年7月以降

ドル円のチャート:日足 23年7月以降 TradingViewが提供するチャートで作成


上の日足チャートでストキャスティクスの動向を確認すると、現在は売られ過ぎの水準から反発のムードにある。そしてRSIは、売られ過ぎの水準で推移している。

昨日の日足ローソク足で長い下ヒゲが示現した状況も考えるならば、11月の米雇用統計が予想外に労働市場の堅調さを示す場合は、下で述べるレジスタンスの水準を視野に急反発の展開が予想される。

反発局面での焦点は?
昨日の急落の反動を受け、本日ドル円(USD/JPY)が反発する場合は、直近高安のフィボナッチ・リトレースメントの各水準での攻防に注目したい。

本日早朝に、23.6%戻しの水準144.04レベルを突破する局面が見られている。ゆえに目先の焦点は、38.2%戻しの水準145.55レベルのトライとなろう。

フィボナッチ・リトレースメントの攻防以外で注目したいのが145.00レベル、146.50レベルそして147.50レベルでの攻防である(下のチャート、3つの赤ラインを参照)。

ドル円が145円台へ難なく反発する場合は、上で述べた38.2%戻しの水準145.55レベルをトライするシグナルとなろう。

また、後者2つのチャートポイント(146.50レベルと147.50レベル)は、レジスタンスへ転換する可能性のある水準である。

短期レジスタンスラインが147円台で推移している状況も考えるならば、昨日の反動でドル円が急反発する展開となっても、147.50レベルで上値が止められる展開を想定しておきたい。

ドル円のチャート:日足 23年11月以降

ドル円のチャート:日足 23年11月以降 TradingViewが提供するチャートで作成

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