【ドル円】今日の見通しとチャートポイント
米金利の上昇基調を受け、外為市場では米ドル高が進行している。米ドル高のトレンドにサポートされ、ドル円(USDJPY)は150円台を目指す状況にある。今日の見通しは?注目しておきたいチャートポイントは?詳細はIG為替レポートをご覧ください。
サマリー
・米金利の先高観を受け、外為市場では米ドル高がさらに進行している
・ドル円が150円台の攻防へシフトする場合、注目しておきたい上値の水準について
・ドル円の反落局面では10日線(149円)の維持が目先の焦点に
FRB高官の言動と米金利の動向
米連邦準備理事会(FRB)のバー副議長は2日、政策金利について、インフレ率を長期的に2%に戻すのに十分制約的な水準、またはそれに非常に近い水準にある可能性が高いと述べた。また、より大きな問題は、金利がどの程度の間高止まりする必要があるのかであると指摘した。
一方、ボウマン理事は、インフレ率を適時に2%に戻すには、複数回の利上げが必要になる可能性を予想していると述べた。
政策金利をしばらくの間高水準で維持する必要性や情勢次第で追加利上げの可能性を示唆する要人の発言が相次いだことは、米金利の先高観を高める要因である。
事実、昨日の米債市場では、金融政策の方向性を織り込んで動く2年債利回りが、再び5.1%の水準へ反発した。
一方、10年債利回り(長期金利)は、2007年10月以来となる4.7%へ到達する局面が見られた。
米金利のチャート:日足 2006年以降
さらに進行する米ドル高トレンド
インフレ抑制重視の姿勢を維持し、パウエルFRBが政策金利を長期にわたり高水準で維持する可能性が意識されていることで、短期的に米金利は現在の上昇トレンドを維持するか、低下しても高止まりの状況が続く可能性がある。
原油先物価格の動向も米金利のさらなる上昇、または低下を阻む要因になり得る。この点についてはボウマンFRB理事も、エネルギー価格の高騰によりここ数カ月におけるインフレ抑制の進展の一部が逆行する継続的なリスクがある、と指摘した。
米金利の上昇基調を受け、昨日の外為市場は米ドル高優勢の展開となった。米ドル相場のトレンドを示すドルインデックス(DXY)は、昨年11月30日以来となる107.00ポイント台へ到達する局面が見られた。テクニカルの面では上昇基調のトレンドチャネルを維持し、MACDは米ドル高トレンドの強さを示唆する状況にある。
米ドル高を調整する反落の局面は見られるだろう。しかし、現在の米金利の動向と先高観の高まりを考えるならば、短期的に米ドル高トレンドの進行を意識する状況が続いている。
ドルインデックスのチャート:日足 22年11月以降
ドル円、今日の見通しとチャートポイント
150円台への上昇を意識する状況が続く
日本の長期金利は0.77%台まで上昇している。今日は一時0.78%を付ける局面が見られた(ブルームバーグのデータ)。
しかし、米長期金利の上昇幅が拡大していることで、日米の利回り格差は拡大の傾向を維持している。
この動きに連動し、ドル円(USD/JPY)は節目の150.00レベルをトライする状況にあり、昨日は高値149.87レベルまで上昇した。
米金利の上昇基調と先高観を考えるならば、ドル円が150円台の攻防へシフトする展開を意識する状況が続いている。
日米の利回り格差とドル円のチャート:日足 23年3月以降
150.30レベルの攻防に注目
ドル円(USD/JPY)が150円台へ上昇する場合、テクニカル面での焦点は、IG為替レポートで注目しているフィボナッチ・エクステンション50.00%の水準151.90レベルのトライとなろう(週足チャートを参照)。
ドル円のチャート:週足 21年以降
ドル円が151.90レベルを目指すシグナルとして、目先はフィボナッチ・エクステンション76.4%の水準にあたる150.35レベルの水準を突破できるかどうか?この点を確認したい(4時間足チャートを参照)。
4時間足チャートの各フィボナッチ・エクステンションの水準を確認すると、61.8%の水準は節目の150.00レベルにあたる。そして100.00%の水準は150.91レベルにあり、151.00レベルがレジスタンスとして意識される可能性を示唆している。
上で述べた上値の水準をトライするシグナルの一つとして、150円台へ上昇した後の反落局面で、150.00レベルがサポートの水準へ転換するかどうか?この点も重要な焦点となろう。
ドル円のチャート:4時間足 9月20日以降
反落の局面では149円台の維持が焦点に
一方、ドル円(USD/JPY)の反落局面では、先月29日に相場をサポートした10日線の維持が焦点となろう。この移動平均線は今日現在、148.97レベルまで上昇している。このためテクニカルの面では、149.00レベルの維持が注目される。
ドル円が10日線を下方ブレイクする場合、次の焦点は21日線の攻防となろう。この移動平均線は148円台へ上昇しており、今日現在148.17レベルで推移している。先月29日の安値148.52レベルの下方ブレイクは、21日線をトライするシグナルと想定しておきたい。
ドル円のチャート:日足 23年3月以降
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