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豪ドル円はさらなる上値トライを意識する局面に

豪準備銀行(RBA)は6日の政策決定会合で予想外の利上げを決定した。また、インフレを抑制するために追加利上げの可能性も示唆した。日米の株式市場が底堅さを維持している状況も考えるならば、豪ドル円はさらなる上値のトライを想定しておきたい。目先、注目しておきたいチャートポイントは?詳細はIG為替レポートをご覧ください。

出所:ブルームバーグ 出所:ブルームバーグ

サマリー

・豪準備銀行(RBA)が予想外の利上げを決定し、豪ドル相場が全面高の展開に
・日米の株高とRBAによる追加利上げの可能性は豪ドル円のさらなる上昇要因となろう
・豪ドル円の上昇局面ではリトレースメント61.8%と76.4%の各水準のトライが焦点に
・豪ドル円の反落局面では3つのチャートポイントの攻防に注目したい


予想外の利上げで豪ドル相場が全面高の展開に

6日の外為市場では、米ドル相場や円相場に明確な方向感が見られなかった一方で、豪ドル相場は全面高となった。その要因となったのが、豪準備銀行(RBA)の利上げだった。

RBAはこの日の政策決定会合で5月に続き0.25ポイントの利上げを決定した。今回の利上げにより、政策金利であるオフィシャル・キャッシュレートの誘導目標は11年ぶりの高水準となる4.1%まで引き上げられた。

また、RBAはインフレ抑制重視の姿勢を示し、追加引き締めが幾分必要になる可能性も示唆した。

豪ドル相場の動向:6月6日

豪ドル相場の動向:6月6日 ブルームバーグの為替データをもとに作成 / 基準日:6月5日

日米の株高と豪ドル円の上値トライ

米国の株式市場ではある変化が見られる。それは、小型株の指標であるラッセル2000指数(RUT)の上昇幅が拡大していることだ。相場の変調を先取りする「炭鉱のカナリア」として注目されるラッセル2000指数は今月に入り6%超上昇し、主要なアメリカの株価指数の中でも上昇率が抜きん出ている。

日本株が連日で高値を更新しているタイミングでラッセル2000指数の上昇が続けば、リスク選好度合い(株高ムード)のさらなる高まりを示唆するシグナルの一つとなろう。

豪ドル相場は、リスク資産価格と連動する特性がある。日米株式が上昇トレンドにある中で、RBAによる追加利上げの可能性までが浮上している状況も考えるならば、豪ドル円(AUDJPY)は、短期的に上値をトライすることが予想される。

アメリカ株価指数のパフォーマンス:月初来

アメリカ株価指数のパフォーマンス:月初来 ブルームバーグの株価データをもとに作成 / 基準日:5月31日

豪ドル円、目先の展望とチャートポイント

レジスタンスポイントの93.00をブレイクアウト

豪ドル円(AUDJPY)の上昇シグナルは、日足チャートでもうかがえる。

今年の前半に93.00レベルがレジスタンスポイントとして意識される局面が見られた。しかし、3月24日に86円台の維持に成功すると短期サポートラインを形成しながら、昨日93.00レベルを大陽線で一気に突破した。

MACDではゴールデンクロスが示現し、豪ドル円の地合いの強さを示唆するシグナルが点灯している。

日米株高の調整などで豪ドル円が反落する場合は、レジスタンスポイントとして意識された93.00レベルや92.50レベルでのサポート転換、または過去にレジスタンスとして相場の上昇を止める局面が見られた200日MA(今日現在91.76レベル)が、今後は豪ドル円をサポートするかどうか?を確認したい。

上で述べたチャートポイントで相場が反転する場合は、豪ドル円の地合いの強さを市場参加者に印象付けよう。

豪ドル円が200日MAを下方ブレイクしても、現在の上昇トレンドを象徴する短期サポートラインを維持する限り、豪ドル円の上値トライを想定しておきたい。

豪ドル円の日足チャート

豪ドル円の日足チャート Tradingviewの日足:年初来

次の上値ポイントは?

豪ドル円(AUDJPY)の上昇幅が拡大する場合、次の上値ポイントはフィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準93.86レベルとなろう。

今年入り21日MAとの乖離率が2%付近まで拡大すると、豪ドル円は反落するパターンが見られる。現在の乖離率はその2%付近である。ゆえに豪ドル円が続伸する場合は、93.86前後で一度反落する展開を想定しておきたい。

一方、豪ドル円が93.86レベルを突破する場合は、95.00レベルを視野にさらなる上値トライを想定しておきたい。95.00をトライするシグナルとして、昨年の11月中旬に相場の戻りを止めた94.50レベルを突破できるかどうか?この点に注目したい。

豪ドル円が95円台の攻防へシフトする場合は、フィボナッチ・リトレースメント76.4%の水準95.71レベルのトライおよびブレイクアウトが焦点として浮上しよう。この水準は、昨年の10月下旬にレジスタンスポイントとして意識された経緯がある。61.8%の水準以上に、レジスタンスポイントとして意識される可能性があろう。

豪ドル円の日足チャート

豪ドル円の日足チャート Tradingviewの日足:22年9月以降

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