豪中銀がサプライズ利上げ 物価上昇「高すぎる」 1円超の豪ドル高
オーストラリアの中央銀行が2日の理事会で利上げを決めた。事前予想を裏切るサプライズで、豪ドル円相場では1円以上の豪ドル買いが進んだ。
オーストラリアの中央銀行であるオーストラリア準備銀行(RBA)が2日の理事会で政策金利の0.25%引き上げを決めた。事前予想では政策金利を据え置くとの見方が多かった。RBAは声明で「オーストラリアにおける物価上昇はピークを過ぎたが、7%は依然として高すぎる」としている。豪ドル円相場(チャート)はRBAのサプライズ利上げを受けて、円安豪ドル高方向へ1円以上動いた。
物価上昇率の目標達成まで時間
RBAは4月は利上げを見送り、連続利上げは10回で途絶えていた。RBAは今回の声明文で、最近の経済指標は歓迎すべき物価上昇率の低下がみられると分析しつつ、目標とする2-3%まで下がるには2025年半ばまでかかる見通しであることも指摘。「高い物価上昇率は人々の生活を困難にし、経済の機能を損なう」としたうえで、高い物価上昇率が人々の予測に浸透してしまえば、物価上昇率を引き下げるためにさらに高い金利が必要になるおそれがあるとしている。今後については「いくらかの追加的な金融引き締め」も示唆している。
オーストラリア統計局が4月26日に発表した1-3月期の消費者物価指数の伸び率は7.0%で、2022年10-12月期の7.8%から落ち着いていた。同時に発表された月次の数字では、2023年3月の伸び率は6.3%で、こちらも2022年12月の8.4%をピークとして3か月連続での減少となった。ロイター通信が4月26-28日に行ったエコノミスト調査では、34人中26日が今回の理事会での利上げ見送りを予想していた。
豪ドルの対円相場は日本時間2日午後1時30分の声明発表後、1豪ドル=92.4円程度まで上昇した。声明発表前の水準(91.2円程度)から1円以上の円安豪ドル高が進んだ形だ。その後はやや水準を下げている。
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