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トランプ発言で円高進行 中銀イベントにらみの南アフリカランド 南アランド円は下落を警戒

18日に南アフリカ準備銀行(SARB)が金融政策委員会を開く。同国のインフレは鈍化 / 抑制の傾向にあり、政策金利は現行の8.25%での据え置きが予想されている。今回の会合の焦点は、インフレ見通しにある。SARBがインフレの鈍化に自信を示す場合は、ランド売りが予想される。南アフリカランド円の展望は?注目のチャート水準は?

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この記事のポイント

・18日に南アフリカ準備銀行(SARB)が金融政策委員会を開く
・中銀のインフレ見通しが、南アフリカランドの変動要因となろう
・インフレの鈍化に自信を示す場合は、南アランド売りを想定しておきたい
・トランプ発言で高まる円高のムード、南アランド円のチャート水準について


南アフリカランド円のチャート水準

上値の水準(レジスタンス)

・8.76レベル:21日線
・8.63レベル:レジスタンスの水準
・8.59レベル:50日線

下値の水準(サポート)

・8.50レベル:サポート水準
・8.46レベル:リトレースメント61.8%
・8.40レベル:サポート水準
・8.34レベル:リトレースメント76.4%


南アフリカ中銀イベントの焦点

政策金利は据え置き予想

本日、南アフリカ準備銀行(SARB、中央銀行)が金融政策委員会を開く。同国のインフレは鈍化 / 抑制の傾向にあるため、7会合連続で政策金利(レポレート)は現行の8.25%で据え置かれる公算が大きい。

南アフリカのインフレと政策金利の動向:2019年以降

南アフリカのインフレと政策金利の動向:2019年以降 ブルームバーグのデータで筆者が作成

焦点はインフレの見通に

今回の南ア中銀イベントの焦点は、インフレの見通しにある。ハニャホ中銀総裁は5月会合後の記者会見で、インフレのリスクはおおむね均衡していると述べた。しかし、その一方でインフレ期待は高水準にあるとし、引き続きインフレの動向を注視する姿勢を示した。

インフレ予想に関する経済調査局の調査によれば、鈍化の傾向を辿る見通しにある。インフレ率が鈍化 / 抑制の傾向にあることも考えるならば、南ア準備銀行はインフレ圧力の後退に自信を示す可能性がある。このケースでは、南アランド売りを予想する。

南アフリカのインフレ予想と政策金利の動向:2019年以降

南アフリカのインフレ予想と政策金利の動向:2019年以降 ブルームバーグのデータで筆者が作成

南アフリカランド円の見通し

トランプ発言で一気に高まる円高のムード

米大手メディアのブルームバーグは17日、米共和党の大統領候補に選ばれたトランプ氏とブルームバーグ・ビジネスウィークとの単独インタビューについて報じた。同氏は円安について「大きな通貨問題」と指摘したという。

また、河野太郎デジタル相もブルームバーグテレビジョンのインタビューで、円安是正の必要性について言及した。

日米要人の発言を受け、17日の外為市場は対主要通貨で円高一色の展開となった。18日の東京時間も円高優勢となり、ドル円(USD/JPY)は155.37レベルまで下落する局面が見られた(本レポート掲載時点)。

円相場の動向:7月17日

円相場の動向:7月17日 ブルームバーグの為替データで作成

さらなる下値のトライを警戒する局面に

ドル円(USD/JPY)の下落に追随し、南アフリカランド円(ZAR/JPY)は「サポート転換」が確認された8.63レベルだけでなく、50日線(今日現在8.59レベル)をも下方ブレイクする状況にある。また、日足のMACDはデッドクロスの状況へ転じ、かつゼロラインを視野に低下幅が拡大している(下の日足チャート、赤矢印を参照)。

この状況で今日の中銀イベントが南アフリカランドの売り要因となれば、南アランド円はさらなる下値トライを警戒したい。

南アランド円:日足 今年3月以降

南アフリカランド円:日足 今年3月以降

出所:TradingView

注目のサポート水準

本日、南アフリカランド円(ZAR/JPY)が下値をトライする局面でまず注目したいのが、8.50レベルの攻防である。18日東京時間の下落局面では、8.540まで下落する局面が見られた。

中銀イベントで南アフリカランド円が8.40台へ下落する場合は、フィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準8.46レベルのトライを想定しておきたい。この水準の下方ブレイクは、8.40をトライするシグナルとなろう。

南アフリカランドの売りにさらなる円高の進行が重なる場合、南アランド円は今週中にフィボナッチ・リトレースメント76.4%の水準8.34レベルまで下落する可能性が高まろう。

南アランド円:4時間足 5月下旬以降

南アランド円:4時間足 5月下旬以降

出所:TradingView

反発の局面での焦点は?

日足のRSIは低下のトレンドが一服している。ゴールデンクロスが確認される場合は、急落後の一時的な反発相場を想定しておきたい。南ア準備銀行が引き続きインフレ再燃のリスクを注視する姿勢を示す場合は、南アフリカランドの買戻し要因になり得る。

南アフリカランド円(ZAR/JPY)の反発の局面では、8.59レベルで推移している50日線の突破が最初の焦点となろう(下の日足チャート、緑ラインを参照)。現在はこの移動平均線がレジスタンスラインとして意識されている。

南アフリカランド円が8.6台へ反発する場合は、8.63レベルの攻防が次の焦点として浮上しよう。この水準はサポートの水準としてもレジスタンスの水準としても意識された経緯がある。今は「レジスタンス転換」を意識する局面にある。

南アフリカランド円が8.63レベルの攻防を制しても、21日線が控えている。この移動平均線は今日現在、8.76レベルで推移している(下の日足チャート、青ラインを参照)。

日足チャートで21日線の攻防を確認すると、16~17日にかけてレジスタンスのラインとして相場の上昇を止めたことが分かる(下の日足チャート、青矢印を参照)。そしてトレンドが下向きになりつつある状況は、弱気相場へ転じる可能性を示唆している。

南アフリカランド円が50日線や8.63レベルを突破しても、21日線で反発が止められる展開を想定しておきたい。

再掲:南アランド円:日足 今年3月以降

南アフリカランド円:日足 今年3月以降

出所:TradingView


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