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ポンド円の底堅さを支えている要因と注目のチャートポイントについて

日米の株安を受けてもクロス円の中でポンド円は堅調地合いしている。ポンド円が底堅さを維持している背景には何があるのか?そして、目先注目しておきたい上下のチャートポイントは?詳細はIG為替レポートをご覧ください。

出所:ブルームバーグ 出所:ブルームバーグ

※6月米雇用統計後のドル円の見通しについてはこちらのレポートをご覧ください


サマリー

・日英利回り格差に連動しポンド円は184円をトライする状況が続いている
・日銀が政策の修正を行わない限りポンド円は上値をトライし続ける可能性が高い
・しかしさえない英経済指標や株安はポンド円の下落要因となろう
・注目しておきたいポンド円のチャートポイントについて


ポンド円と日英の利回りの関係

6日の外為市場では日米株安の下落を受け、円を買い戻す動きが強まった。しかし、ポンド円(GBPJPY)は182円台の維持に成功し、レジスタンスとして意識されている184円をトライする状況が続いている。

日米株安を受けてもポンド円が高値圏での攻防を維持している主因は、日英中銀の金融政策スタンスの差にあると考えられる。

この点について日英の国債利回りとポンド円の関係(トレンド)で確認すると、英国では高インフレの状況が続き同国の2年債利回りが2008年7月以来となる5%台へ上昇している。10年債のそれも昨日、2008年以来となる4.6%台へ上昇した。英金利の上昇幅が拡大していることを受け、日英の利回り格差は拡大傾向を辿っている。

ポンド円は日英の利回り格差の拡大、特に日英2年債利回り格差の拡大に連動し、上昇トレンドを描いていることが下のラインチャートで確認できる。

日英の国債利回りとポンド円のチャート

日英の国債利回りとポンド円のチャート ブルームバーグのデータをもとに作成 / 日足:年初来

ドル円とポンド円の関係

現在のポンド円(GBPJPY)は、ドル円(USDJPY)とポンドドル(GBPUSD)、どちらの動きに影響を受けているのか?この点を相関係数で確認すると、23年に入りポンド円とドル円の相関性がより高まっていることが下の相関マトリクスと散布図のチャートが示している。

まず、相関マトリクスで相関係数を確認すると、昨年のドル円とポンド円の相関係数は「0.49」だった。一方、23年のそれは「0.65」まで拡大している。

対照的にポンド円とポンドドルの相関係数は、0.54(22年)から0.4(23年)へ低下している。

ポンド円とドル円、ポンド円とポンドドルの相関マトリクス

ポンド円とドル円の相関マトリクス ブルームバーグの為替データをもとに作成

※2022年:22年1月3日~12月30日 / 対数差分の相関係数 / データ数:259
※2023年:23年1月2日~7月6日 / 対数差分の相関係数 / データ数:133

そして散布図でデータのバラつきを確認すると、ポンド円とドル円のバラつきは回帰線の傾きに沿うように密集している(バラつきが小さいほど両者の相関性が高いことを示唆している)。一方、ポンド円とポンドドルのそれらはバラつきが大きい(バラつき大きいほど両者の相関性が低いことを示唆している)。

ドル円も日米中銀の金融政策スタンスの差が意識され、日米利回り格差の拡大に沿って145円をトライする状況にある。そのドル円との相関性が高まっている状況も、日英中銀の金融政策スタンスの差が今のポンド円に大きな影響を与えていることを示唆している。

ポンド円とドル円、ポンド円とポンドドルの散布図

ポンド円とドル円、ポンド円とポンドドルの散布図 ブルームバーグの為替データをもとに作成 /23年1月2日~7月6日 / 対数差分の相関係数 / データ数:133

予想ターミナルレートは6.5%まで上昇

短期金融市場(OIS市場)では、英中銀(BOE)が今年中に政策金利を6.5%まで引き上げることを織り込み始めている(現在の政策金利は5.0%)。

つまり、残りあと4回の金融政策委員会(MPC)すべてで英中銀は利上げを行うこと、そのうち2回は0.5%の大幅利上げ行う可能性が高いことを短期金融市場の参加者は想定していることになる。

上で述べた日英利回り格差の拡大に連動しているポンド円(GBPJPY)の状況も考えるならば、7月27-28日の日銀金融政策決定会合で植田日銀が金融政策(イールドカーブ・コントロール)の修正を見送る場合、ポンド円は株安などの理由で調整の反落を挟みながら、新たなレジスタンスの水準を探る状況が続くことが予想される。

英政策金利の予想推移

英政策金利の予想推移 ブルームバーグのデータをもとに作成 /7月 7日 13時時点

注目しておきたいチャートポイントは?

上値トライの局面では1円レンジで新たなレジスタンスの水準を探る展開に

ポンド円(GBPJPY)が上値をトライする局面で目先注目すべきは、レジスタンスとして意識されている184.00レベルのトライおよびブレイクアウトである。

ポンド円が184円台へしっかりと上昇する場合は185.00レベル、2015年12月の高値186.37レベルと、約1円レンジで新たなレジスタンスの水準を探る状況となろう。

ポンド円は変動幅が拡大しやすい通貨ペアである。ゆえに、上で述べたチャートポイントを一気にブレイクアウトする場合は、2015年11月の高値188.81レベルや同年6月の高値195.88レベルなど、過去に相場の上昇を止めた水準での攻防に注目したい。

ポンド円のチャート:月足

ポンド円のチャート:月足 IGチャート:2015年以降


下落局面では180円台の維持が焦点に

一方、さえない英経済指標によるポンド売りや、昨日のように日米株安が同時に発生する場合は、ポンド円(GBPJPY)の下落を想定しておきたい。

このケースでは、6月下旬に相場をサポートした180.00レベルをレンジの下限と想定し、その上の水準で確認されたいくつかのサポートポイントでの攻防に注目したい。

最初のサポートポイントの候補は、“サポート転換”が確認されている182.15レベルである。この水準の攻防は、182円台を維持する攻防でもある。

ポンド円が181円台の攻防へシフトする場合は、フィボナッチ・リトレースメント23.6%の水準181.74レベルのトライおよびブレイクアウトが次の焦点として浮上しよう。先月23日の東京時間から翌週26日の欧州タイム中盤までポンド円はこの水準でサポートされた経緯がある。

ポンド円が181円台をも下方ブレイクする場合は、180円台の維持が焦点として浮上しよう。テクニカルの面ではフィボナッチ・リトレースメント38.2%の水準180.33レベルの攻防に注目したい。このテクニカルポイントの下方ブレイクは、180.00をトライするシグナルと想定しておきたい。

ポンド円のチャート:4時間足

ポンド円のチャート:4時間足 IGチャート:23年6月以降

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