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米CPI後に円急伸 ドル円157円台へ急落 介入観測も神田財務官「コメントせず」 今日の見通し

11日の外為市場で円相場が急伸した。ドル円(USD/JPY)は一時、157円台まで急落する局面が見られた。FRBの利下げとその影響により米ドル相場の潮目が変化する可能性が高まるなか、ドル円はテクニカルの面で重要な分岐点に差し掛かっている。今日の見通しは?注目のチャート水準は?

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この記事のポイント

・11日の外為市場で円相場が急伸、ドル円は一時157円台へ急落
・米CPIによる米ドル売りの他、円買い介入の観測もある
・ドル円は50日線とサポートラインの維持に成功、今日の見通しについて
・FRBの政策転換を意識する外為市場、潮目の変化を意識する局面に


円相場が急伸、ドル円は2%を超える急落

11日の外為市場で円相場が急伸した。対主要通貨のパフォーマンスを確認すると、 昨日は総じて円高となったことが分かる。

ドル円(USD/JPY)は一時157.42レベルまで急落し、下落率は2.5%に達する局面が見られた。

円相場の動向:7月11日

円相場の動向:7月11日 ブルームバーグの為替データで筆者が作成

米CPIはインフレ鈍化を示唆

米労働省が11日に発表した6月の消費者物価指数(CPI)は、前月比で0.1%下落した。同比のコア指数は+0.1%だった。一方、トレンドを示す前年同月比の上昇率は+3.0%、同比のコア指数は+3.3%だった。

6月CPIは、アメリカのインフレが鈍化の傾向にあることを示唆する内容となった。

アメリカ消費者物価指数(CPI)の動向:23年6月以降

アメリカ消費者物価指数(CPI)の動向:23年6月以降 ブルームバーグのデータで筆者が作成

FRBの9月利下げと日米利回り格差の縮小

6月の米雇用統計で労働市場の軟化が示唆されたこともあり、短期金融市場では米連邦準備制度理事会(FRB)が9月の連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げに踏み切る確率を90%前後まで織り込む状況にある。

9月利下げ期待の高まりを受け、米債市場では10年債利回り(長期金利)が一時4.165%と、今年3月13日以来の水準まで低下する局面が見られた。

2年債利回りなど、他の年限の米金利も低下したことを受け、今年の5月以降、縮小のトレンドへ転じている日米の利回り格差が、さらにそのムードを強めている。

日米利回り格差の動向:年初来

日米利回り格差の動向:年初来 ブルームバーグのデータで筆者が作成

ドル円、今日の見通しとチャート分析

50日線と短期サポートラインの維持

ドル円(USD/JPY)は昨日、一時157.42レベルまで急落し下落率が2.5%に達した。

昨日の動きで筆者が注目したのが、50日線とサポートラインの攻防である。不意打ちの円高を見事に止めたのが、50日線である(今日現在157.75レベル、下のチャート緑矢印を参照)。その結果、現在の上昇トレンドを象徴するサポートラインの維持に成功した。

また、11日の日足ローソク足では長い下ヒゲが確認され、サポートラインへ転換する可能性のある「158.00」レベルをローソク足の実体ベースで維持することに成功した。

これら一連の動きを総合的に考えるならば、チャート分析の観点でドル円は未だ上昇トレンドを維持する状況にある。

しかし、下で述べる反発局面での動向次第では、ドル円の調整相場を意識する必要があろう。

21日線と160円の突破なるか?

本日、ドル円(USD/JPY)が反発する場合は、21日線の攻防に注目したい。この移動平均線は今日現在、159.95レベルで推移している(下のチャート、青ラインを参照)。

21日線が相場の反発を止める場合は、160円台への反発を止めたことを意味する。162.00レベルから上値の水準が切り下がるだけでなく、心理的な節目である160.00レベルの「レジスタンス転換」は、チャート分析の観点でドル円の潮目が変わるシグナルの一つになり得る。

ドル円のチャート:日足 昨年12月以降

ドル円のチャート:日足 昨年12月以降

出所:TradingView

160.00レベルは、6月米CPI前後の高安フィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準にあたる。テクニカルの面でも160.00付近の攻防は、ドル円が再び162.00レベルをトライするかどうかを見極めるための重要な水準となろう。

本レポートの掲載時点では、すでに38.2%の水準「159.00」レベルを突破する状況にある(下のチャートを参照)。

このまま半値戻しの水準「159.51」レベルを完全に突破する場合は、上で述べた160.00レベル(21日線)の攻防を意識したい。

分足のストキャスティクスとRSIを軸に相場の過熱感を確認しながら、これらオシレーター指標が買われ過ぎの水準へ到達する局面で、ドル円が上で述べた上値のチャート水準をトライする場合は、反落相場を警戒したい。

特に21日線や160.00レベルをトライする局面で、オシレーター指標がデッドクロスの状況にある場合は、ドル円の下落を警戒したい。

ドル円のチャート:15分足 米CPI発表後の動向

ドル円のチャート:15分足 米CPI発表後の動向

出所:TradingView


ドル円、今日のチャートポイント

上値の水準(レジスタンス)

・160.00:心理的節目、61.8%戻しの水準
・159.95:21日線
・159.51:半値戻しの水準

下値の水準(サポート)

・158.00:サポート水準
・157.75:50日線
・157.42:7月11日の安値


潮目の変化を確認する状況に

6月の米雇用統計では、労働市場の軟化が示唆された。半期に一度の議会証言に臨んだ米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は、労働市場の冷え込みについて言及した。そして6月CPIではインフレが鈍化の傾向にあることが確認された。

これら一連の動向を受け、短期金融市場では現在、9月利下げの可能性が強く意識され、米債市場では利回りが低下のトレンドへ転じている。そして外為市場では、米ドル安の圧力がじわりと高まっている。

米ドル相場の大まかなトレンドを示すドル指数(DXY)は、重要なサポート水準「104.00」を視野に下落幅が拡大している(下のチャート、赤矢印を参照)。

ドル指数がこのサポート水準(104.00)をも一気に下方ブレイクすれば、米ドル高から米ドル安へ転じる潮目の変化を市場参加者に意識させる一因となろう。

ドル指数のチャート:日足 今年3月以降

ドル指数のチャート:日足 今年3月以降

出所:TradingView


今日の注目材料は米PPI

今日は6月の米生産者物価指数(PPI)が発表される。市場予想を確認すると、コア指数でインフレの粘着性が示される可能性がある。

6月のCPIに続きインフレが鈍化の傾向にあることを示す場合は、米金利のさらなる低下が予想される。外為市場では米ドル安が進行するだろう。

現在、日米の利回り格差とドル円(USD/JPY)との相関関係は崩れている。しかし、米金利の低下は米ドル安の圧力を高める要因である。事実、昨日は米ドル安優勢の展開となった。

現在の外為市場では根強い円安が続いているが、米ドル安の進行が円安の相殺要因となれば、ドル円と日米の利回り格差が本来の相関関係へ回帰する展開が予想される。

ドル指数(DXY)は米ドル相場の潮目が変化する可能性を示唆する動きを見せている。米ドル安の進行でドル円の潮目が変化するのかどうか?この点を見極めるために、今後もインフレと雇用に関連した経済指標の内容と、これらに対する米金利の反応を常にチェックしておきたい。

アメリカ生産者物価指数(PPI)の動向:23年6月以降

アメリカ生産者物価指数(PPI)の動向:23年6月以降 ブルームバーグのデータで作成 / 赤の棒グラフとドット:6月の市場予想

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