好決算により安川電機の株価が上昇
安川電機の株価は、1月10日の好調な決算発表を受けて急騰した。世界的に加速する電気自動車(EV)の普及が安川電機のロボット事業をリードした。
安川電機(6506)の株価が、2023年2月期第3四半期連結決算の発表を受けて上昇している。1月10日の決算発表では、売上高が前年同期比14%増の4075億円に、当期純利益が前年同期比20.6%増の374億円に増加した。決算を受け同社の株価は同日2.2%上昇し、翌11日にはさらに6.3%上昇した。
安川電機の紹介
安川電機は1915年に設立され、当初は炭坑用電気品を製造していた。1977年に完成した同社を代表するロボット「MOTOMAN-L10」は、現在の産業用ロボットの礎となっている。
2012年、同社初の海外ロボット生産拠点が中国・常州市に設立された。また、2015年には、創業100周年を記念して北九州本社を再編し、「ロボット村」をオープンした。村のイノベーションセンターは、来客者に加え、学生、教育機関、地域住民に、ものづくりやロボット技術のすばらしさを届ける役割を担っている。
安川電機の主な事業は電気機器の製造、販売、取り付け、メンテナンス、エンジニアリングである。同社の事業は、モーションコントロール、ロボット、システムエンジニアリングの3分野に分けられる。
モーションコントロール事業では、電子部品や半導体部品に使用されるACサーボ・コントローラを製造している。また、同社のインバータは、HVAC(暖房、換気、空調)、エスカレーター、エレベーターなどに使用されている。ロボット部門では、アーク・スポット溶接ロボット、塗装ロボットを含む産業用ロボットを製造している。システムエンジニアリング部門では、鉄鋼および水処理プラント用の電気システムを製造している。同社はこのほかに、物流事業も手掛けている。
加速する電気自動車(EV)の普及が安川電機のロボット事業をリード
安川電機のロボット事業では、自動車関連市場向けに多関節ロボットを供給し、自動車の溶接・塗装・組み立ての自動化に貢献している。そのため、同社では自動車産業をロボット事業の重要な市場として位置付けている。世界的に電気自動車(EV)の普及が加速し、新規設備投資が活発化していることから、ロボット事業の売上高は前年同期比23.5%増、営業利益は50.3%増となった。また、日本および韓国における半導体の売上も好調だった。
EVやリチウムイオン電池分野への投資は、中国を中心に世界的に拡大している。昨年は中国のゼロコロナ政策に伴い、設備投資全体が減速した。しかし、多くの投資家は今後、中国の入国再開による設備投資の回復を期待している。
また、グループの業績は半導体などの部品不足による生産制約(供給制約)から伸び悩んでいた。しかし昨年度の後半には供給が増え、好調な受注によって増収となった。全体として、同社の通期業績予想には変更はないが、為替レートの前提を対米ドルで140円から130円へ変更した。
安川電機の株価は2021年12月の5,625円をピークに、過去12か月で18.8%下落している。直近の株価は4,700円前後で、52週間ぶりの高値である5,620円にはまだ届いていない。
本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありません。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。 無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。
リアルタイムレート
- FX
- 株式CFD
- 株価指数CFD
※上記レートは参考レートであり、取引が保証されるものではありません。株式のレートは少なくとも15分遅れとなっております。