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ドル円150円割れ 東京都区部の物価上昇で日銀の追加利上げ期待高まる 今日の見通し

11月の東京都区部CPIの伸び率(前年同月比)が予想を上回った。日銀の追加利上げ期待が高まり、29日の東京市場で円高が進行。ドル円は節目の150円を下方ブレイクした。相場の戻りも弱く、目先は新たな下値の模索が続くだろう。注目のサポートラインは?

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円高進行、ドル円が節目の150円割れ

29日の東京時間にドル円(USD/JPY)が節目の150円を下方ブレイクし、10月21日以来となる149円台へ下落した。レポート掲載時点での安値は149.76レベルである(IGレート)。

また相場の戻りも限定的で、150.40レベルがレジスタンスラインへ転換するムードにある。

ドル円のチャート:5分足

ドル円のチャート:5分足

出所:IGチャート / 29日午前7時~午後2時の動向

東京都区部の物価が上昇、高まる日銀の追加利上げ期待

ドル円(USD/JPY)が節目の150円をあっさりとブレイクした一因は円高の進行にある。本日の東京市場での円高を促したのが、11月の東京都区部消費者物価指数(CPI)の上昇とそれに伴う日銀の追加利上げ期待だった。以下に要点をまとめた。

・11月の東京都区部消費者物価指数(CPI)の伸び率が前年同月比で+2.6%と、ブルームバーグがまとめた市場予想の+2.2%を上回り、10月の+1.8%から伸びが加速した。変動の大きい生鮮食品除くCPIも同比+2.2%と、総合指数と同じく10月の+1.8%から伸びが加速した。

・都区部の物価上昇を受け、短期金融市場では日銀が12月の金融政策決定会合で追加の利上げに踏み切る確率が、前日の57%前後から60%台へ上昇した

日銀 政策金利の予想推移

日銀 政策金利の予想推移

ブルームバーグのデータで筆者が作成 /29日 13時時点

米FRBは12月に追加利下げか、縮小傾向の日米利回り格差がドル円の重石に

一方、今日のIGコモディティレポート「NY金、売り一服も市場の見通しは弱気に傾いている 今日の見通し」で述べたとおり、米連邦準備制度理事会(FRB)が12月の連邦公開市場委員会(FOMC)で追加の利下げに踏み切る可能性が高まっている。

日米中銀の金融政策に関する市場の見通しが真逆の状況にあることで、ドル円(USD/JPY)のトレンドを左右する日米利回り格差は縮小の傾向へ転じている。利回り格差の縮小は、米ドル安・円高を促している。

日米の利回り格差:日足 24年5月以降

日米の利回り格差:日足 24年5月以降

ブルームバーグのデータで筆者が作成


ドル円の見通し、目先は新たなサポートラインの見極めが焦点に

29日の外為市場では円買いと同時に調整の米ドル売りが続いている。円高と米ドル安が同時に進行している状況にあることを考えるならば、今のドル円(USD/JPY)は新たな下値の水準を模索する状況にある。注目のサポートラインを以下にまとめた。

・デッドクロスへ転じたMACDとゼロラインを下回っているモメンタムは、弱気相場の勢いが増していることを示している(日足の黒矢印を参照)

・本レポート掲載時点での安値149.76レベルを下方ブレイクする場合は、149円のトライが視野に入ろう。テクニカルの面では、半値戻しの水準149.20レベルの攻防に注目したい

・今日以降、149円をも下方ブレイクすれば、75日線を視野に下落幅の拡大を想定しておきたい。この移動平均線は今日現在、148.38レベルで推移している(日足)。すぐ下の148.20レベルは、フィボナッチ・リトレースメント38.2%の水準にあたる(日足)。148.20-30レベルをサポートゾーンと想定しておきたい

サポートライン

・149.76:11月29日の安値(レポート掲載時点、5分足)
・149.20:フィボナッチ・リトレースメント半値戻し(日足)
・148.38:75日線(日足)
・148.20:フィボナッチ・エクステンション38.2%戻し(日足)


ドル円(USD/JPY)は現在、弱気相場にある。ゆえに反発しても、その幅は限られる可能性が高いだろう。分足のMACDでトレンドを、RSIで短期的な相場の過熱感を確認しながら、今日は以下で取り上げているレジスタンスラインの攻防に注目したい。

・ドル円の反発局面では、151円台への再上昇が焦点となろう。151.20と151.40の水準は、レジスタンスラインへ転換する可能性がある(15分足)

・ドル円が151円を目指すサインとして、まずは150円割れ後の反発を止めた150.40レベルの突破が最初の焦点となろう。27日のNY時間に150.40台で反発した。この水準がレジスタンスラインへ転換すれば、地合いの弱さを市場参加者に印象付けよう(15分足の緑矢印を参照)

・一方、ドル円が150.40を突破する場合は、フィボナッチ・リトレースメントの半値戻しおよび61.8%戻しの水準をトライする展開を想定しておきたい。61.8%水準の突破は、151.00をトライするサインと捉えたい

レジスタンスライン

・151.00:レジスタンスライン
・150.88:フィボナッチ・リトレースメント61.8%戻し(15分足)
・150.68:フィボナッチ・リトレースメント半値戻し(15分足)
・150.40:レジスタンス転換の可能性あり(5分足、15分足)


ドル円のチャート

ドル円のチャート:日足 24年6月以降

ドル円のチャート:日足 24年6月以降

出所:TradingView

ドル円のチャート:15分足 11月27日以降

ドル円のチャート:15分足 11月27日以降

出所:TradingView


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