【2023年】注目の旅行関連株5選
旅行関連銘柄は新型コロナウイルス流行による影響から立ち直りつつあります。日本のオリエンタルランドから米国のマリオット・インターナショナルまで、時価総額と配当性向を基準に旅行株5選をご紹介します。
過去数年間、新型コロナウイルスの流行で苦境に立たされていた旅行株は再び上昇に転じています。
新型コロナウイルスに関する規制が緩和され、旅行関連銘柄の成長が期待される今、9月に取引を検討すべき旅行株5選をご紹介します。
旅行株を取引する理由
新型コロナウイルスの規制緩和が進み、旅行需要も新型コロナウイルス以前の水準に回復していることから、いくつかの旅行関連銘柄が大きく持ち直しています。この上昇傾向は、自粛期間中に叶わなかった旅行需要やそれに伴う余剰貯蓄によってもたらされています。
需要回復の大半は株価推移に反映されているものの、この需要は今後さらに増加する可能性があります。
経済が発展して個人の手取り収入が増すとともに、観光や旅行にかける費用の増加が予想されるため、旅行株は長期的な投資対象として魅力的な銘柄といえます。例えば、中国国民の観光への支出は、2008年の360億ドルから、2018年には2770億ドルに急増しました。他の新興国でも同様の流れが起こると予想されており、新たな旅行者層が海外旅行セクターに参入するでしょう。
日本の旅行関連銘柄は、日本経済特有の状況を背景に上昇する可能性があります。
米国のタカ派的な金融政策と債務上限問題の顕在化により、2023年に入ってドル高円安が進行しています。旅行代金が割安になったことを受け、日本の旅行関連銘柄の需要拡大が期待されています。
しかし、投資家やトレーダーは、旅行会社にとって逆風となる様々な要因に注意する必要があります。
第一に、インフレ率の上昇が、個人消費の回復を阻む要因となっています。インフレを抑制するために世界的に金利が引き上げられましたが、その効果は思わしくありません。
長期的には、気候変動に配慮した施策によるリスクが懸念されます。炭素排出量に関する目標がますます厳格化される中、旅行関連企業には事業を維持するための持続可能な方法を見出すことが求められます。とりわけ、航空機セクターにおいて、これは大きな課題となっています。
旅行株の取引方法
旅行株の取引にはいくつかの方法があります。
投資家は、旅行株の決算発表を企業の業績の指標とし、より広範なファンダメンタルズ分析の一部として見ることができます。また、他の銘柄と同様にテクニカル分析を用いて、トレーダーは取引の最適なエントリーポイント(ポジションを持つ場所)とエグジットポイント(ポジションを閉じる場所)を見極めることも可能です。
旅行セクターにとって、業界データもまた需要動向の指標として非常に重要です。空港旅客数データや観光支出に関する政府発表の数値は、セクターが予想を下回ったか上回ったかの指標となり、株価に影響を与えます。
初心者向け旅行株5選
以下では、9月に取引すべき旅行関連銘柄5選をご紹介します。
1. オリエンタルランド(4661)
オリエンタルランドは、東京ディズニーリゾートをはじめ、5つのディズニー関連ホテルやディズニー以外のホテルも経営しています。同社はまた、ショッピングモールやモノレールも運営しています。
新型コロナウイルスが収束を迎える中、2022年の来場者数は2200万人強まで回復しました。前年比ではほぼ倍増したものの、依然としてパンデミック以前に記録していた3000万人の平均値を大きく下回っています。
株価は入場者数が回復するとともに好調な伸びを見せており、8月23日までに年初来で32.25%上昇しています。最新の決算報告で、同社は第3四半期のEBITDAベースで過去2番目の売り上げを報告しました。
同社の時価総額は8月23日時点で8.4兆円、株価収益率(PER)は88.05倍でした。配当は株式分割に伴い1株当たり9円を予定しています。
2. ANAホールディングス(9202)
ANAホールディングスは、日本を代表する航空会社である全日本空輸(ANA)の親会社です。同社は国内線と国際線の航空サービスを提供しており、国際線路線網を積極的に拡大しています。
2023年に入ってから、同社は競合する日本航空を上回る評価額の伸びを記録しています。8月23日時点で、株価は年初来で18.25%上昇しました。同社の売上高は前年同期比31%増加しました。また、旅客収入は旅行需要の回復に伴い169%急増しています。
同社の時価総額は8月23日時点で1兆5,500億円、PERは14.57倍でした。2019年に配当を停止して以降、配当の開始時期は未定で、他の投資分野に重点を置いています。
3. 日本空港ビルデング(9706)
日本空港ビルデングは、首都圏に位置する成田国際空港や羽田空港などを中心に日本の主要空港の運営と管理を行っています。同社はまた空港運営益に加え、空港内の物品販売事業、飲食事業なども手掛けています。
中国が8月に訪日団体旅行の渡航制限を緩和したことを受けて、同社の株価は上昇しています。8月23日時点の株価は年初来で6.81%上昇しており、時価総額は6,559億円、PERは284.40倍でした。同社は2023年3月に1株当たり16円の期末配当を実施しました。
4. ブッキング・ホールディングス(BKNG)
ブッキング・ホールディングスは、ホテル、ヴィラ、アパートなどの宿泊予約を顧客に仲介する大手旅行会社です。
同銘柄はより幅広い観光セクターの動きに連動します。2023年に入ってから株価は回復しており、8月23日までに年初来で53.75%上昇しました。同社は株式を保有する投資家に利益をもたらす一方で、配当金は支払っていません。
同日の時価総額は1097億ドル、PERは26.74倍でした。
5. マリオット・インターナショナル(MAR)
マリオット・インターナショナルは世界最大級のホテル運営会社で、世界中に拠点を持ち、多種多様な客層にサービスを提供しています。同社は2016年にスターウッド・ホテル&リゾートを買収し、世界有数のホテルグループとしての地位を固めました。現在では、8,500軒以上のホテルを保有しており、数十万室のホテルが計画段階にあります。
8月23日時点の株価は年初来で37.6%上昇しています。新型コロナウイルスによる影響からの継続的な立ち直りを背景に、同社は最新の四半期決算で13.8%の増収を発表しました。
同日の時価総額は608億ドル、PERは23.03倍でした。同社は1株当たり0.52ドルの四半期配当(9月29日支払い)を発表しています。
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