トヨタ、減収減益見通し 5日決算 販売不振も円安水準は安心材料
トヨタの10-12月期決算は減収減益の見通し。販売台数の不振が背景だ。ただし円高はトヨタの想定ほどには進んでおらず、株価が上向く可能性もある。
トヨタ自動車が2月5日に発表する2024年10-12月期決算は11四半期ぶりの減収減益が予想されている。販売台数での前年比でのマイナスが続いており、ギリギリで減収減益を回避した7-9月期に続き、厳しい業績になる見通しだ。ただし2025年3月通期の業績をめぐっては、為替相場での円高がトヨタの想定ほどには進んでいないという好材料もある。トヨタの株価の今後の見通しは、5日に示される業績予想にかかってきそうだ。
トヨタの2024年10-12月期決算は11四半期ぶりの減収減益の見通し
トヨタは5日に10-12月期決算を発表する。ブルームバーグがまとめた市場予想によると、総収入は前年同期比0.6%減の11兆9637億円になる見通し。7-9月期は0.1%増で減収を回避したものの、今回は2022年1-3月期(2.1%減)以来11四半期ぶりの減収が予想されている形だ。また10-12月期の営業利益は17.7%減の1兆3828億円になる見通しで、7-9月期(19.6%減)に続く減益が見込まれている。
トヨタの株価は2024年に21.44%高 前回決算発表から株価上昇
トヨタの株価(7203)は2024年に21.44%高。日経平均株価(N225)の19.22%高を上回る成績だった。2025年1月31日の終値は2973.5円。前回(7-9月期)決算発表前日の11月5日を起点とすれば12.68%高で、日経平均の2.85%高を大きくしのぐ結果だ。ただしトヨタの株価は2024年3月22日には、2023年末比49.47%高にあたる3872円まで上昇したことを踏まえれば、投資家の期待は縮小したともいえそうだ。
ブルームバーグによると、直近の株価と今後12か月の予想収益から算出される株価収益率(PER)は約10倍で、前回決算発表前日の9倍程度から割高感が増している。アナリストが提示する目標株価の平均は3202円で現状よりも8%ほど高い。26人のアナリストのうち17人は買い、9人は維持を勧めている。
トヨタの販売台数は低調 12月までの9か月間は3.1%減
トヨタの業績に対する見方の厳しさの背景には販売台数の低調さがある。12月のグループ総販売台数は前年同月比4.8%減の96万3542台。4月から12月の9か月間では3.1%減の水準だ。トヨタは前回決算発表に際して2025年3月通期の販売目標を引き下げ、前期比2.2%減としているが、目標達成のためには1-3月期を1%以上の増加で乗り切らなければならない。
ドル円相場の水準はトヨタの想定以上に円安 2025年3月期の業績見通しに注目
ただ、トヨタの業績には円安の追い風も続いていそうだ。トヨタは前回決算発表で2025年3月通期の見通しを、総収入46兆円、営業利益4兆3000億円で据え置いた際、10月以降のドル円相場(USD/JPY)の想定レートを1ドル=140円としていた。これに対して2024年10月から2025年1月の実際のドル円レートは平均153.5円で推移している。トヨタが5日の決算発表に際して想定レートを実態に合わせれば、業績見通しが上方修正される可能性もありそうだ。
トヨタは前回の決算会見では、10月以降は認証問題やリコールによる生産停止がなくなることも好材料として挙げていた。5日の発表内容次第では、株価の見通しが明るくなることも考えられる。
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