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トヨタ、営業利益の伸び率は? 1日決算 販売不振と円高で見通し悪化

トヨタ自動車が8月1日に4-6月期決算を発表。販売不振を補うだけの為替効果が出るかどうかが株価を左右しそうだ。

トヨタ、営業利益の伸び率は? 1日決算 販売不振と円高で見通し悪化 出所:Adobe Images

トヨタ自動車が8月1日に発表する2024年4-6月期決算は営業利益の伸び率が焦点だ。トヨタは4-6月期のグループ総販売台数が前年同期比4.2%減となっており、自ら示した見通しを下回るペース。4-6月期は円安進行という追い風はあったものの、投資家の期待を超える営業利益を示すことができるかは不透明だ。またトヨタの6月単月の販売台数は国内外で前年割れ。FX市場では7月半ばから円高の流れが出ているという事情もあり、トヨタの業績の見通しの悪さが株価下落につながるおそれもある。

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トヨタの4-6月期決算は2割超の営業増益見通し

トヨタは1日に4-6月期決算を発表する。メディア向けの会見は行わない。LSEGがまとめた事前予想によると、総収入は前年同期比11.3%増の11兆7370億円になる見通し。営業利益は20.2%増の1兆3470億円が見込まれている。予想通りになれば、増収は2022年4-6月期以来9四半期連続。増益は2022年10-12月期以来7四半期連続だ。

トヨタ自動車の業績(総収入、営業利益)の推移のグラフ

トヨタの株価(7203)の30日の終値は2996.50円。2023年末比では15.67%高だが、前回(1-3月期)の決算発表前日にあたる5月7日の終値との比較では16.74%安という不振だ。前回決算発表では、2025年3月期の営業利益の見通しが市場予想を下回り、株式市場で悪材料とみなされた。また、トヨタでは6月3日、他の4社とともに認証不正が発覚。2023年12月に続く不正問題が、やはり株価を下押しする材料になっている。

LSEGによると、直近の株価と今後12か月の予想収益から算出される株価収益率(PER)は8.68倍。前回の決算発表前にあたる5月初めの10倍程度から、割安感が増している。アナリストが提示する目標株価の平均は3733.42円で、現状よりも25%ほど高い。7月に入ってからは4000円に引き上げる動きも出ている。21人のアナリストのうち、4人は強い買い、11人は買いを推奨。残る6人は維持を勧めている。

トヨタの4-6月期の販売台数は4.2%減 見通し割れ

トヨタの4-6月期は2割超の営業増益が期待されているものの、このところの販売は不振だ。トヨタが30日に発表した6月のグループ総販売台数は前年同月比5.8%減の91万2971台。4-6月期の累計では前年同期比4.2%減の263万6411台にとどまった。トヨタは5月の決算発表時、2025年3月通期の販売台数が1.3%減になるとの見通しを示しており、4-6月期は出遅れたといえそうだ。

トヨタの月別の累計販売台数の推移のグラフ

一方、4-6月期には円安という追い風もあった。4-6月のドル円相場(USD/JPY)は平均1ドル=156円程度で推移。トヨタが通期業績見通し作成時の前提とした145円を大きく上回る円安水準で、4-6月期決算では増益効果が生じているとみられる。8月1日の決算発表で投資家の期待に応えるには、販売不振による営業利益の減少を為替効果で補うことが必要だといえそうだ。

円高進行なら為替による増益効果が減少か

ただ、トヨタの4-6月期決算が堅調だったとしても、今後の見通しへの不安は強い。6月の販売台数を国内外で分けてみると、国内販売の6か月連続の前年同月比マイナスに加え、海外販売も4か月ぶりのマイナスに転落。価格競争が激化している中国の不振に加え、北米でもトヨタ車の販売が落ち込んだ。ハイブリッド車プリウスの生産が4月に発覚したドアの不具合への対応でストップしたことが響いたという。さらにドル円相場では7月半ば以降に1ドル=151円台まで円高が進む場面があり、今後、為替変動による増益効果が小さくなっていく可能性もある。

トヨタの2025年3月期について金融市場では、総収入が5.3%増、営業利益が1.4%減になると期待されているが、トヨタ自身が5月に示した総収入2.0%増、営業利益19.7%減との隔たりは大きい。金融市場での過剰な期待が修正されていけば、株価への下押し圧力が強まることも考えられそうだ。


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