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トヨタ、減収減益の不安 6日決算 販売不振と円安効果減衰見通しで

トヨタ自動車が11月6日に発表する4-6月期決算は減益予想。増収幅もわずかになる見通しで、下振れすれば減収減益に陥りかねない。

トヨタ、減収減益の不安 6日決算 販売不振と円安効果減衰見通しで 出所:Adobe Images

トヨタ自動車が11月6日に発表する2024年7-9月期決算は営業利益が前年同期比で1割超減少するとみられている。総収入の伸びもわずかにとどまる見通しで、発表される数値が減収減益に終わるおそれもぬぐえない。トヨタは世界販売の不振に加え、7-9月期は円安による業績押し上げ効果も小さくなるとみられ、不安材料が積み重なっている形だ。トヨタの株価は3月をピークとして下落傾向が続いており、今後の見通しがさらに暗くなる可能性がある。

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トヨタ自動車の2024年7-9月期決算は減益見通し 増収幅もわずかか

トヨタは6日に7-9月期決算を発表する。ブルームバーグがまとめた市場予想によると、総収入は前年同期比0.4%増の11兆4837億円になる見通し。また営業利益は13.4%減の1兆2451億円が見込まれている。予想通りになれば、総収入の増減率は2022年1-3月期の2.1%減以来の小ささ。営業減益は2022年7-9月期(25.0%減)以来2年ぶりとなる。

トヨタ自動車の総収入と営業利益の推移のグラフ

トヨタの2024年の株価は日経平均を大きく下回る実績 値下がり傾向

トヨタの株価(7203)の30日の終値は2711.50円。2023年末比で4.67%高で、日経平均株価(N225)の17.37%高を大きく下回っている。3月22日には年初来高値となる3872円をつける場面もあったが、その後、5月8日の2024年3月通期の決算発表で示した業績見通しや、6月3日に発覚した認証不正問題などが悪材料となって、下落傾向をたどってきた。また、前回の決算発表前日(7月31日)の終値を基準とすれば、足元の株価は8.05%安の水準だ。

ブルームバーグによると、直近の株価と今後12か月の予想収益から算出される株価収益率(PER)は9.21倍。前回決算発表前の8.21倍よりも割高感が増している。アナリストが提示する目標株価の平均は3235円で、現状よりも19%ほど高い。24人のアナリストのうち18人は買い、6人は維持を勧めている。

トヨタの販売台数は4-9月期で4%減 通期見通しを下回るペース

トヨタの7-9月期の業績への期待が冴えない背景には販売不振がある。トヨタが10月30日に発表した9月のグループ総販売台数は前年同月比8.0%減の92万3311台。4-9月の合計では前年同期比4.0%減の537万3316台となった。トヨタは2025年3月通期の販売台数を前期比1.3%減と見込んでおり、出遅れが続いている形といえる。

トヨタ自動車の月ごとの販売台数の推移のグラフ

販売の不振は4月から6月にかけてプリウスの販売がリコール対応で悪影響を受けたことや、認証不正問題によるヤリスクロスなどの販売停止が9月初めまで続いたことが要因。また中国市場では電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)など新エネルギー車へのシフトや価格競争の激化が販売の逆風になっているという。

7-9月期のドル円レートは平均149円 1年前からは4円程度の円安

さらに利益面では、このところのトヨタの業績を押し上げてきた円安効果が、7-9月期は小さくなりそうだ。7-9月期のドル円レートは平均1ドル=149円程度で推移しており、2023年7-9月期の144円程度からは4.5円ほどの円安にとどまる。4-6月期は、2023年の137円程度から2024年の156円程度まで大幅な円安が進み、営業利益を3700億円押し上げる効果があったが、7-9月期の追い風は弱まっていることが想定される。

一方、金融市場でのトヨタの2025年3月通期の業績についての期待は下がりきっていない。ブルームバーグによると、金融市場では3月通期の総収入は前期比4.6%増、営業利益は8.4%減が見込まれており、トヨタ自身が示している総収入で2.0%増、営業利益で19.7%減という業績予想を上回ったままだ。こうした中で、11月6日に発表される7-9月期の決算の内容が期待外れに終われば、株価の今後の見通しに関する不安がいっそう強まることが考えられそうだ。


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