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トヨタ株が過去最高を更新、好決算を材料視

トヨタ自動車は4月から12月期の好決算を発表し、通期見通しを上方修正した。これを受け、株価は過去最高値を更新した。取り上げる銘柄は時価総額に基づいて選ばれています。

toyota 出所:ブルームバーグ

ハイブリッド車が売れ行き好調

トヨタ自動車(7203)の4月から12月期決算では、ハイブリッド車の好調な売上などにより、純利益が前年同期比107.9%増の3兆9472億円、営業利益は23.9%増の34兆227億円を記録した。その結果、通期の業績見通しを上方修正した。

同社株はすでに国内最高の時価総額を誇るが、2月6日の決算発表を受けて高値を更新し、3,135円で取引を終えた。直近12ヶ月で株価は65%上昇している。

営業利益は2兆1421億円の増益となった。同社によると、増益のうち3800億円は為替変動の影響によるものだが、1兆9900億円は主に電気モーターと内燃機関(ICE)を組み合わせたハイブリッド車の販売増など、営業面の努力によるものだという。

電気自動車に対する購買欲が低下

さまざまな要因が重なり、バッテリー式電気自動車(BEV)の販売数は世界的に減速している。家計所得が金利上昇とインフレ率の上昇によって圧迫される中で、BEVは未だに割高な買い物だと考えられている。電気充電設備の不足による航続距離への不安も、売れ行きを鈍らせている要因の一つといえる。

昨年のBEVの販売減速は、二次電池の主要材料であるリチウムの市場崩壊を引き起こす要因にもなった。

一方でハイブリッド車は、従来のガソリン車やディーゼル車とBEVの中間に位置する、魅力的な選択肢となり得る。近年、ハイブリッド車の販売は米国で特に好調だ。同社は1997年に最初のハイブリッド車である「プリウス」を販売して以来、市場の優位性を確立してきた。ハイブリッド車においては確固たる実績があり、幅広いモデルを取り揃えている。

4月から12月までのトヨタおよびレクサス車の販売台数は 790万台で、そのうちハイブリッド車は274万8000台に上り、前年同期比38.6%増となった。一方、BEVの販売台数は87,000台、水素燃料電池EVの販売台数は3,000台にとどまった。

ダイハツは通期販売台数を下方修正

3月31日までの通期で、同社は全体の販売台数を小幅に減少させる見通しだ。これは、子会社のダイハツが安全性試験不正問題で出荷を停止したことが主な原因だという。それにもかかわらず、同社は純利益を前年度比12.66%増の4兆5000億円と見込んでいる。

BEVの展開において、同社は競合他社に比べて遅れをとっているため、買い手の心理が変化した場合、不利な影響が生じる恐れがある。例えば、借入コストが低下したり、BEV購入に対する公的支援策が充実したりした場合などが挙げられる。あるいは、メーカー間の価格競争によってBEVがより手頃な価格で購入できるようになることや、充電インフラが大幅に改善されることも考えられる。

全固体電池に期待

同社は、開発中のソリッドステートバッテリー(全固体電池)がEV競争において主導権を握ることに期待している。全固体電池は従来のリチウムイオン電池よりも軽くて小さく、充電速度が速いため、EVの航続距離を大幅に伸ばすことが期待されている。しかし、量産化にはまだ2年かかり、全固体電池を搭載した最初のモデルは高価になりそうだ。

また、水素も課題のひとつだ。同社は電気モーターの動力源となる水素燃料電池の開発にかなりの資源を投入しているものの、燃料電池車「ミライ」は、水素充填ステーションの不足が主な原因となって生産台数が伸び悩んでいる。

しかしながら、同社にはその大きな技術的投資を賄うだけの資金力がありそうだ。昨年12月31日時点で、同社は7兆5832億円相当の現金及び現金同等物を保有している。

取り上げる銘柄は時価総額に基づいて選ばれています。過去の実績は将来の株価動向を示す指標ではありません。

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