平均足を使った取引手法
平均足とは、ローソク足を改良してトレンドを把握しやすくしたチャートです。実際の値動きを追跡するローソク足から値動きの「ブレ」を取り除いたもので、トレンドトレードでよく使われます。この記事では、トレードに平均足を活用する手法について解説します。
平均足とは?
平均足は、全体的なトレンドを理解するために使われるテクニカル分析手法の一つです。細かな変動を取り除いて平均化された値動きを表します。平均足を用いてトレンドを把握できると、ポジションのエントリーや決済の判断がしやすくなります。
通常のローソク足と同様、平均足も4つの値(安値、高値、始値、終値)を表示します。ローソクの現期間と前期間のデータでこれら4つの値を算出します。また、平均足はローソク足と同じ時間軸でチャートを表示させることができ、スキャルピング、デイトレード、ポジショントレードを行う際の分析ツールとして使います。
下図のように通常のローソク足と平均足を比較すると、平均足の形の方が滑らかになっています。
平均足の算出方法
平均足(ローソク足)を構成する始値、終値、高値、安値にはそれぞれ計算式が決まっています。中には通常のローソク足よりも複雑な計算が必要なものもありますが、ここでは、平均足の簡単な計算式を紹介します。
- 始値 = (前期間の始値 + 前期間の終値) ÷ 2
- 終値 = (現期間の始値 + 現期間の終値 + 現期間の高値 + 現期間の安値) ÷ 4
- 高値 = 現期間の高値、始値、終値のうちの最大値
- 安値 = 現期間の安値、始値、終値のうちの最低値
平均足の読み方
平均足を読むときは、ローソクのヒゲ、実体、色の3つに注目します。
- 上ヒゲの先端:現期間の最高値
- 下ヒゲの先端:現期間の最安値
- 実体の長さ:始値と終値の差
- 色が緑:終値が始値より高い。実体の上端が終値
- 色が赤:終値が始値より低い。実体の下端が終値
※この記事では陽線を「緑」、陰線を「赤」で表記しています
平均足チャートを使った取引方法
ここからは、平均足を使った取引方法を紹介します。始めに、平均足の各ローソクから読み取れるのは、実際の資産価格ではなくトレンドに関する情報であることを押さえておきましょう。
例えば、実体が長く下ヒゲがない緑ローソクは、強い上昇トレンドを示唆します。買いポジションを保有している時にこの平均足が出現する場合は、売りサインが出るまでポジションを維持する判断材料の一つになります。
緑のローソク足に下ヒゲが現れるようになったら、上昇トレンドが勢いを失いつつある兆候と考えます。買いポジションの決済を検討し始める根拠の一つとなります。
反対に、赤のローソク足の実体が長くかつ上ヒゲがない赤ローソクは、強い下落トレンドを示唆していると考えます。また、赤のローソク足に長い下ヒゲが現れた時も強い下落のサインと捉えます。赤のローソク足が出現したら、売り(空売り)で利益を狙える可能性があるため、売りポジションを保有する好機かもしれません。
一方、赤のローソク足に上ヒゲが発生し始めたら、下落のトレンドが弱まっているサインと考えます。売りポジションを保有している場合は、決済のタイミングを探し始める機会と捉えることができます。
平均足は日々の細かい値動きの影響を排除するため、長期的なトレンドを反映する傾向にあります。このため、他のトレンド系指標と組み合わせて市場の勢いの強さを分析する際にも有効です。よく併用されるトレンド系のテクニカル指標は移動平均 、移動平均収束拡散(MACD) 、平均方向性指数(ADX) です。
平均足は、CFD などのデリバティブ取引でも有効です。デリバティブ取引では実際の資産を所有することなく、原資産の価値の上昇や下落を予想して取引をします。
この記事で平均足の基礎知識を身につけたら、以下のステップで知識を深め、取引を始めましょう。
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平均足を使った取引方法のまとめ
• 平均足は、平均値を使って資産の値動きを示す価格チャートの一種です。
• 通常のローソク足が示すのは現期間の4本値ですが、平均足は現期間だけでなく前期間のデータも踏まえて算出した4つの値を示します。
• 平均足は、スキャルピング、デイトレード、ポジショントレードなどの分析ツールとして有効です。
• 平均足の高値は通常のローソク足の最大値であり、平均足の安値は通常のローソク足の最低値です。
• 終値が始値より高いときは緑ローソクが現れ、実体の上端は終値を示します。
• 終値が始値より低いときは赤ローソクが現れ、実体の下端は終値を示します。
• 実体が長く下ヒゲがない緑ローソクは、強い上昇トレンドを示唆しています。
• 実体が長く上ヒゲがない赤ローソクは、強い下落トレンドを示唆しています。
• 平均足は市場トレンドの方向を反映するため、トレンド系指標(移動平均、MACD、ADXなど)と組み合わせて市場の勢いを評価する際にも有効です。
• 平均足は、CFDなどのデリバティブ取引に活用できます。
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