FXにおけるドローダウンとは?問題があるドローダウンとその対処法も解説
ドローダウンとは、FXなどの投資で使われる用語の一つで、リスクを評価するための重要な指標として広く利用されています。FXにおけるドローダウンとは何か、FXでよく使われる3種類のドローダウン、「正常な」ドローダウンと「問題がある」ドローダウンなどについて解説します。

FXにおけるドローダウンとは?
ドローダウン(Drawdown、DD)はFX などの投資で使われる用語の一つであり、トレーダーの最大資産に対する損失の割合のことです。ドローダウンは基本的にパーセントで表示され、「下落率」と呼ばれることもあります。

ドローダウンには明確な反対語が定義されていません。しかし、あえていうなら「利益」や「リターン」といった用語がこれにあたるでしょう。
ドローダウンは金融の世界では、通常、融資やリースの開始を意味します。しかし、FXの場合は、口座にある資金の大小に左右されず、裁量取引やEAなどの自動売買システムによる取引によって資金が最大でどの程度損失するかを計る目安のことを指します。
ドローダウンの計算方法
ドローダウンの計算方法は、以下の通りです。
ドローダウン(%)= 損失額 ÷ 資金 × 100 |
例えば、資産が100万円ある時に10万円の損失が発生した場合、ドローダウンは10%(10万円 ÷ 100万円 × 100=10%)ということになります。
ドローダウンは取引におけるリスクを把握するための指標として使われることが多く、思いがけない大きな損失を発生させないためになくてはならない指標です。資金と損益の推移を記録しておき、自分のドローダウンを計算してみましょう。
ドローダウンの使い方
運用する資産に対し、何パーセントの下落を許容できるかをあらかじめ決めておき、投資戦略を立てる際に役立てるのが、ドローダウンの一般的な使い方です。許容するドローダウンが大きい場合はハイリスクハイリターン、反対に小さければローリスクローリターンな運用になります。
また、自分の成績を評価するのに使うことも可能です。例えば、大きなドローダウンの回数が少なければ、リスクを抑えた取引が多いと評価できます。
ドローダウンに着目することで、単純に資金の増減だけで取引成績を分析するよりも、一歩進んだ分析を行えるようになり、効果的な取引の改善がしやすくなります。
ドローダウンからの回復に必要な利益率
投資は大きく資金を減らしてしまうと、元本の回復が難しくなるため、ドローダウンの大小は非常に重要です。
損失の割合と元本回復に必要な利益率 |
損失の割合 | 元本回復に必要な利益率 |
10% | 11% |
20% | 25% |
30% | 43% |
40% | 67% |
50% | 100% |
60% | 150% |
70% | 233% |
80% | 400% |
90% | 900% |
例えば、100万円の資金を運用していた時に50%の損失が発生し、資金が50万円となってしまった場合、元の100万円に戻すには100%という高い利益率が必要になります。
損失の割合と元本回復に必要な利益率の計算式 (元の資金 ÷ 残りの資金 - 1 )× 100=必要な利益率 100万円の資金を運用していた時に50%の損失が発生した場合に必要な利益率 (100万円 ÷ 50万円 - 1 )× 100=100% |
損失の割合が高くなればなるほど、元本回復までに必要な利益率もどんどん高くなり、結果として元本の回復が難しくなってしまうので注意してください。
ドローダウンと含み損の違い
ドローダウンは含み損と混同されることが多い用語です。しかし、ドローダウンと含み損には明確な違いがあります。ドローダウンは確定した損失、含み損(評価損)は未確定の損失のことを指します。

例えば、ある通貨ペアを買った後に価格がどんなに下がったとしても、ポジションを決済していなければドローダウンはゼロです。一方、含み損は価格が下落するにつれてどんどん増えていきます。
決済して初めて、その損失はドローダウンとして記録されるのです。
1. 最大ドローダウン
最大ドローダウンとは、ある期間で最も大きい金額のドローダウンを指します。最大ドローダウンが大きい場合、運用で大きな損失を出すリスクが高いと判断できます。

例えば、資産が100万円の時に10万円、200万円の時に20万円の損失が発生した場合、ドローダウンは100万円では10%(10万円 ÷ 100万円 × 100=10%)、200万円でも10%(20万円 ÷ 200万円 × 100=10%)です。しかし、よりドローダウンの金額が大きい200万円の時(20万円の損失)が最大ドローダウンとなります。
最大ドローダウンの許容範囲は、トレーダーのリスク選好度にもよりますが、資金の20~30%くらいまでが目安とされています。取引を行う前に、何%またはいくらのドローダウンまでなら自分は安心して取引を続けることができるのかを明確にしておきましょう。
また、自動売買や投信信託などに限らず、裁量取引でも資金の変動を記録しておくことで最大ドローダウンを把握でき、どのような原因で大きな損失を出してしまったのかを知ることができます。最大ドローダウンは、どの程度まで資産の減少を覚悟しておくべきか、裁量取引や自動売買をこのまま継続するとどうなるかなどをイメージしやすく、リスク管理のための指標として非常に有効です。
2. 相対ドローダウン
相対ドローダウンは、口座残高のピークから割合ベースで最大のドローダウンを表す指標です。つまり、最大ドローダウンが金額単位であるのに対し、相対ドローダウンはパーセント単位となります。
例えば、資産が100万円の時に10万円、200万円の時に同じ10万円の損失が発生した場合、ドローダウンは100万円では10%(10万円 ÷ 100万円 × 100=10%)、200万円では5%(10万円 ÷ 200万円 × 100=5%)と計算できます。この場合、よりドローダウンの割合が大きい100万円の時が相対ドローダウンにあたります。
相対ドローダウンは資産規模が異なっても、相対的なリスクを同じ基準で評価できるのが特徴です。
3. 絶対ドローダウン
絶対ドローダウンとは、運用開始時の初期投資額からどれだけ資産が減少したかを金額で示す指標です。つまり、投資の元本をどれだけ維持できているかについて把握するのに使われます。
例えば、100万円で運用を開始し、途中で70万円まで減った場合、絶対ドローダウンは30万円(30%)となります。絶対ドローダウンが大きくなると、投資資金の回復が困難になるリスクが高まるため、破産リスクを評価する上で重要な指標です。
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3. FX口座を選択し、取引したい通貨ペアを選ぶ
通貨ペアについて調べたら、公式サイトから口座にログインし、FX口座の「取引画面を開く」をクリックします。

画面が切り替わったら、「FX」の項目をクリックして取引したい通貨ペアを選び、「注文」ボタンを押しましょう。


5. ポジションを保有する
最後に「注文確定」ボタンを押すと、ポジションを保有することができます。

FXの取引方法について詳しくは、こちらのページをご覧ください。
「正常な」ドローダウンと「問題がある」ドローダウンとは?
この項目では、「正常な」ドローダウンと「問題がある」ドローダウンとは何か、そしてそれぞれの対処法について解説していきます。
1. 「正常な」ドローダウンとは?
FXにおける「正常な」ドローダウンとは、相場環境に関連した取引結果の浮き沈みや、トレードプランからの小さなズレ、あるいはその両方により自然に発生するものです。これらはトレーダーにとって脅威となるようなものではありません。
しかし、資金面だけでなく、メンタル面にも影響を及ぼすドローダウンにならないよう、適切に管理する必要があります。
2. 「正常な」ドローダウンの対処法
正常なドローダウンが発生した場合、まず確認すべき点は、トレードプランに沿ったプロセスで取引しているかどうかです。これはドローダウンからの回復が長期間にわたったり、さらに悪い状態におちいったりしないようにするための対策になります。
戦略は常に有効なわけではなく、異なる相場環境では成功の度合いに変動が生じるものです。そのため、計画を継続することが困難になることがあります。それでも、その戦略を維持することが重要です。
ドローダウンが発生したら、それが大きな損失ではなくても、ポジションサイズを縮小することを検討したほうがよいでしょう。ドローダウンを管理しやすくなるだけでなく、リスクが低くなるため、客観的な取引がしやすくなり、戦略も継続しやすいからです。
また、資金だけでなく、自分の取引に対する自信も常に守ることを覚えておきましょう。
3. 「問題がある」ドローダウンとは?
FXにおける「問題がある」ドローダウンでは、多くの場合、リスク管理や取引回数などの面で、複数の問題が同時に発生しています。そのため、まずはドローダウンの原因を特定してください。
問題を特定した後は、一気に解決しようとしないことが重要です。すべてを一度に解決しようとすると、さらなるフラストレーションと損失の拡大を招くだけだからです。
4. 「問題がある」ドローダウンの対処法:1 リスク管理の改善
まずは、影響が最も大きいと考えられる問題から着手すべきです。ただし、大きなドローダウンが発生した場合、リスク管理が適切におこなわれていないことが原因である可能性が高いと考えられます。
優れた取引は、適切なリスク管理に始まり、適切なリスク管理に終わります。例えば、ポジションサイズが大きすぎるか、損切りをする価格を守らないことが原因かもしれません。ポジションサイズを小さくし、損切りの逆指値注文(ストップロス)は必ず入れておくようにしましょう。

問題があるドローダウンが発生する頻度は低く抑えるべきであり、破滅的なドローダウンにつながらないようにしてください。ただ、もし問題があるドローダウンが発生しても、ただちに致命傷になるケースは稀です。
適切に対処すれば、トレーダーは損失を取り戻し、取引を再開できる自信をすぐに得られるはずです。
5. 「問題がある」ドローダウンの対処法:2 過剰な取引を抑制する
過剰な取引(ポジポジ病)や衝動的な取引を実行していることが、ドローダウンの原因となっている可能性もあります。多くのトレーダーは、良い取引のセットアップを見分けることができる一方、「良い」と判断された取引だけ実行するというルールを定めていません。
その結果、悪いセットアップによる取引が良いセットアップで得た利益を食い潰してしまい、成功への大きな障害となってしまうのです。過剰な取引を防ぐためには、チェックリストの作成が有効です。良いセットアップの条件をリスト化し、エントリー前にすべて当てはまるかどうかを確認しましょう。
取引は必ず自分の決めたルールに当てはまる時のみ行い、過剰な取引を抑制することが重要です。
6. 「問題がある」ドローダウンの対処法:3 分散投資を行う
複数の通貨ペアで取引をすることでも、大きなドローダウンへの対処ができます。資金を分散させることで、リスクも分散され、ドローダウンを小さくしやすくなるからです。
FXでは様々な通貨ペアを取引することができ、値動きが通貨ペアごとに異なります。そのため、短期売買と比べて時間に余裕のあるスイングトレードやポジショントレードといった中長期取引を行う場合、二つ以上の通貨ペアでの取引がドローダウンへの対策となります。
ただし、二つ以上の通貨ペアの分析が必要となるため、ある程度FXに慣れてきてから取り組むとよいでしょう。また、同じ通貨ペアであっても短期売買と中期取引など、異なる時間軸で取引をすることでリスクを分散させることができます。
7. 「問題がある」ドローダウンの対処法:4 一度相場から離れる
損失が出ている状態が続いており、資金面や精神面で限界に近づいている場合は、第一に相場から脱出してください。取引におけるすべてのリスク資産を決済し、口座を守ることが大切です。損失を止めるだけで、すぐに安心感を得られるでしょう。
市場から一時的に撤退することは、自身の気持ちとの葛藤があるため困難かもしれません。しかし、市場からしばらく離れていると、ストレスが解消されるだけでなく、視野も広がります。
もちろん個人的な問題を含めて、取引に支障をきたす可能性がある問題は他にもあるでしょう。基本的には、取引を再開する前に、問題を特定し、修正しておくべきです。
問題を修正し、軌道に戻すための計画を立てたら、徐々に取引に戻るとよいでしょう。目的は、良い取引を実行し、自信を回復し、失った自己肯定感を取り戻すことです。
そうすれば、損失を取り戻すための態勢を整えられるはずです。ただし、すべての損失をすぐに取り戻そうとすると、大きな損失を招く可能性があるため注意してください。
FXで避けるべき失敗についてさらに詳しく知りたい方は、こちらのページをご覧ください。
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