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ナスダック100の見通し 注目の雇用統計、米金利の反応次第でさらなる上昇も

強気相場にある米国株だが、先週以降ある変化が見られる。それが米ハイテクの買いである。これを促しているのが米長期金利の低下である。今晩の米雇用統計を受けても金利の上昇が抑制的ならば、ハイテク比率の高いナスダック100の上昇幅が拡大する可能性があろう。

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米株高のけん引役が交代か、ハイテク株に復活の兆し

11月5日のアメリカ大統領選挙以降、米国株は金融、一般消費財そして資本財といった優良なバリュー株や中小型株が株高のけん引役となってきた。しかし、ここにきてそのトレンドに変化が見られる。注目ポイントを以下にまとめた。

・アメリカの大統領選挙以降、米株高のけん引役はバリュー株だった。しかし先週以降、グロース株優勢の状況へ転じている(下のチャート、赤ライン参照)。投資資金が再びハイテク株に流れ始めていることを示唆する動きである

S&P500 グロース指数とバリュー指数の動向:日足24年9月以降

S&P500 グロース指数とバリュー指数の動向:日足24年9月以降

ブルームバーグのデータで筆者が作成

ラッセル2000ナスダック100の比でも同じ状況が見て取れる。大統領選挙後のアメリカ株式市場はトランプ減税に対する期待先行で、中小型株にまで投資資金が拡大する状況が見られた。中小型株の指数ラッセル2000は先月25日の取引時間中に2,466.485ポイントまで上昇し、2021年11月の高値2458.855を上回り過去最高値を更新した

・しかしナスダック100との比を見ると、グロース株とバリュー株のそれと同じく、先週以降ナスダック100が優勢の状況へ転じている。投資資金が中小型株から再び大手ハイテク株にシフトしている動きである

ナスダック100とラッセル2000の動向:日足24年9月以降

ナスダック100とラッセル2000の動向:日足24年9月以降

ブルームバーグのデータで筆者が作成

注目の米雇用統計、金利上昇の抑制はナスダック100の押し上げ要因に

米ハイテク株の買いを促しているのは、長期金利の動向である。その米金利は現在、経済指標にらみの状況にある。要点を以下にまとめた。

・下のラインチャートを見ると、米長期金利が低下のトレンドへ転換したタイミングとナスダック100の上昇幅が拡大したタイミングが重なる

ナスダック100と米長期金利:日足24年9月以降

ナスダック100と米長期金利:日足24年9月以降

ブルームバーグのデータで筆者が作成 / 米長期金利:10年債利回り

・今日のアメリカ株式市場は、11月の雇用統計が材料視されるだろう。こちらのIGコモディティレポートで取り上げたとおり、非農業部門雇用者数変化と失業率は引き続き労働市場の堅調さを示唆することが見込まれている

・現在の米債市場は、強い経済指標が続いても上昇が抑制されている。米雇用統計が予想を上回る強い内容となっても長期金利の上昇が抑制される場合は、ハイテク株の買いが米株高をけん引する展開が予想される


ナスダック100の見通しと注目のテクニカルライン

ナスダック100のレジスタンスライン

上で述べたとおり、今日のアメリカ株式では11月の雇用統計が材料視されるだろう。米雇用統計が米株高の要因となれば、ナスダック100は以下で取り上げたレジスタンスラインの攻防に注目したい。

・米雇用統計後も長期金利の上昇が抑制される場合は、ナスダック100の上昇を想定したい。テクニカルの面では、フィボナッチ・エクステンション100%の水準21,616のトライが焦点となろう。昨日の高値21,517レベルの上方ブレイクは、このテクニカルラインをトライするサインと捉えたい

・ナスダック100がエクステンション100%のラインを完全に突破すれば、21,700を視野に上昇幅の拡大が予想される。本日、ナスダック100がエクステンション100%や21,700をブレイクすれば、来週以降、22,000ポイントを視野に100ポイントレンジで新たな高値の水準を見極める展開を予想する

レジスタンスライン(4時間足)

・21,700:レジスタンスライン
・21,616:フィボナッチ・エクステンション100%
・21,517:12月5日高値


ナスダック100のサポートライン

予想を上回る米雇用統計は、強気の景気見通しにつながる。一方、米長期金利の反発要因でもある。後者の方が材料視される場合は、ナスダック100の調整相場(下落)が続くだろう。今日のサポートラインを以下にまとめた。

・今晩の米雇用統計が株安の要因となれば、ナスダック100はサポートラインへ転換する可能性のある21,200ポイントの維持が焦点となろう。このラインを目指すサインとして、以下で取り上げているフィボナッチ・リトレースメントの攻防に注目したい

・12月2日の安値を基点とした23.6%の水準21,388は、昨日の相場をサポートした水準である。すぐ下の21,360は、12月4日の窓開け上昇スタートの基点となった。23.6%戻しとともにサポートゾーンを形成する可能性を想定しておきたい。今日の売り局面でもこの水準で反発する場合は、地合いの強さを市場参加者に印象付けるだろう

・21,305前後では、11月27日の安値を基点とした23.6%戻しと12月2日の安値を基点とした38.2%戻しが重なる。21,360をブレイクした後の重要なテクニカルラインと想定しておきたい

・21,240レベルは、12月4日の窓開け上昇スタート前日終値であり、かつ12月2日の安値を基点とした半値戻しと重なる。このテクニカルラインの下方ブレイクは、21,200をトライするサインと捉えたい

サポートライン(15分足)

・21,388:リトレースメント23.6%(12/2安値起点)
・21,305:リトレースメント23.6%(11/27安値起点)、38.2%(12/2安値起点)
・21,244:半値戻しの水準(12/2安値起点)
・21,200:サポートラインへ転換する可能性あり


ナスダック100のチャート

4時間足:24年8月以降

4時間足:24年8月以降

出所:TradingView

15分足:11月27日以降

15分足:11月27日以降

出所:TradingView


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