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【アメリカ株】中国DeepSeekショックで米AI株安、エヌビディア17%安 ナスダック100の見通し

週明けの米国株は下落スタートとなった。中国のAI新興企業DeepSeekが低コストの生成AIモデルを開発。アメリカ企業の優位性の懸念が高まり、AI関連株が売られた。ナスダック100は3%安で引けた。

Source:Bloomberg Source:Bloomberg

記事の概要

中国の新興AI開発企業DeepSeekが低コストで高性能の生成AIを開発。巨額投資でAI開発に注力しているアメリカ企業の優位性が崩れるとの懸念が高まり、27日の米国市場では半導体株を中心に関連株が売られた。エヌビディアは前週末比で17%急落した。ハイテク株比率の高いナスダック100は3%安で引けた。米ハイテク決算の重要性が増している。


中国DeepSeekショックで米AI関連株に売り、優位性に懸念

週開けの米株価指数はダウ平均以外、下落スタートとなった。株安を主導したのが米AI関連株、特に半導体株の売りだった。フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は前週末比で9%下落した。半導体株の影響を受けるナスダック100と総合指数は前週末比で3%下落した。米半導体株売りの主因は、AI開発を手掛ける中国の新興企業DeepSeekが低コストで生成AIモデルを開発したことだった。

DeepSeekは2023年4月に中国ヘッジファンドのAI研究部門からスタートし、大規模な言語モデルと汎用人工知能(AGI)の実現に注力してきたという。同社のアプリは27日、アップルの「アップストア」米国版でチャットGPTを抜き無料のアプリランキングで首位に立った。24日の米CNBC報道によれば、DeepSeekがAI開発に投じた費用は600万ドル以下で、開発期間も約2か月という。詳細はこれから明らかになると思われるが、DeepSeekが主張する低コストでのAI開発が今後主流になれば、米企業の巨額投資に対する懸念とそれに見合うだけの利益成長に懸念が生じるだろう。

アメリカの半導体株と株価指数の動向:1月27日

アメリカの半導体株と株価指数の動向:1月27日

ブルームバーグのデータで筆者が作成

エヌビディア17%の急落、トレンド転換のサイン点灯

トランプ米大統領は先週、AIインフラを構築するための巨額投資計画「Stargate」を発表した。しかし、上で述べたとおりDeepSeekの台頭で今後低コストでのAI開発が主流となれば、アメリカAI企業の優位性が崩れる懸念が高まるだろう。また、株価の割高感と巨額の投資に見合うだけの利益成長に対する懸念も高まるだろう。

27日のエヌビディア(NVDA)急落は、アメリカAI企業に対する投資家の懸念を象徴している。この日、同社の株価は前週末比で24.04ドル(16.97%)安の急落となった。ブルームバーグによれば、過去最大となる時価総額5890億ドルを失ったという。

エヌビディアのトレンドを日足チャートで確認すると、昨年8月5日の安値を基点としたサポートラインだけでなく、200日線をも一気に下方ブレイクした。MACD とモメンタムでは弱気相場に勢いが出始めているサインが点灯。今日以降は直近高安のフィボナッチ・リトレースメント61.8%戻し114.54のトライを意識したい。このテクニカルラインをも下方ブレイクする場合は、76.4%戻しの水準105.43を視野に下落幅の拡大を警戒したい。

株価が105.43ドルをも下方ブレイクする場合は、節目の100ドルを再びトライするサインと捉えたい。

エヌビディアの株価:日足 2024年8月以降

エヌビディアの株価:日足 2024年8月以降

出所:TradingView

重要性が増す米ハイテク決算

中国の新興AI企業が台頭してきたことで、今週の米ハイテク決算の重要性がさらに増してきた。特にAI投資に注力するメタ・プラットフォームズ(META / 決算見通しについてはこちらのレポートを参照)、マイクロソフト(MSFT)そしてアップル(AAPL)は、業績見通し(ガイダンス)で投資家の期待に応えるだけの利益成長を示せるのかどうか?この点が重要視されよう。

投資家の期待を下回るガイダンスが続く場合は、米AI関連株の割高感が意識されよう。このケースでは、ハイテク株比率の高いナスダック100の下落幅拡大を想定したい。

一方、投資家の期待に応えるガイダンスが続けば、DeepSeekショックによる下落は短期の調整売りで終息することが予想される。


ナスダック100、今日の見通しとテクニカルライン

続落なら90日線の攻防が焦点に
DeepSeekショックによる米AI関連株の売りで、27日のナスダック100は前週末比3%安となった。昨日の米国株レポートで取り上げた50日線を一気に下方ブレイクしたことで、週間の予想レンジを20,500レベルに下方修正する。この水準を目指すサインとして、以下でまとめたサポートラインの攻防に注目したい。

・ナスダック100は昨日、50日線を一気に下方ブレイクした。しかも反発の局面では、この移動平均線がレジスタンスラインとなった。日足のローソク足は長い上ヒゲ付きの上影陽線となった。高値圏での上影陽線は下落を暗示する

・明日に米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果とパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)の会見、そしてメタ・プラットフォームズとマイクロソフトの決算を控えていることを考えるならば、今日のナスダック100は続落を警戒したい。下値トライの局面で注目したいのが、1月上旬の下落相場を止めた90日線である。この移動平均線は、昨年9月6日の安値を基点とした短期サポートラインと並行している。ゆえに90日線の維持は、上昇トレンド継続のサインになり得る

・ナスダック100が90日線(短期サポートライン)を下方ブレイクする場合は、調整の下落幅が拡大するサインとなろう。このケースでは、今月13日の安値20,538ポイントのトライを想定したい。この水準を今週の下限と想定したい

サポートライン
・20,974:1月27日の安値(15分足)
・20,800:サポートライン
・20,764:90日線、短期サポートライン(日足)
・20,538:1月13日の安値、週間予想レンジの下限(日足)

反発局面では50日線の突破に注目
一方、DeepSeekショックが短期の調整売り要因として利用された可能性もある。この点を見極める観点から今日の反発局面では、昨日上値を止めた50日線と21,300のレジスタンスゾーンを突破できるか?この点に注目したい。21,300の突破に成功すれば、以下で取り上げているフィボナッチ・リトレースメントの各水準の攻防が焦点となろう

・昨日の下落で、週間予想レンジの上限をフィボナッチ・エクステンション38.2%の水準21,960レベルに下方修正する。今日は61.8%戻しの水準21,500レベルまでの反発を想定したい

・明日以降の米連邦公開市場委員会(FOMC)とパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)の会見を無難に通過し、かつ上で述べたハイテク決算が投資家の期待に応える内容となれば、5日線を視野に上昇幅の拡大が予想される。この移動平均線は27日時点で、21,644レベルで推移している

・5日線の突破は、新たな予想レンジの21,960をトライするサインと捉えたい

レジスタンスライン
・21,574:フィボナッチ・リトレースメント61.8%(15分足)
・21,460:半値戻し(15分足)
・21,300:レジスタンスライン(15分足)
・21,243:50日線(日足)


ナスダック100のチャート

日足:2024年9月以降

日足:2024年9月以降

出所:TradingView

15分足:1月23日以降

出所:TradingView


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