アメリカ株の下げ一服もマグニフィセントセブンが崩れナスダック100は軟調　今日の見通し

米国株の下げ一服もナスダックは軟調

米国株の下げが一服している。週間の変動率を確認すると、今週のダウ平均は1％超、S&P500も小幅ながら反発している（3月20日時点）。

対照的なのがナスダックである。20日時点で総合と100指数がともに小幅ながら下落している。本日下落で終えれば5週続落となる。

米株価指数の週間変動率

ブルームバーグのデータで筆者が作成 / 今週は3月20日時点まで

ナスダック100の割高感が薄れるも株高のけん引役不在

2月下旬以降の株価下落を受け、ナスダック100の予想PERは25倍を割り込む局面が見られた。株式益回りは4%の水準へ急上昇している。いずれも2023年上旬以来の水準である。

ナスダック100の予想PERと株式益回り：日足 2021年以降

ナスダック100の割高感は薄れても軟調地合いが続いている要因は、株高のけん引役不在にある。

13日のIG米国レポートで指摘したとおり、ナスダック100のトレンドに大きな影響を与えるマグニフィセントセブンはメタ・プラットフォームズ（META）を除き、年初来で下落している。そのメタもFOMC前にマイナスへ転じる局面が見られた。一方、テスラ（TSLA）を除く主力ハイテク株は指数以上に下落し、かつ団子状態に陥っている。テスラは現在不買運動、販売店の襲撃そしてピックアップトラック「サイバートラック」約4万6千台のリコールの逆風に直面し、年初来の下落率が40%を超してなお株価浮上の材料がない。

マグニフィセントセブンが総崩れの状況にある以上、ナスダック100の反発局面では戻り売りを意識する状況が続こう。

マグニフィセントセブンと米株価指数の動向：年初来

ナスダック100 今日の見通しとテクニカルライン

19,900レベルでの反落を警戒
ナスダック100の上値の重さは日足チャートでも見て取れる。先週14日以降、ナスダック100は19,400ポイント台でサポートされるも、フィボナッチ・リトレースメント23.6%の水準19,877レベルで反発が止められている（日足チャート、黒矢印を参照）。21日線と200日線がデッドクロスへ転じるムードにあり、かつ心理的水準の20,000ポイントはレジスタンスラインへ転換しつつある。

上で述べた株高のけん引役不在や取引材料に欠けることも考えるならば、本日ナスダック100が反発しても以下にまとめたレジスタンスラインでの反落を警戒したい。

レジスタンスライン
・20,000：レジスタンスライン（日足）
・19,943：17日の高値（15分足）
・19,888：20日の高値（15分足）
・19,877：23.6%戻し（日足）

下落の局面では19,400ポイントの維持が焦点に
日足のMACDはゴールデンクロスへ転じるムードにある。DMIでは-DIが低下し、ADXが横ばい推移へ転じている。ゼロラインを下回るMACDと25を上回るADXの動向を考えるならば弱気相場は続いている。しかし、その勢いには衰えの兆しが見られる。

軟調地合いにあることを考えるならば、今日のナスダック100の下限を直近高安のフィボナッチ・リトレースメント76.4%の水準にあたる19,340レベルと想定したい。このテクニカルラインは、サポートラインへ転換する可能性がある。18日の下落を止めた19,400ポイントの下方ブレイクは、19,340レベルをトライするサインと考えたい。

半値戻しの水準19,548レベルもサポートラインへ転換する可能性がある（15分足チャート、黒矢印を参照）。このテクニカルラインの下方ブレイクは、19,400ポイントをトライするサインの一つと考えたい。

サポートライン
・19,548：半値戻し（15分足）
・19,454：61.8%戻し（15分足）
・19,400：サポートライン（15分足）
・19,339：予想レンジの下限、76.4%戻し（15分足）

ナスダック100のチャート

日足：年初来

出所：TradingView

15分足：3月13日以降

出所：TradingView