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鬼門の9月、米国株は波乱のスタート、ナスダック100は3%安、下落相場の再来を警戒

やはり「9月」は米国株にとって鬼門なのか?レイバーデー明け後の米国株は、主力の半導体株やハイテク株が売られ、主要な株価指数が軒並み下落した。ハイテク株比率の高いナスダック100は7月24日以来の3%安となった。経済指標次第では、一転して下落相場の再来を警戒する状況に。

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記事のポイント

・9月の米国株は波乱のスタート、主力株の売りで主要指数が総崩れ
・ISM製造業景気指数が再び景気懸念を想起させた
・米国株は経済指標にらみの状況が続く
・ナスダックは7月24日以来の大幅安、下落相場の再来を警戒


やはり9月は米国株にとって鬼門なのか

景気懸念を想起させたISM製造業景気指数

レイバーデー明け後の米国株は波乱のスタートとなった。

米供給管理協会(ISM)が3日に発表した8月のISM製造業景気指数は47.2と市場予想の47.5に届かず、景気判断の分かれ目である「50」を5カ月連続で下回った。

雇用指数は46.0と小幅に改善したが、過去1年を通して低水準にある。一方、先行指標の新規受注は15カ月ぶりの低水準44.6へと落ち込んだ。これらの動向は、アメリカ製造業セクターの厳しい状況を浮き彫りにした。

米国 ISM製造業景気指数:23年8月以降

米国 ISM製造業景気指数:23年8月以降

ブルームバーグのデータで筆者が作成

主要な株価指数が総崩れ

精彩を欠いたISM製造業景気指数が、再び景気懸念に火を付けつつある。

レイバーデー明け後のアメリカ株式市場では、エヌビディア(NVDA)など主力の半導体株やアルファベット(GOOGL)やアップル(AAPL)など大手ハイテク株が売られ、ダウ平均(DJI)は8月30日の終値比で626ドル(1.5%)安の4万0936ドルと大幅下落の展開となった。機関投資家が運用のベンチマークにするS&P500種株価指数(S&P500)は、同比199ポイント(2.1%)安の5,528.93ポイントと、こちらも8月5日以来の大幅安となった。

ダウ平均やS&P500以上に下落したのがナスダック指数だった。IG証券が株価指数CFD「米国テク株100」として提供しているナスダック100(NDX)は、8月30日の終値比で615.91ポイント(3.15%)安の18,958.73ポイントと、7月24日以来の大幅安となった。

米株価指数の騰落率:9月3日

アメリカ株 主要株価指数の騰落率:9月3日

ブルームバーグのデータで筆者が作成

再び高まる投資家の不安心理

米国株のボラティリティ指数が上昇している。15ポイントまで急低下したVIX指数(VIX、S&P500のオプション取引価格をもとに算出される指数)は昨日、再び20ポイント台へ上昇した。

ナスダック100のオプション取引価格から算出されるVXN指数も23ポイント台へ急反発した。

米国株のボラティリティ指数

ブルームバーグのデータで筆者が作成

経済指標にらみの状況が続く

精彩を欠いたISM製造業景気指数が株安の要因となったことは、今の米国株が経済指標にらみの状況にあることを示唆している。

今日は7月の雇用動態調査(JOLTS)求人件数が発表される。2022年3月をピークに求人件数は減少の傾向にある。7月の市場予想は810.0万件と、6月の818.4万件から小幅に減少することが見込まれている。

アメリカの株式市場のテーマは「インフレ」から「景気」へシフトしている。ゆえに、予想以上に求人件数が減少する場合は、市場参加者に労働市場の冷え込みと将来の景気減速を想起させよう。さえない雇用関連の指標は、米株安が再燃する要因となろう。

雇用動態調査(JOLTS)求人件数

米国 雇用動態調査(JOLTS)求人件数

ブルームバーグのデータで筆者が作成

ナスダック100の展望とチャート分析

下落相場の再来を警戒

今日のJOLTS求人件数が株価反発の要因となっても、明日の新規失業保険申請件数と8月のISM非製造業景気指数、そして6日の8月雇用統計が景気懸念を強める可能性がある。9月が米国株にとって”鬼門”であることも考えるならば、今は下落相場の再来を警戒する局面にある。

特に注目したいのが、ナスダック100(NDX)の動向である。昨日の下落が示すとおり、景気懸念は半導体株とハイテク株の売り圧力を強める要因となるからだ。ナスダック100はハイテク株比率が高い。ゆえに、他の指数よりも経済指標で変動幅が拡大することが予想される。

ナスダック100のトレンドを日足チャートで確認すると、昨日は大陰線で50日線だけでなく21日線をも難なく下方ブレイクした。RSIはデッドクロスへ転じ、MACDも同じ状況に陥りつつある。上で述べたボラティリティ指数の上昇も考えるならば、ナスダック100は下落相場の再来を警戒する分岐点にある。

今日以降、ナスダック100の下落が続く場合、目先の焦点は、昨日の相場をサポートした100日線の攻防となろう。しかし、この移動平均線を下方ブレイクする局面があったことを考えるならば、サポート転換の可能性がある18,600ポイントまでの下落を想定しておきたい。

ナスダック100:日足 7月以降

ナスダック100:日足 7月以降

出所:TradingView

18,600を目指すシグナル

ナスダック100(NDX)が18,600ポイントを目指すシグナルとして、18,700レベルの攻防に注目したい。この水準を上下に挟んで、フィボナッチ・リトレースメント全戻しの水準(18,723ポイント)と半値戻しの水準(18,691ポイント)が展開している。

ナスダック100が18,600ポイントをブレイクアウトすれば、フィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準18,397レベル(18,400ポイント)まで下落幅が拡大する可能性が浮上しよう(下の1時間足チャートを参照)。

反発局面での注目ポイントは?

一方、今日以降の米経済指標で企業活動と労働市場の堅調さが示される場合、米国株の反発を想定しておきたい。上昇局面でもナスダック100(NDX)は他の指数と比べて変動幅の拡大が予想される。特に100日線を維持しての反発は、上昇期待を高めよう(上の日足チャートを参照)。

ナスダック100の反発局面では、3つのチャート水準の攻防に注目したい。最初の水準は、レジスタンスへ転換する可能性がある19,200ポイントである(下の1時間足チャートを参照)。この水準を突破する場合は、50日線のトライが焦点となろう(上の日足チャートを参照、9/3時点で19,458レベル)。50日線の攻防でも、「レジスタンス転換」の確認が重要な焦点となろう。

ナスダック100が50日線を突破する場合は、レジスタンスのラインへ転換している19,600ポイントのトライが焦点として浮上しよう(下の1時間足チャートを参照)。

19,600レベルの突破は、8月6日以降の上昇相場を止めたフィボナッチ・リトレースメント76.4%の水準19,922ポイントを視野に上昇幅の拡大を想定しておきたい(上の日足チャート、赤矢印を参照)。

1時間足のRSIは売られ過ぎの水準まで低下している。MACDとともにゴールデンクロスへ転じる場合は、反発相場を意識したい。しかし、上で述べたレジスタンスポイントで戻りが止められる場合は、下落相場を警戒する状況が続こう。

ナスダック100:1時間足 8月以降

ナスダック100:1時間足 8月以降

出所:TradingView


ナスダック100のチャートポイント

上値の水準(レジスタンス)

・19,922:フィボナッチ・リトレースメント76.4%の水準
・19,600:レジスタンスへ転換した水準
・19,458:50日線(9/3)
・19,200:レジスタンス転換の可能性あり

下値の水準(サポート)

・18,934:100日線(9/3)
・18,700:全戻し、半値戻し
・18,600:サポート転換の可能性あり
・18,397:フィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準


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