アマゾン、成長加速 株価9%超高 年末商戦とクラウドが共に好調
アマゾンの10-12月期決算は予想を超える好決算。ネット通販の新AIサービス「Rufus」(ルーファス)も発表し、株価上昇につながった。
アマゾン・コムが1日の取引時間終了後に発表した2023年10-12月期決算は市場予想を超える好決算だった。インターネット通販を主な収益源とする北米・国際事業と、人工知能(AI)サービスの提供基盤になっているクラウド事業が共に好調。アマゾンの株価(AMZN)は1日の時間外取引で一時、9%超値上がりした。アマゾンは決算とあわせてネット通販を便利にする新たなAIサービス「Rufus」(ルーファス)の提供も発表しており、さらなる成長にむけた布石も打っている形だ。
アマゾンの10-12月期決算は総収入が13.9%増
アマゾンの10-12月期決算は総収入が前年同期比13.9%増の1699.61億ドルで、3四半期連続の2ケタ成長。9-10月期の12.6%増も超えた。1株当たり利益(EPS)は前年同期の33倍にあたる1.00ドルだった。LSEGによると、直前の市場予想は総収入が1662.14億ドル、1株当たり利益が0.80ドル。総収入は予想を約2.3%、1株当たり利益は約26%上回っており、好決算といえる結果だった。
アマゾンの収入の約4割を稼ぐネット通販は年末商戦が好調だった。また配送網の効率化で配送スピードを上げたことなどにより、利用頻度が上がる効果もあったという。北米事業の収入の伸び率は前年同期比13.0%増で2022年10-12月期以来の大きさ。国際事業の収入の伸び率は16.8%増で、2021年4-6月期以来の大きさになった。国際事業は営業赤字から抜け出せなかったが、北米事業と国際事業を合計した営業損益は60.42億ドルの黒字で、収益性の改善が大きく進んでいる。
クラウド事業の成長は予想をわずかに下回る結果
またクラウド事業の収入は242.04億ドルで、前年同期比13.2%増。伸び率は市場予想(13.3%)をわずかに下回ったものの、7-9月期(12.3%)を上回る成長ぶりだった。企業がクラウドサービスへの支出を絞り込む傾向は薄れてきているといい、AIサービスへの関心も高まっているという。アンディ・ジャシーCEOは決算会見で、「生成系AIは今後数年間にわたってアマゾンに数百億ドルの収入をもたらす」との期待を示した。
アマゾン株は好決算を受けた1日の時間外取引で一時、174ドル台をつけた。1日の終値(159.28ドル)よりも約9.5%高い水準だ。アマゾン株はその後、170ドル台での取引が続いた。
ネット通販のAIサービス「ルーファス」を発表
またアマゾンは決算発表と合わせて、新AIサービスのルーファスを米国で今後数週間のうちに段階的に導入していくと発表した。アマゾンのネット通販用のアプリの検索窓に「初心者でも回転をかけやすいゴルフボールは?」といった買い物に関する質問を書き込めば、AIが回答を返してくれる。
ジャシー氏はルーファスの利点について、利用者は細かな商品説明を読まなくても数多くのライナップから自分の欲しい商品を見つけ、使い慣れたアマゾンのサービスで購入できると説明。「単に新しいサービスというだけでなく、買い物という行為における意義深い変化だ」と述べた。利用者にとっての利便性向上を収益アップにつなげる狙いがある。
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