アマゾン、2ケタ成長予想 1日決算発表 クラウド加速で株価上昇も
アマゾンの10-12月期決算は堅調な成長が続く見通し。北米事業や国際事業の収益改善やクラウド事業の成長加速が焦点だ。
アマゾン・コムが2月1日の取引時間終了後に発表する2023年10-12月期決算は総収入で3四半期連続での2ケタ成長が予想されている。背景にはアメリカ経済の底堅さもあり、インターネット通販を主な収益源とする北米事業などの収益改善が期待されている。また、人工知能(AI)サービスの提供基盤となっているクラウド事業についても成長加速が見込まれており、10-12月期決算が株価上昇につながる可能性がありそうだ。
アマゾンの10-12月期決算は総収入が11.4%増の予想
アマゾンはアメリカ東部時間の1日午後5時30分(日本時間2日午前7時30分)から決算会見を開く。LSEGのデータによると、アマゾンの10-12月期決算は、総収入が前年同期比11.4%増の1661.62億ドル、1株当たり利益(EPS)は前年同期(0.03ドル)の約25倍にあたる0.79ドルと予想されている。アマゾンは過去15回の四半期決算のうち、4回で総収入が市場予想を下回った。1株当たり利益では5回、市場予想をクリアできなかった。
アマゾンの株価(AMZN)は2022年に49.6%下落した後、2023年には80.88%上昇した。24日の終値は156.87ドルで、1月に入ってから3.24%高となっている。半導体大手NVIDIA(エヌビディア、NVDA)の24%高や、SNS大手のメタ・プラットフォームズ(META)の10%高ほどの勢いはないものの、S&P500種株価指数(SPX)の上昇率(2.07%)は上回っている。
LSEGによると、直近の株価と今後12か月の予想収益から算出される株価収益率(PER)は42.16倍。クラウド事業で競合するマイクロソフト(32.81倍、MSFT)やアルファベット(21.95倍、GOOGL)よりも割高な水準となっている。アナリストが提示する目標株価の平均は182.86ドルで、現状よりも約17%高い。56人のうち18人は強い買い、37人は買いを推奨。1人が維持を勧めている。
クラウド事業の成長率は13.3%の予想
アマゾンの10-12月期決算が予想通りの結果に落ち着けば、総収入の2ケタ成長は3四半期連続。アメリカでは12月の小売売上高が予想を超える強さになるなど、消費の強さを示すデータが注目されており、アマゾンの業績にとっての安心材料となっている。また、アンディ・ジャシーCEOは物流網効率化などによる収益性の改善を進めており、北米事業や国際事業の収益改善への期待は大きい。
また10-12月期決算では、アマゾンの総収入の約16%を占めるクラウド事業の成長にも注目が集まりそうだ。7-9月期決算ではクラウド事業の収入の伸び率が前年同月比12.3%となり、7-9月期(12.2%)とほぼ同じ水準を維持。かつての40%近い成長率からは落ち込んでいるものの、投資家からは好感された。10-12月期については13.3%の成長が予想されており、この水準をクリアできるかが焦点になる。
クラウド事業は成長性が期待されるAIサービスの提供基盤として重要性が高い。インターネット通販での収益改善とクラウド事業の成長性を両立させることができれば、投資家の株価上昇への期待は膨らみそうだ。
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